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スケベ女のインドレストラン活用法。そしてそれがもたらしたある悲劇。

インド人は料理を、右手の親指、人差し指、中指を使って食べる。たとえば南インドのワンディッシュ・プレート、ミールスならば、ごはんを汁ものに浸したり炒めものを混ぜるなりしつつ、軽く揉んで、口に運ぶ。インド釜飯ビリヤニとて、同様にごはんをつまみライタにつけたりなどしながら、フィンガー・イーティングで楽しむ。これを背筋を伸ばして行うならばなかなかに優雅である。もちろん南インド人のなかには、右手の掌までカレーまみれにして食べるむさくるしい親父もいるけれど、それはまたそれで野蛮な男っぽい魅力がある。また人の指には常在細菌がいるもので、これを取り込むこともまた腸内細菌の健全化の一助になるでしょう。もっとも、ぼく自身はシャイな日本人ゆえ、おおむねスプーンで食べますけれど。


さて、とあるスケベ女のエピソードである。彼女は妙齢の日本女性でありながら、インド料理の名店で上手にフィンガーイーティングをなさる。ぼくは彼女に感心した。すると彼女は嫣然と微笑みこう言い放った、「だって、フィンガー・イーティングをすれば、すぐにお友達ができちゃうんですもの♡」彼女はいかにも清楚で上品なマダムである。



その後ぼくは知ることになる。彼女はとあるIT系インド男と浮気をしていた。なお、インド人のほぼすべては老いも若きも信じがたく純情なもの。インド映画を何本かご覧になった人ならば、男が青空の下で大きく両手を広げ女を讃美し、幸福な男女の愛の交歓の映像をおもいだすことができるでしょう。インド人にとって愛は神聖なもの。インド人男女が結婚まで童貞・処女であることもけっしてめずらしくありません。(浮気のひとつもしようものならば、とくに農村部であれば男女ともに殺される怖れさえある。さぞや興奮なさることでしょう?)



さて、性的に奔放な日本女性たる例の彼女はインド男をもてあそんだのが運の尽き。(なお、ふたりが出会ったきっかけはSNSだった。)インド男は検索の超絶達人であり論理的推論に長けている。かれは知り及んだ、彼女の職場、彼女の不倫男性の職場での地位、そして彼女が家庭をほっぽり出して、夫、自分以外にも、職場の上司と長年にわたる不倫関係にあることを。つまり彼女は三股恋愛を生きていたのだ。かれは驚き、哀しみ、それこそ胸をかきむしり、この混迷をどうするべきか思案する。かれは彼女のこの現実を知り及んでなお彼女に迫った、現在の夫との離婚、そして自分との結婚を。かれは約束した、彼女が教育責任をなかば放棄した結果、壊れかけている家庭を自分の手で再建し、彼女の子供たちに良い人生を歩めるように善導することを。結果、彼女はどんどん追いこまれ焦燥していった。この件について、ぼくはいくらかなりとも関係者双方ともに同情しないこともないけれど。ただし、同時にどっちもどっちだよなぁ、なんと業の深いこと、と呆れもしたもの。


なお、純情可憐なのはネパール男とて同様で、とある日本女性はあるネパールレストランで料理を召しあがって、料理人に「ミトチャ(おいしい!)」と笑顔で囁いた結果、ネパール料理人にさんざん追い回されて、たいへんな目にあったもの。かれは異国の地日本で、家族から離れて日本語もろくにしゃべれず朝から晩まで料理を作りさぞや孤独に暮らしていたことでしょう。そんなかれにとって素敵な日本女性が囁いた「ミトチャ♡」の一言が、かれの長らく忘れていて種火に過ぎなかった性愛衝動に、ガスバーナーで盛大に火を点けてしまったのだった。



なお、ぼくのささやかな経験によると、一般に男は中高生のときこそはちきれそうな性欲を持て余し、20代30代もそれなりなものながら、しかし40代に性欲はいくらか漸減してゆきはじめ、50歳を越えた頃には男の性欲はのどかなものである。それに対して、女の性欲は若い頃に燃えさかるのみならず、なぜか40歳前後で炎のように燃え盛る人が多い。男女間のこの差が、女たちが浮気に走りがちな原因のひとつではないかしら。ただし、性的に奔放な女性のみなさん(であろうがなかろうが)、どうぞインド人やネパール人の性愛衝動に火を点けることにはくれぐれもお気をつけください。



余談ながら、宮崎県には三股町(みまたちょう)なる町があって、ゆたかな自然に恵まれて、食べ物もおいしい町らしい。性的に奔放な女性のみなさんは、彼氏を選んで不倫旅行をなさってはいかがでしょう?



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