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論理的に考えればこうなる…けど、それが「正解」とも、「その通りになる」とも限らない:読書録「自分の頭で考える日本の論点」

・自分の頭で考える日本の論点
著者:出口治明
出版:幻冬舎新書(Kindle版)

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年頭の読書用に購入した一冊。
成毛さん同様、出口さんも「本、出し過ぎ」ですがw、コレは年始に頭を整理するのに良さそうだったので。
内容は2018年の連続講座をベースに、コロナ等の最新トピックも加えて整理したもの。
取り上げた時事問題について、概要を整理した上で、「タテ・ヨコ・算数」の視点から出口さんが「論理的」に考えた意見を述べています。


<タテ、すなわち昔の歴史を知り、ヨコ、すなわち世界がどうなっているかを知り、それを算数すなわち数字・ファクト(事実)・ロジック(論理)で裏づけていく。>


取り上げられているのは、以下の22の論点です。


・日本の新型コロナウイルス対応は適切だったか
・新型コロナ禍でグローバリズムは衰退するか
・日本人は働き方を変えるべきか
・気候危機(地球温暖化)は本当に進んでいるか
・憲法9条は改正すべきか
・安楽死を認めるべきか
・日本社会のLGBTQへの対応は十分か
・ネット言論は規制すべきか
・少子化は問題か
・日本は移民・難民をもっと受け入れるべきか
・日本はこのままアメリカの「核の傘」の下にいていいのか
・人間の仕事はAIに奪われるのか
・生活保護とベーシックインカム、貧困対策はどちらがいいのか
・がんは早期発見・治療すべきか、放置がいいのか
・経済成長は必要なのか
・自由貿易はよくないのか
・投資はしたほうがいいか、貯蓄でいいか
・日本の大学教育は世界で通用しないのか
・公的年金保険は破綻するのか
・財政赤字は解消すべきか
・民主主義は優れた制度か
・海外留学はしたほうがいいのか


「論理的に考える」というのは、「前提さえ同じであれば、誰もが同じ結論になる」ってことですからね。
概ね出口さんの言ってることは理解できます。
もちろん「基礎知識」となる部分に誤認があったり、状況が変化したりすることもあるし、最終判断に際しては、その人の人生観や思想・論理感が影響するところもあるので、「必ずそうなる」ってもんでもないんですけど。(論点で言えば、「死生観」が関係するところは、僕は出口さんとは微妙なズレを感じました)


<ジャッジのなかには、世界標準で考えてこれが正解だと思うものもあれば、僕なりの価値観や人生観に基づいた主観的なものもあります。コレは、いってみれば僕の「ファクトフルネス」です。>


もちろん、その点は出口さんも認識されてます。


「付録」には「自分の頭で考える10のヒント」なる記載もあって、考える上のスタンスとしては、これは参考になるかな、とも思いました。

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個人的には出口さんが「読み違えた」案件として「ライフネット生命」に関する顛末を詳しく知りたい気持ちはあるんですけどね。
あれは「論理的には正しいけど、結果としては思うようにならなかった」ビジネスプランだと思うんですけど。
(「失敗」とも言い切れませんが)


難しいかな?


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