異世界ファンタジー…だけど、ミステリー寄り：読書録「烏に単は似合わない」

2020年12月4日 06:18

・烏に単は似合わない
著者：阿部智里
出版：文春文庫

史上最年少の「松本清張受賞作」ですからね。
ラストに「種明かし」があって、そこで語られてきた物語観がひっくり返されます。
「なるほど、これがやりたかった訳ね」
と感心させられますが、
「ポン」と手を打つほど見事にハマってるかっていうと、僕としてはそこまでじゃないかったです。
それが何となく「後味の悪さ」にも繋がってるかなぁ。

ただ探偵役の「若宮」と、＜彼が伴侶に選ぶ＞「姫君」のキャラクターはなかなか良くて、それが「救い」でもあります。
第二作は本書の「舞台裏」を描いているコインの裏表の作品のようですので、そこまで読んでみないと、シリーズとしてはなんとも言えませんね。
さすがに2作目以降は、この手の「叙述トリック」的な展開は無理でしょうし。

（シリーズとしては「十二国記」みたいな感じになんのかなぁ、と予想してたりします。
ま、あれよりは救いがありそうな気も。
よう分からんけど）

なんで、とりあえず第2作は読むつもり。
以降は、それ次第…かな。