良い思い出が無い ②


良い思い出が無い。

ポケットの中は怒りで溢れている。
厭な思い出が渦巻いて反撃に出られなかった後悔と怒りがグルグルと赤黒いマーブル模様になっている。頭が痛い。


苦しい。誰も幸せになってはいけない。
例えば小さな幸せをいくつも集めていけば良いのだろうか。厭なことが当たり前に起きる日々の中でほんの小さな幸せを頑張って見つけていくのだろうか?それで赤黒いマーブル模様は薄くなるだろうか?


僕の幸せに対する感度が悪いんだろうか?
幸せを見えないくらい目が悪いんだろうか?


もっと大きな幸せが欲しい。
もっと強い幸せが欲しい。


厭な思い出が霞んでしまうくらいの幸せ。
幸福に向かう道なら歩いていけるけれどそんなものは無い。早く幸せにならないと厭な記憶のレベルがどんどん上がって、もっともっと強い幸せが必要になる。

毎晩そいつらがやってくる。頭の中から出てくる。押し返してもダメだ。最近あった良い事を思い出している間に喉の奥まで詰まってしまう。嘘の幸せを無理やり作り出して塗り固める。嘘に嘘を固める。嘘は嘘だ。ラーメンより効力は続かない。


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