登山は貧しい趣味なのか?
私は登山を趣味にしている者だ。
あまり熟練者ではない。
一昨年テント泊を始めたばかりで、まだ雪山に行けるスキルはない。
夏山専門だ。
山に行く前は、動画を見て、イメージトレーニングをしてから行く。
そんな私が、次に行こうとしている山の動画を見て思ったのは、その動画でテント泊している人の料理が貧乏くさく見えたことだ。
そういえば、以前、私は「山メシ」という題名の記事を書いた。それは山で食べるメシが美味いという内容だったと思う。その記事では、レトルトのごはんにツナ缶をぶっかけた写真を載せた。貧しい食事だ。ワンコインでお釣りが来る。
私はそんなテント泊のメシを美味いと思っている。それが楽しみで山に登る。
美食ではない。
私が金持ちならば同じことをするだろうか、と考える。
私は以前は海外旅行に行っていたが、最近は国内の登山ばかりを考えている。たしかに海外旅行のほうがカネがかかる。つまり、国内の登山より海外旅行の方が贅沢なのだ。
費やした費用の多寡で贅沢かどうかを計れば、宇宙旅行の方が贅沢だろう。
そうなるとゆくゆくは月旅行や火星旅行などが贅沢になるだろう。あの荒涼とした土地に多くのセレブが旅行に行くのだろう。
そんなとき、日本国内の登山を趣味にしていることは極めて貧しいことになるはずだ。
いや、そうか?
宇宙に目が向いている時代こそ、この地球の魅力に触れることのほうが贅沢なのではないだろうか?
それは海外旅行にも言えるかも知れない。
必ずしも国内旅行より海外旅行のほうが贅沢とは限らない。
私は海外旅行の経験があるが、日本の都道府県で行ってない場所はたくさんある。知らない場所がたくさんある。
身近な場所の素晴らしさを見ることなく、遠くばかりを見るのは、その土地に住んでいることの良さに気づかないことかも知れない。
そして、貧乏くさく見える山メシは、登った者にしかわからない美味さがあると思う。たしかに他人の山メシを見ると、美味そうには見えないが、自分が行って、作ってみると、それが全然違って見えるのだ。レトルトのごはんに缶詰をぶっかけただけのメシが美味く感じるのだ。そして、自分で建てたテントがその夜の仮の我が家になってなんとも言えない贅沢な気持ちになる。そう思うのは私だけではないだろう。
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