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躁鬱フリーター日記7

前回は酷い鬱から強い躁に傾き、お金を使いまくったり新しいことを始めたくなったりしておかしくなっているところで終わっていた。

「数ヶ月後の私は、今の私のことを「頭おかしかったな」と思うだろうか。それすらも今はまだ、分からない。」という文で締めくくっているが、現在の私が数ヶ月前の私のことを思い出すと、本当に異常だったなと思う。

お金も能力も無いくせに「カフェを開く!」と言い出したり、お金欲しさにFXをやろうとしたり、あとほんの一歩間違えたら大変な事態を招いていたであろう異常行動ばかりしていた。

前回の更新から今日までの私はどうだったかというと、結局そのまま躁状態が治まらず、お金を湯水の如く使ってしまっていた。

私はライブに行くことが好きなので、お金の大半はライブに使ってしまうのだけど、この数ヶ月の私のチケットの買い方はおかしかった。地元の名古屋だけじゃなく、東京や大阪、それ以外の地方のチケットまでどんどん買ってしまい、お金を使った。

別に、ライブに行くことやチケットを買うことが悪いことだと言いたい訳じゃない。だけど、私のように手取り10万の低賃金で働いているような人がやっていい行動ではない。

精神科では、先生が深刻そうな顔で「これ以上お金を使ってしまうようだったら入院しますか?」と言った。まさか"入院"という言葉が出てくるとは思っていなかったので怖くなった。私が思っている以上に病状は良くないのかもしれない。

既に限界量の薬を出しているため、これ以上薬を増やすのは、外来では無理なんだそうだ。だけどただでさえ「お金を使ってしまって困っています」という奴が、入院費なんて払えるはずがない。さらに、もう3ヶ月先までライブの予定をいっぱい詰め込んでいる私が、入院なんて受け入れるはずもない。だってライブが生き甲斐だから。

「入院しますか?」と聞いてくる先生の言葉を、「いや、別に、まだそんなに大変な訳じゃないと思いますけどね…」とはぐらかした。

それほどまでに強く長く続いた躁状態だったが、12月半ば頃から急に下降気味になっていった。特に何があったという訳ではないのに、急にウェブライターのアルバイトが苦痛になった。

この躁鬱フリーター日記を最初から読んでくれた方は分かるだろうが、このウェブライターのアルバイトは、仕事ができずずっとニートをしていた私がようやく辿り着いたリモートワークのアルバイトなのである。

一般的に「精神疾患のある方には、マイペースにできるリモートワークが向いている!」と言われている。しかし私はただの精神疾患ではなく、ADHDと併発しているタイプの双極性障害なので、リモートワークはまったく向かなかった。

ADHDの特性としてとにかく気が散りやすくて、複数のタスクを同時並行で進めると何かを忘れてしまう。それに加え、双極性障害の症状として、気分の浮き沈みや強い眠気などがあり、まともに起きていられない時も多い。

また、社員の人とのやりとりがチャットしかないため、些細な質問は聞きにくい。口頭であれば「これって〜ですか?」と一言聞けば済むものを、チャットだと「〜の…についてなのですが、〜〜って……ということでしょうか?」と聞かなければならない。それはとても億劫な上に、なんだか気を遣ってしまって聞きにくい。

数ヶ月前まではノルマが無く、自分のペースでゆっくりと、まぁ別の言い方をすればダラダラと気楽にやっていられた。病院の先生も、「リモートワークなんだから、Netflix片手にやってれば良いんですよ」と言っていたくらいだ。

しかし11月くらいから、「1つの記事につき〜時間以内で終わらせてください」というノルマができてしまった。それ故に、今までのように辛い時に横になりながら作業したり、あれこれ気が散ってウロウロしたりしていると、ノルマが達成できなくなってしまう。そうしてノルマが達成できないと、社員の人からチャットが来て、「どうして達成できなかったんですか?」と責められてしまう。(責めるつもりはないのは分かるが、チャットで聞かれると責めているように感じる)

恐らく、今回の鬱の波の原因はこのノルマができたことだと思われる。

鬱に傾き、起き上がっているのが辛くて、つい横になって寝てしまう。そうするとノルマが達成できない。達成できないと社員の人から責められる。するとさらに落ち込んで鬱が酷くなり、起き上がっていられなくなる…という悪循環が生まれてしまった。酷い時だと、1日8時間勤務のうち、6〜7時間ほど寝てしまっていた日もあるくらいだ。

こう見えても性根は真面目なので、ノルマが達成できず、社員の人から注意されることは、私にとっては強いストレスだった。強い人なら「ふん、なんか言われてるわ〜」くらいにしか思わないのかもしれないけれど、気にしいな私は全部気にする。チャットが来る度にビクビクしていて、毎日心が落ち着かない。

そうして、どんどん気分が鬱に傾いていく。

仕事が休みの日ですら、仕事のことを考えてしまう。食事もする気が起きず、夜ご飯しか食べない日が続き、体重が30kg台まで落ちた。夏に鬱が強かった時と同じようになってきてしまっている。

この状況が長く続くのは良くないと思う。病院の先生にも「仕事は辞めても良いと思いますけどね…」とも言われているし、辞めることを強く考えている。

しかし、辞めてしまうとお金に困るのだった。失業手当が出るわけじゃないので、辞めてしまうと収入が全く無くなってしまう。それなのに、数ヶ月前の躁状態の自分が入れたたくさんのライブや遊びの予定が自分の首を締める。

だけど少しでも早くこの仕事を辞めないと、また再起不能なところまで鬱が酷くなると予想される。鬱が酷すぎて短期のアルバイトすらできずにニートになってしまった過去があるので、あまり鬱が酷くなる前に対処したい。

そんな板挟み状態で、今とても悩んでいる。次にこのシリーズを書く頃にはきっとウェブライターのアルバイトは辞めているのだと思う。でも、就職活動が下手くそな私が、すぐに別の仕事を見つけられるとは思えない。

無事に3月まで詰め込んだたくさんのライブに行けたらいいな。

自分の書いた言葉を本にするのがずっと夢です。