調べて試して納得した・眠りの質を高める5つの方法
1週間の間に3回も土砂降りがあった日曜の午後、雨の音を聞きながらこの記事を書いています。気温、気圧の乱高下に不眠・中途覚醒を訴える人が多いですねえ。訴えるって言っても、わたしは別にお医者でもなんでもないので世間話がてらにですが。
かく言うわたし自身もあまり睡眠の質が良いタイプではありません。小さい時には針が落ちる音でも目を覚ますような子だったと親から聞いているし、夜中に目を覚ましてリビングに降りては1人で本を読んでから知らぬ顔で二度寝して朝寝坊するような子でした。しかし、そのためダッシュで学校に行くので足は無駄に早かったですね…
ある程度、長時間の睡眠ができるようになったのは成長して体力がついてきたからだと思います。大人でも疲れていたり体力が落ちると眠っている状態をキープするのが難しくなるんですよね。
風邪をひいてる時には寝苦しくて何度も起きてしまったりしますし、高齢になると早朝覚醒になってしまうのも同じです。また、体力が落ちている時は睡眠と覚醒のリズムを調整する自律神経機能も下がっていることもあるでしょう。
睡眠の質を高めるためには、まずは睡眠と覚醒のリズムが重要です。
最も大事なのは「リズム」と心得る
わたし達は意識しなくてもなんとなくは昼夜の区別が付きますよね。それは概日リズムとかサーカディアンリズムとか呼ばれる生理現象です。体内時計と言えばわかりやすいでしょうか。約25時間周期で朝・昼・を区別し、それに対応してホルモン分泌や脳波を変動させる能力が人間以外にもほとんどの生物にも備わっていますます。
25時間だと1時間ほどズレちゃわないかと心配になりますが、人には明暗を感じ取るセンサーが備わっており、この情報が概日リズムを外環境の「1日」に合わせてくれます。
しかし明るさや暗さの刺激がリズムに影響を与えるということは、本来は眠りにつきたい夜間に強い光にさらされてしまうと、身体が「昼かな?」と勘違いする性質があるということでもあります。しかもそれはスマホの光程度でも起きてしまいます。
概日リズムを調整するのはセロトニンとメラトニンという2つのホルモンです。朝、光を浴びるとセロトニンが分泌され、起床から15時間ほど経過するとセロトニンを前駆体としてメラトニンの分泌量が増加し始めます。これら二つのホルモンの昼夜の分泌量の差は、自律神経の調節にも関わります。
睡眠に関わるのはメラトニン
メラトニンは睡眠に導くホルモンで、心拍や血圧、体温を低下させるはたらきをもちますが、強い光にさらされると分泌が抑制される性質を持っています。つまりわたし達の体内時計は光刺激で容易に狂わせることもアジャストすることも出来るのです。
繰り返しになりますが朝にはしっかりと光を浴びてセロトニンを合成しておき、夜はあまり明るい光に当たらないようにすることでメラトニンの量を担保することは、睡眠のリズムを整えるためにとても重要なのです。
簡単にですが体内時計のメカニズムがわかると、眠りの質を高めるためには夜にメラトニンを分泌させ、自律神経をまったりモードの副交感神経優位な状態にするのが良さそうということまで理解できるのではないかと思います。つまりリラックスした状態に導くことが大事。
そのためには日中に受けたストレスの影響をニュートラルに近づけるのも必要です。疲れた時には、そのまま倒れ込むように眠ってしまいたいこともありますし、心理的なストレスをお酒で紛らわせて眠気を待つこともあるかもしれません。どちらもわたし自身も身に覚えがありますが(ヨガの先生だけどわたしは全然飲むタイプ)場合によってはこれは途中覚醒の原因にもなります。
と言うわけでここからは、気絶とお酒以外の、眠りの質を高めるチップスをご紹介しますね。合う方法があれば幸いです。
①寝る前のスマホとコンビニは要注意
メラトニン分泌の抑制は一般家庭の照明程度でも起こり得ますが、注意したいのはスマートフォンなどの液晶や深夜のコンビニ。
メラトニンは150ルクス程度まで暗くなると分泌が促進されますが、コンビニの明るさは一般的に2500ルクスと言われていて15倍以上。このことを知って寝る前の散歩の時にコンビニに行くかどうかで様子を見てみたんだけど、明らかにコンビニに行くと明るいしなんか楽しいしで、そのあと確かに眠れないですね。
スマホの光についてはどうも諸説あるみたいで、わたし自身もスマホを触っていた方が何もしないより早く眠れると感じることもあります。ただ、その場合も画面は暗めに設定した方がリラックスできるのは確かかも。電子書籍で本を読むときはダークモードにして文字サイズも少し上げるのがいいし、暇じゃないのに暇つぶしのネットサーフィンも避けたほうが得策です
②バスタブに入れても入れなくてもいい
38-40度程度のお風呂に15分程度浸かるのはとてもおすすめ。全身の血流が促されるため、自律神経を整える効果もあってリラックスモードに入りやすくなります。
とはいえ本当に疲れているとバスタブに入る体力が残っていないことも。「溺死したら困るな」「今度は上がって来れなくなりそう」と二の足を踏んでしまうことはないですか?そんな時はシャワーで済ませちゃいましょう。シャワーだけでも何もしないよりはずっとリフレッシュされます。
そんな時に強め、熱めのシャワーを当ててほしい箇所が2箇所ありまして、ひとつは仙骨、もうひとつは僧帽筋です。順に説明しますね。
仙骨はお尻の割れ目のすぐ上にある平べったい大きな骨で、腰椎から仙骨のあたりは副交感神経が集まっている部分です。温めて血行を促せばリラックス効果が期待できます。
もうひとつは後頭部下部のぼんのくぼ~肩、肩甲骨の間あたり、僧帽筋ですね。バスタブに入れるときも肩まで長く浸かるのは心臓に負担があり難しいので、冷えやすい部分です。意識してシャワーを当ててあげましょう。肩が冷えやすい人はもちろん、肩こりや首こり、眼精疲労に悩んでいる人はぜひ。また、夏場はお風呂から上がる前に、僧帽筋周辺にさっと、大体5秒程度冷たい水をかけると汗が引きやすくなりますよ。
③ストレッチをする
これも血行促進による自律神経の調整を期待してのことですが「今日はシャワーも無理」という場合も、寝そべる前に脇を伸ばすストレッチだけはしてほしい…そう願ってやまぬわたしです。
なぜ脇か。それはね我らの脇が縮んでいるからです。肩甲骨の外側の縁のあたりをほぐすと肩こりに即効性がありますし、続けてもらうとことで猫背の改善にも。
立ったまま掌を合わせて右と左に身体を倒すだけでもいいし、壁を使ったダウンドッグ(写真)もおすすめです。これも腰くらいの高さの壁に肩幅に手をついて、そのまま足を後ろに歩かせるだけ。両方やっても1分で終わりますし、濡れたりもしないのでシャワーよりも簡単。
ベッドにバフっと寝てからできるストレッチもあるので、それはまた別の機会にまとめてみたいと思います。でもとにかく伸ばしたいところを伸ばすのがいいですよ。腰に不調があるなら捻る動作を入れる、湿度が高くなってむくみやだるさが気になったら前屈してふくらはぎやハムストリングスを伸ばす…など。
難しく考えないで、どこをどうしたいかな~とちょっと観察してみる。自分の身体の声を聞く練習にもなり、ヨガをしている人はアサナの理解にも役立つし、ヨガはやってないよ~という人にとってもセルフケアを助けてくれると思います。
④香りを味方に
嗅覚は大脳辺縁系という情動や記憶、自律神経の調整を行なっている脳部位にダイレクトに届きます。対して、視覚や聴覚などの他の感覚と違って脳の情報を整理する視床下部を経由して辺縁系に届きます。とっても本能的なものなのですよね。
それにミントやラベンダーといったよく知られている植物の香りにはリラックス効果と覚醒効果の両方が含まれていて、好みや気分、ブレンドでも感じ方には変化があります。てだから、やっぱり好きだなと思えるものが一番です。
わたしはアロマストーンにネロリの精油を垂らしてベッドサイドに置いたり、好きな香水を少しだけ手首つけてクンクンしながら寝るのが好きです。ハンドクリームで香りを楽しむのもいいですね。
⑤ボディスキャン瞑想は超おすすめ
ボディスキャン瞑想は、疲れすぎたり怒りを抱えて眠れないような夜にぴった。ジョン・カバット・ジン博士が考案したマインドフルネスストレス低減法の中にも取り入れられています。自分1人で行うこともできるし、個人的にはガイドに委ねて行うボディスキャンは最後まで起きているのが難しいほどに効果を感じる安眠法です。
仰向け姿勢のまま、身体各部に意識を向け、ありのままを感じ取ろうとします。受動的でもあり、能動的でもあるそのアプローチは、リラックス効果の先に心身のコンディションに繊細になるという効果があります。
自分でやるなら、やり方はこんな感じ↓
①仰向けになり姿勢のバランスを整えます
②呼吸をしながら吐く息で身体の力を抜く。呼吸はコントロールせず、自然な呼吸に身体を合わせるようなイメージ
③身体各部に意識を向ける。順番には特にルールはありませんが、わたしはかかとからスタートし、身体を一周して逆足のかかとに戻ってくるイメージです。意識のスポットライトを滑らせながら様々なパーツに意識を動かしていきます
④体全体のスキャンが終わったら、全身に意識を向け、ベッドや床に身体を預けている重みや部屋の壁や天井から身体までの距離を感じとります。
自分でやるとリラックスできないなあという方は、youtubeやアプリで探すのもおすすめですし、私たちのスタジオでも不定期にヨガニドラーというクラスに含めて行なっていますのでぜひお試しくださいませ! 次回は6月22日(土)でっす!
自分のために何かをするという気持ち
これらのチップスはどれも複合技が可能なことにお気づきでしょうか。アロマストーンに精油を垂らしてお風呂に入ったり、ストレッチしてもいい。危なくない程度に暗いバスルームでシャワーを浴びてもいい。
こうすれば絶対寝れるはず、と思い込むと逆に眠れなくなっちゃいます。色々試してあげてみてください。自分のために何かをするという気持ち、それがセルフケアの最初の一歩。
自分と向き合うのは苦手な人も、シャワーを浴びたり良い香りはきっと好きですよね。自分のためにしてあげられたという達成感もきっと嫌いじゃないと思います。
今回紹介したことを深掘りしたり、季節によって変わるセルフケアに関する記事、これからも時々アップする予定です。どうか皆様がこれからくる梅雨、夏を健やかに過ごせますように!!
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