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【短編小説】巨大な女

 春一番かと思うほど風の強い夜を、五稜郭 蟻の門渡り三郎は小型のバイクで走っていた。
 軽いバイクは強風に煽られて蛇行する。
 スラックスの裾がはためく。
 蟻の門渡り三郎はハンドルを切り返してバイクを走行させる。
 早く家に帰りたいし、次はもう少し重いバイクを買おうと思った。
 しかし大型のバイクでは摺りぬけ走行が出来ないな、とも思った。

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