見出し画像

【短編小説】ピースAUTO

 車列の間をすり抜けて先頭に出ると車の中にいる男は厭そうな顔をした。
 別にサイドミラーにぶつかった訳でもないし、このバイクは古い2ストローク車でもない。
 排気量の大きいアメ車でもないし、族車仕様のバイクでもない。
 何なら俺は信号が青になる一瞬前に走り出すことでせっかちなお前の移動を邪魔する事もない。

ここから先は

1,143字
この記事のみ ¥ 300

サポートして頂けると食費やお風呂代などになって記事になります。特にいい事はありません。