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企業戦略の第一歩であるドメインそして多角化について

経営について学んでいます。今回は企業戦略(成長戦略)の第一歩であるドメインについて。また、多角化や複数事業の管理方法であるプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)についても。自身で学んだことを自分の言葉でまとめていきます。

まずどこで戦うのかドメインの定義が企業戦略の一歩となります。事業領域を定める際には何を行うかといった視点だけでなく、「誰に」という顧客視点を大切にしなくてはなりません。

では、なぜドメインを定義するのでしょうか。ドメインがなければ社員はばらばらに動き、あちらこちらに経営資源が分配されてしまいます。意思決定集中、資源集中、組織一体化がドメイン定義の目的です。
経営資源の分散を回避しなくてはなりません。事業範囲は広げると競争が激化します、しかし絞りすぎるとビジネスと成立しません。広すぎず狭すぎないところを狙うべきです。
鉄道会社が鉄道を利用する住民や沿線住民を顧客として百貨店やホテルを経営するといったように、複数の事業領域をもつ企業も存在します。
企業全体で定めるドメインを企業ドメイン、各事業体ごとに定めるドメインを事業ドメインといいます。単一事業しか行っていない場合は企業ドメインと事業ドメインは一緒になります。

先に例に出した鉄道会社、ドメインを運輸業として定義するとします。鉄道といった小さな視点でなく運輸と定義することで物を運ぶといったことも含まれるようになります。マーケティングマイオピア(近視眼)を避け、顧客的視点に変えることが大切になります。
ドメインにおいても環境の変化により、再定義や転換といったことが必要となる場合があります。

また事業を進めていくうえで多角化といった戦略をとることもあります。現在の事業に近い分野での多角化を関連多角化、事業よりも遠い分野での多角化を非関連多角化といいます。非関連多角化の場合は経験もないため日数がかかります。

多角化を企業成長戦略の一つとして置いたのは、事業経営者であり経営学者のイゴール・アンゾフ。アンゾフは、企業の成長戦略を「成長マトリックス」として市場浸透侵略、新製品開発戦略、新市場開拓戦略、多角化戦略の4つに位置づけました。
・既存の市場×既存の製品 で拡大化戦略をとる場合には販促等でより一層の販売をしていくといった市場浸透戦略がとられます。
・既存の市場×新製品 で拡大化戦略をとる場合には新しい製品を生み出す新製品開発戦略がとられます。
・新規の市場×既存の製品 で拡大化戦略をとる場合には通販から小売りへ移るといった製品を新市場へ投下する新市場開拓戦略がとられます。
・新規の市場×新製品 では新製品を新市場に投入する多角化戦略がとられます。

多角化を行う理由は開拓やリスク分散、余剰支援である組織スラックの活用、シナジーの追求、事業間の相乗効果といったものがあります。また、複数事業の方が技術チャネル等を共有することができ単独よりも有利な運営が行える、範囲の経済性、コスト有利があると考えられます。


複数事業の管理方法にはプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)があります。プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントとはボストン・コンサルティング・グループが提唱した多角化した事業の経営資源を最適に配分することを目的としたマネジメント手法のことです。

PPMの図、みなさんも目にしたことがある方多いのではないでしょうか。

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製品にはライフサイクルがあり人の人生と同じように生まれてから衰退していきます。導入期は事業キャッシュがマイナスに、その後成長期を経て、成熟期を迎えます。成熟期はシェアが固定化、追加投資もあまり必要でなくなるため最もキャッシュが大きくなります。衰退期には売り上げが減っていきます。

花形は成長期の後半。たくさんの投資が必要です。キャッシュは多くなりますが出ていくキャッシュも多くなります。金のなる木は成熟期。シャアが高く成長が落ち着いているため投資はあまりひつようではありません。しかしいずれかは衰退するので将来の有望な事業への投資が必要となります。問題児は導入期。市場成長率は高いが自社のシェアが低い状況です。たくさんの投資が必要です。問題児の中で今後が見込めるものを金のなる木の余剰を投資し花形へもっていく流れが重要です。負け犬は事業の見極めが必要となります。

PPMは便利ですが、使い方を間違えると机上の空論となります。財務の視点のみに偏り人材等の考慮がされていません。また、過去データの分析で将来すべては決まらず、負け犬に分類されるとモラール(やる気)が低下することにもつながります。他の事業とのシナジーも無視しています。

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