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『UZU』ができるまで_Part.2

落合陽一氏講義「メディアアート」成果発表展示会の一環で、4日間で制作した作品『UZU』(現「GASRIUM」)の制作過程をざっくり紹介します。


制作期間1日目はプロトタイプ作りで終了。
前回に引き続き、作品の制作過程を紹介します。

3・設計図を引く

プロトタイプで煙の回し方をある程度把握できたので、残りの3日間で実際の作品を形にしなければいけないのですが、私は何を思ったか
「大きい作品を作りたい!」と思ってしまったのです。
大きさで勝負、という訳でもあったのですが、単に煙が回るのをプロトタイプよりもっと大きいスケールで見たい、という思いもありました。

舞台美術家という職業上、アイディアを起こすのには
スケッチ → モデル(この場合プロトタイプ)→ 設計図 → 制作
という順で作品制作をしていくので、今回もちゃんと寸法を気にしながら設計していきました。

簡単なモデリングをSketchUpを使って作成。
販売していたエンビ板の規格に合わせて設計しました。

(設計図は、プロジェクトにもよりますが、この場合は作品の制作と並列して行いました。)

4・作品の制作に取り掛かる

まずはアマゾンですでにポチっていないものを秋葉原で調達。
プロトタイプより大きいのでファンを2層にする必要があると読み、24V5AのDCファンを購入。
あとはホームセンターで側の木板や、エンビ版、必要な接着剤・ペンキなどを買い占めてやっと制作開始です。

さて、3日でこれほどの大きさのもの(高さ約1000mm)を作るのは初めてでしたが、とにかく形にしなければ、という思いが強く、必死で作り上げたのがこちら、
画像連発でお届けします。

まず8角形の側を作って、そこに色々とはめていく方向で制作しました。
全て測って、切り取って、貼り付けて・・・
教えてもらったファンの配線も完璧。

そして、なんとか!完成!

作品展示中によく、「透明部分の材料は何で作ってるの?アクリル?」と聞かれました。
欲を言えば、本当は5mm以上のアクリル板で作りたかった!
1mmのエンビ板より全然しっかりします。

でも、高いんです!

この作品を作るのに、出費は合計3万弱
なるべく抑えたつもりですが、アクリルにしていたら倍近くかかっていたのではないでしょうか。
また今回自分でカットをしたり、什器の搬入・搬出を行ったため、切りやすさ(1mmはギリ、カッターで切れました)と軽さ重視でエンビ板を選びました。

結果、あんなに大きい作品でしたが一人でかつげるほどの軽さに
展示会場に搬入し、設置はなるべく簡単に。

残念ながら落合先生の講評会までには間に合わなかったのですが、その夜、展示会の前日に滑り込みで作品が完成しました。

完成して初めてのテストはちょっと感動的。

なぜなら、この作品の制作過程で一番難しくネックだったのは、
側を完成しないとスモークテストを行えなかったこと。
ファンの配置もあるので、途中で試しにどう回るか確認してみよう、ということもできず、手探り状態の中、感覚と勘を元に作成した部分もありました。

とにかく、この4日間で作品に落とし込めたことにホッとしている私です笑
展示会も無事開催でき、480人ほどの来場者にお越しいただきました!

ここで、作品の説明を少し:

作品の形状について》

なぜ8角形かというと、ファンを設置しやすい、円形に比べて作りやすかった、というのもありますが、「ずっと見ていられる」というもので宝石のカットをイメージしたからです。

宝石も、転がっていた石を人が観賞用に加工し、それに魅了されます。
そういう面では自然現象を落とし込んだアクアリウムやプラネタリウムなどと共通点があるのではないかと思いました。

《作品に対しての思い》

アクアリウム、ハーバリウム、プラネタリウム・・・
様々な方法で、私たちは自然現象を観賞用に置きたがります。

今回の作品でも、自然現象を作品に落とし込む、ということで空気やガス(スモーク)を使って「ガスリウム」というものを制作してみたくなりました。
しかしただ作品にするだけでなく、アクアリウムやプラネタリウムがそうであるように、時間を忘れ、吸い込まれるように「ずっと見ていられる作品」を目ざしました。
海の波や空の雲がそうであるように、コンスタントの中でも二度と繰り返されることのない変化、が人を引き付けるのではないでしょうか。

実際に展示会では多くの方々にお越しいただき、ありがとうございました!
たくさんのフィードバックをいただけてとても嬉しかったです。

作品として展示はしたものの、まだこれもプロトタイプだと思っているので、スモークでもう少し遊んでみたいな、という思いは強いです。
展示中もプロジェクターを入れ動画を投影し、光で遊んでみたりとアップデートはしてみてはいたので、これもまた探求していきたいと思います!

更なるアップデートをお楽しみに。

長々とお読みいただきありがとうございました、

それではまた次の作品制作に取り掛かります!

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Stage Designer // Creative Director // DIGITANTZ Producer 主に作品の制作記録を行ってます。