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自律神経とヨガの基礎知識〜「女が老けるのは夏」なんて言わせない

紫外線や冷房による乾燥などお肌へのダメージも多く「女が老けるのは夏」ともよく言いますが、自律神経への負担も高いのは自覚されていますか? 自律神経へのダメージは心身に不調をもたらします。QOLの維持、健康だけでなく美容のためにも整えておきたいところです。

さて、今回は「自律神経」について。ヨガの効果について話すと必ずついてまわる自律神経のお話。これは一度きちんと書こうかな思いまして。

なんとなく知ってるかなという方も、聞いたことはあるよ…という方もこの記事を読めば人に説明できる程度になるはず!

最後には実践できる動画もあります。
ぜひ最後までお読みくださいね。


自律神経の役割

自律神経は生命維持に必要なさまざまな現象を、意思とは関係なく制御するのがお仕事です。例えば、脈や呼吸、睡眠、摂食、排泄、体温調節、ホルモン分泌、免疫機能などを調整し、身体内部の環境を一定に保っています

眠ってる間に脈や呼吸が止まらないのも、夏でも冬でも体温が変わらないのも、睡眠のリズムも、状況に応じて血管の収縮・拡張がなされるのも、みんな自律神経がはたらいてくれているから。

夏は暑熱そのものも身体に堪えます。しかし、短時間に落差のあるエアコンが効いた場所と外気の温度差に晒されることで、体温調節機能は目まぐるしく働かねばなりません。自律神経に負担であること、納得いただけるのではないでしょうか。


交感神経と副交感神経


血管や立毛筋などは交感神経のみにより調節されますが、それ以外の臓器は両方の支配を受けているものも多い

自律神経は交感神経と副交感神経の2種類によって調整されています。緊張状態では交感神経が、リラックス時には副交感神経が優位になるとご存知の方も多いでしょう。暑熱や寒冷などの温度への対処や、時間帯による切替もしています。

外界の環境や身体のコンディション、精神面の変化に応じて、交感神経と副交感神経は適切に切り替わりバランスを保ちます。この切替がきちんと出来ているかどうかはとても重要です。なぜなら、そのスイッチは容易にバランスを欠いてしまうからです。

たとえば時間帯に合わせて切り替わるはずが、夜間に強い刺激やストレスを受けることで副交感神経にスイッチできず、不眠や睡眠の質の低下につながってしまうことは珍しくありません。

人が自然にあるべき状態から大きく外れると自律神経は混乱してしまいがちなのです。

トータルパワーを高め、呼吸と血流で整える

自律神経はタンパク質や脂肪からなる繊維で、支配する臓器に伸びています。具体的な身体の一部ですから、お肌が弱いとか、髪が丈夫とか、筋肉量が多いなどと同じように神経そのもののパワーも個人差があります。一般的に男性は女性より筋力がありますが、自律神経のトータルパワーも女性は男性に及ばない傾向があります。

疲れを溜め込みすぎないようにし、アミノ酸やビタミンB群が欠乏しない食事を摂るなど自律神経そのもののパワーを高めるなど、せめてもの対策を取りながら、交感神経と副交感神経のリズムとバランスを整えていきたいですよね。

そのために重視したいのが呼吸と血流です。

呼吸はいつもは自律神経が制御していますが、自分からもアプローチできるほぼ唯一の方法です。肺は交感神経と副交感神経の両方から支配を受けており、吸う時は交感神経、吐く時には副交感神経が優位になります。深く、ゆっくりと、特に吐き切るように意識することで自律神経のバランスが向上します。

また、呼吸によって得た酸素を運ぶのは血液です。血管のコントロールは交感神経が行なっており、優位になると収縮し、血流が阻害されます。しっかりと吐き切る呼吸は副交感神経を刺激し、血管を拡張させるため血液の流れがスムーズになります。

巡らない身体にあるリスク


交感神経が優位な状態は活動的な状態を作り出し、決して悪者ではありません。

しかし長期にわたってその状態が続くと、血流によって運ばれる酸素や栄養が身体に行き渡らなくなり、老廃物の処理も滞ることで自律神経のはたらきがより悪くなる悪循環に陥りやすくなります。血流と自律神経は相互関係にあるのです。

悪循環から抜け出せないと呼吸が浅くなったり動悸、喉の詰まり感などの自律神経症状が現れます。発汗やめまい、ほてり、あるいは頭痛や胃痛、腹痛などの痛み、下痢や吐き気を伴うこともあれば食欲が落ちることも。

過度に交感神経がはたらき、疲れ果てると今度は副交感神経が優位になりすぎ、やる気が出ない、全身の倦怠感が取れないといったことが起きることがあります。いずれにせよ生活に支障が出るようになってしまうと厄介です。


ヨガは自律神経の働きにどう関係するのか

ヨガは自律神経のはたらきを改善すると言われますが、本当でしょうか?

先に少し触れましたが、ゆったりとした呼吸は副交感神経を活性化します。ヨガクラスは最初に呼吸法(プラーナヤーマ)を行うことがほとんどですし、アサナ(ポーズ)の実践中も呼吸が止まらずスムーズかどうかを重視します。刺激によって交感神経優位に傾きやすい現代人のバランスを整えるのに適した方法なのです。


また、アサナの実践で身体を動かすことは血流を促します。血流と自律神経の関係は上で述べたとおりですが、呼吸が止まると効果が薄れてしまうのでご注意くださいね。

ヨガクラスは最後にシャバーサナ(屍のポーズ)で締めくくります。これは仰向けの姿勢で力を抜くポーズです。閉眼時には脳波がα波になりますが、適度に身体を動かして程よく疲れた状態でシャバーサナを行うことでリラックス効果がさらに高まります。

自律神経を整えるヨガって何?

ここまでお読みになられたら気づかれたかもしれません。自律神経を整えるヨガと銘打ってあったとしてもなかったとしても、気をつけることが出来ていればどんなレッスンでも自律神経を整えるヨガになることを。

そして気を付けることというのは結局「呼吸」と「アラインメント」だったりします。

呼吸は説明した通りですが、アラインメントは何に関係するかというと血流と大きく関わります。人は知らず知らずのうちに身体の使いやすい部位ばかりを使ってしま位がちです。しかしアラインメンの意識を持って練習すると、あまり使わない細部や、活躍のチャンスに恵まれないまま弛んでしまっている部位を使うことができるのです。

普段は血流が行き届きにくい部位へと酸素と栄養素を送り、続けることでシェイプアップ効果を期待できます。

短いフローをやってみよう

自分に合った運動量、無理をしないこと。その上で、呼吸を大切にし、大きな関節と指先や足裏などの普段は意識しない部位も動かすこと

これさえ守れば、すべてのシークエンスは自律神経のバランスを助けるヨガになり得ます。

わたし達は成果主義に毒されていて、つい「ポーズができたかどうか」に目を奪われすぎですが、何度も言うけど大事なのはそこではないんです。もちろん達成感は継続のためには大切なのだろうけど、先入観を捨てて本気で自分の身体に向き合うことが最も重要なんです。

そんなわけで、集中力が落ちない10分程度の短いフローヨガ動画を用意しました。

ニュースでも「運動は控えて」と注意されるほどの猛暑ですが、何もしないとむくみやだるさが増すばかり。このフローでは肩関節や股関節がしっかり動かせますが、動きとしてはビギナーレベル、必要以上に疲れることもないはずです。ヨガの練習を重ねている方も短い時間でリラックスしたい時におすすめです。最後にシャバーサナを1分ほど足してもらうとよりリラックス効果が増すはずです。

ちょうどいい運動量で自律神経を整え、美と健康を守って秋を迎えられますように!

SVAHA YOGA well-being studio豊かな指導経験から得た現場の知恵と、科学的な見地に基づいたアプローチに基づく現代的なハタヨガスタイルのレッスンが受けられます。ビギナーには取り組みやすく、長年のヨガ実践者にも実りある練習ができる環境を提供しています。東京都中央区、茅場町駅・八丁堀駅徒歩5分https://svaha-yoga.com

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