マガジンのカバー画像

波打ち際ブンガク

363
波打ち際ブンガク1年目が500円で読み放題! 360本くらいのオリジナル短編小説(1000字前後)がいっぱい。しかも読みきりばかり。 扉絵はAI出力!これはお得だ!
マガジン購読で去年の作品が読み放題! しかもオリジナル作品!二次創作無し! 読んで飛べる読むクスリ…
¥500
運営しているクリエイター

#小説

【超短編小説】脳幹ヘルニア・ボスツェゴヴィナ

 犬が鳴いている。  近所には一軒家が無い。果たして無許可で犬を飼っている集合住宅の無法…

にじむラ
1年前
5

【短編小説】マイ竹刀闘争

「それは私の竹刀袋だ」  空港のピックアップレーンで最後に流れてきた黒い革製の竹刀袋を手…

にじむラ
1年前
2

【超超短編小説】トーキョーヘッド

 死体から頭を切り離して持ち歩いていると警察に止められたが「いや、美容師なので」と言って…

にじむラ
1年前
2

【短編小説】蝉

 雀の鳴き声にしては煩えよな、とセンターが呟いた。  俺たちは緑色のフェルトを飛び回る雀…

にじむラ
1年前
5

【短編小説】危ないので

 がらんがらん、と錆っぽいベルが鳴った。  ドアの方に目を向けると男がひとり立っている。…

にじむラ
1年前
5

【短編小説】お兄ちゃん

 兄が消えた。  それは最初から兄なんてこの世界に存在していなかったの様に、あっさりと消…

にじむラ
1年前
8

【超短編小説】夢ならどんなに良かったでしょう

  「なんの為に使い勝手の悪いアプリをダウンロードしてまでこの店のユーザーやってると思ってんだ!」  俺はレジに立った店員に対して絶叫しながら、それが単なる八つ当たりなのは理解している。  アプリの開発者はコンビニの店頭に立っている彼では無いし、そのアプリが使える店はここだけでは無い。  俺は重たいガラス戸を押し開けて外に出る。  その背中に向かって「またのお越しを〜」とレジの男は声を投げかけてきた。  さすがにレジカウンターでクソをするほどのニヒリストにはなれない。

【超超短編小説】書いてください

「書いて下さいよ」  自分でも驚くほどの大声で俺はそう言った。 「才能があるんですよね、書…

にじむラ
1年前
3

【短編小説】スイカ割り

 目隠しをされる。  グルグルと十回ほど回されてから「始めィッ!!」と言う勇ましい声がか…

にじむラ
1年前
8

【超超短編小説】うらぼんえ

 迎え火を焚いた。  磯の匂いとドブ川の臭い、それに家業であるガスだとか田舎っぽい料理だ…

にじむラ
1年前
7

【超短編小説】郵便局へ行こう!

 汗だくのアロハシャツが風に揺れる。 「社長、俺のボーナスはどうなってるんです?」  日本…

にじむラ
1年前
3

【短編小説】脳毒丸

 母親はもう二度と俺を妊娠しない。  そんな事は分かりきっている。このパーティー会場で俺…

にじむラ
1年前
5

【超超短編小説】Goto

 六限を終えて体育館に向かう道中、中等部の後輩たちが何やら騒いでいるのが目に入った。  …

にじむラ
1年前
3

【短編小説】罪と罰とソーネチカとスプーン

 この痛みをどうにかしてくれ──俺がそう頼むと、ソーニャはゲーム中に来た配達員の対応よりも面倒くさそうなクルベラ洞窟より深く長いため息をついて、まるで聞き分けのない女子どもを諭す様にこう言った。 「ジャァ、コウ考エマショウ」  考える? 「ソコニ、歯ナンテ最初カラ無カッタ」  ……は? 「ウン、ソウ考エルト楽ネ」