【超短編小説】AWA
死ねばいいのにな、とお互いが口の中でもごもごと呪詛を吐く。
少なくとも東京と言う街はそういうところだ。
特に電車に乗る様な社会的な身分階級の人間たちにとっては。
それが漏れ聞こえてしまえばトラブルになるし、実際にニュースで見る事件の大半はそれが原因だ。
車なら聞こえない。
小さい部屋、または棺桶。それとも子宮。
なんだっていい、俺たちにはあまり関係が無い話だ。電車に揺られて生きる。満員電車だ。
培養液の中で増えていく異常細胞。俺たちはもごもごと呪詛を吐く。
安い石鹸がすり減る様に俺たちは削られていく。
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