見出し画像

経営学者マイケル・ポーターの考えから経営を学ぶ

経営について学んでいます。今回はアメリカの経営学者、ハーバード大学経営大学院教授のマイケル・ポーターが提唱した戦略、フレームワークといった考え方を自身の言葉でまとめていきます。
マイケルポーターは経営戦略論の研究の第一人者。マイケル・ポーターの戦略フレームは現状でも会社の経営戦略を考えるうえでなくてはならないものです。

著書「戦争の戦略」において、業界の競争状態を決定するものとして5つ競争要因(ファイブフォース)を示しました。業界の競争状態は次の5つによって規定され、この5つの競争要因がその業界の収益性を決定する、と提唱しています。

●既存企業者の敵対関係
業界内の競合他社との競争、どれくらい激しいのか。
●買い手の交渉力
製品の買い手である顧客。顧客の力がどれくらい強いのか。
●売り手の交渉力
製品に必要な材料や部品の売り手(供給者)。売り手の力がどれくらい強いのか。
●代替品の脅威
代替品が現在の製品をとってかわる恐れは高いか。

また、ポーターは参入障壁(※)の規模を図る具体的な指標として、
1.規模の経済性が働くか
2.製品の差別化が存在するか
3.巨額の投資が必要か
4.仕入れ先を変更するコストは大きいか
5.流通チャネルの確保は難しいか
6.規模の経済(※※)性以外のコスト面での不利な点が存在するか
7.政府の政策による参入の制限や規制が存在するか
8.参入に対し強い報復が予想されるか
といった8つをあげています。
(※)参入障壁とは、業界の外から新たにその業界に参入するときの障害の事です。移動障壁といった言葉もありますが、そちらは同じ業界内でのことを指します。
(※※)規模の経済とはある一定の生産設備の下で生産量や規模を高めることで単位当たりのコストが低減されること。固定費は一定なため、一度に大量の製品を作ると製品一つ当たりの固定費を下げることに繋がる、原材料の大量仕入れによって製品コストを下げられるといったことが規模の経済です。

ポーターは、競争優位の源泉として、低コストと差別化を上げ、戦略対象の幅をいろいろと考え合わせ、次の3つの基本戦略を示しました。
●コストリーダーシップ戦略(低原価戦略)
業界全体をターゲットにして、低コストにより競争優位を築く戦略
●差別化戦略
業界全体をターゲットにして、差別化により競争優位を築く戦略
●集中戦略(集中絞り込み戦略)
特定のセグメントに競争範囲を狭めることによって、自社の経営資源を集中的に活用する戦略

バリューチェーン

ポーターは、企業が基本戦略を実行するためには、企業の様々な活動を戦略に沿って実行していく必要があり、価値連鎖(バリューチェーン)という考え方を示しました。
価値連鎖とは、企業内部の活動によって、付加価値が生み出される流れを表します。価値連鎖では、企業活動を5つの種活動と4つの支援活動に分解します。
これらの活動のことを価値活動(価値創造活動)と呼びます。これらの価値活動全体が生み出す価値は、顧客が商品を購入しようとする金額で測定できます。また、マージン(利益)は価値活動が生み出す価値と、各活動のコストの差であらわされます。
価値連鎖のフレームワークを使うことにより、どの価値活動が付加価値を生み出しているか、もしくは生み出していないのか。どの価値活動でどれくらいのコストをかけているかを分析することが企業にとって重要です。さらに、活動間の連鎖、つまり連携が必要です。活動間の連携をうまく行い、全体で最適化することによって、より模倣困難な競争優位性を築いていくことができます。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?