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《無料》ロゴのチカラをあなどるなかれ。 SNS時代のイメージ戦略 「ANAもJALも、もうちょっと時代の流れに敏感になったほうがいいよ」

勿体無い飲食店

まずは一つのエピソードから

銀座のとある飲食店を利用した時のこと
店内はみごとに外国人ばかりで
「ここは本当に日本?」
と疑うような光景

待ってる間手持ち無沙汰だったので
なんの気無しに周りを見回してみたところ
とても面白い現象が目に入りました。

観光客と思しき外国人の家族連れが
注文した品がテーブルに置かれた途端
家族全員スマホで撮影をし出したのです。

観光だから家族で記念撮影?

いいえ違います。
各自自分のスマホで
注文した品を一生懸命
撮影していたのです。

そしてやっと食べるのか?と思いきや
今度はスマホの画面にむかって
一心不乱になんか書いている。

そう、画像をインスタやらSNSに
リアルタイムUPしていたのでした。

それを見てわたしはおもいました。

うわー。勿体無い
この店チャンスを逃してる。
って

そう、ここの店超絶残念なことに
うつわにも箸袋にも、
そして店内にも店名がわかるものが
何一つなかったのです。

さりげなく画像に写り込んで
全世界に発信してもらえるチャンスを
ものの見事に逃してる。
とっても残念な瞬間でした。

あーあ。



ANAとJALの話

さて、話を本題に移しましょう。

銀座の外国人が利用する
ランチの店の話ではありません。

今回テーマにするのは
このせっかく
総メディア化している
客の力を利用させてもらう
めっちゃ大きいチャンスを
みすみす逃してる
我らが日本のエアライン
ANAとJALが残念だって言うお話です。


以前わたしが書きました

「シャンパンなんか勿体無い、こいつらにはスパークリングワインでも出しときゃいいと思われてる?」ANAとJALのビジネスクラスサービスに言いたい

という記事があるのですが

この時にツッコミを入れた
両社のドリンクサービスの話に
このブログ記事はつながっています。

日本航空 路線事業企画部事業
マーケティング戦略グループの
深田康裕グループ長が


「飛行機に乗るのは誰でもハレの行為」



顧客は機内食で航空会社を選ばない
--50年以上信じられてきた“ウソ”を暴いた
JALのCX戦略


http://japan.cnet.com/marketers/interview/35072057/ 


ってこの記事で言ってる訳ですが

かいつまんで言うと

深田康裕グループ長は
「客にとって飛行機に乗るのはハレの日だからSNSにラウンジの画像をあげたくなる。飛行機に乗るのはちょっと自慢だけどあんまり露骨な自慢にならないようなほっこりアイテムを用意するのがJALのお手伝い」(意訳)

と言っていたんですね。

確かにみんなスマホを持って
ネット環境もあるいま

インスタグラムや
ツイッターで
「搭乗したよ」と
ファーストクラスのシートや
ウェルカムドリンクの
画像をアップする人は実際に多いです。

実際連休ともなるとツイッターでは
「行ってきます」ツイート+ウェルカムドリンクの
画像等はタイムラインをじゃんじゃか
流れてきますのでね。

ここでいつも思うのです。
JALもANAもチャンスを逃してるな
「なんて勿体無い」と


お間抜けな我が国のエアライン
JALとANA、ここでも
SNS時代絶好のイメージ宣伝の機会を
逃しちゃってます。


ANAのだめなとこ

まずANA
検尿コップみたいな
プラスチックのコップで
まるでおしっこみたいな色の
スパークリングワインを
出すの即刻やめたほうがいいですね。

ANAケチ臭すぎるんですよ。
一時期はエコノミーのプラコップに
ウェルカムドリンクを入れて出す
暴挙に出てました。

もっと言えば頑張って2000年代前半
にやってたようにロゴ入りグラスに入れて
ウェルカムドリンクを配ればいいのに。

画像1


ANAの昔のワイングラス

ちゃんとANAのロゴ入りですね
ANAよこのグラスどこにやった?
まさか捨ててないでしょうね?
お蔵入りしてるなら出してきて使うべき。


JALのダメなとこ

そしてJAL
搭乗時のウェルカムドリンクを
路線や時間はたまたチーフの気分で
出したり出さなかったりっていう
変な運用すぐにやめて
最近まで使ってた
鶴丸のついたグラスで
ちゃんと
「地上滞在中に」
ウェルカムドリンクを出そう。

画像2



このワイングラス
左後ろに写ってる丸が四つのマークのグラスは
古い昔JALのエクゼクティブクラスが
シーズンズってコンセプトでやってた時のロゴ
これだと何処のエアラインかわからないので
鶴丸に統一すべき。


なぜロゴが必要なのか

なぜ搭乗時、地上滞在中の
ウェルカムドリンクを
わかりやすいマークの付いた
グラスで出すのが大事なのか?
それに何の意味があるのか?

ビジネスクラス搭乗時の地上での間(ま)は
旅客にとって絶好のネットタイムです。

それは何を意味するかって?
乗客がネットで自社への良いイメージを
拡散してくれるありがたい宣伝タイムですよ。

客が頼みのもしないに勝手に宣伝してくれる
のですよ、広告費突っ込んでないのに!


搭乗時の客の動き

では搭乗時の客の動きをおさらいします。

シートで10時間以上過ごすための
「巣作り」が終わった後は
ドアクローズまではかなり手持ち無沙汰。

ビジネスクラスは別レーンで優先搭乗があるし
座席数の多いエコノミーの客が
全員乗り込むまで結構時間に余裕があります。

そして、いまは搭乗者のほぼ全員が
スマホを持ってますね。
乗客はスマホをこの空き時間に絶対に触ります。
なぜならスマホの電源を機内モードにするから。

スマホを片手にネットに繋がってる状態で
電源を切る前にイマドキの
ビジネスクラスの乗客は何をするか。

多くの旅客は飛行機乗るのは
「ハレ」なんだから
気分がアゲアゲになってます。
ファーストやビジネスクラスなら
尚のこと。

旅立ちの前に、飛行機が出発する前に
誰かに「いま飛行機乗ったよ」と
伝えたいタイミング。

電源を機内モードにする前に
スマホを使うのが
まさにこの時なのです。

電源を切るルールは
ドアクローズ
ANAを笑う時によく使う
「せっとすらいどばー」って言う
アナウンスが流れるまでは
スマホ&ネットが機内で使えます。

そのタイミングで
ビジュアル的におしゃれだったり
かっこいいものがあれば
機内でその画像を撮ってSNSにアップ
インスタ投稿したりします。
そう必ず誰かに行ってきますを共有する
絶好タイミング。


ウェルカムドリンクはドヤ被写体として最高

ここで写すものの中で
やはりウェルカムドリンクって
すごくいい被写体なわけ。

理由は単純
一番絵になるから。

もう一つは
ビジネスクラスの座席をどーんと写して、

画像3

明らかにビジネスクラスで
行ってくるぜっていう
ストレートなキラキラ表現をする
人も中にはいますね。


画像4


なんでウェルカムドリンクを写すか?
それはビジネスクラスの席を写すのは
ストレート過ぎるってのもある。

これこそがまさに
JALの深田グループ長がおっしゃる

キラキラ(自慢)したい
でも露骨なキラキラは下品。
なら間接キラキラとは?

で、キラキラ具合の調節に
ウェルカムドリンクのグラスは
非常に適しているのです。

ANAなんてキラキラするにはもってこい
機内のインテリア
あのコーポレートイメージカラーの
印象的な青いテーブルとか、

画像5



(サンペレグリノのペットボトルは私が機内へ持ち込んだものなのでANAの機内ではサービスされません。これ画像マーキングの一種です。)


他社と比べて特徴的で
とってもフォトジェニック。

なのに
そこに置かれるのが
ビジネスクラスなのに
安っぽいプラスティックの
おしっこ入ってるの?みたいな
普通のプラカップでは
本当に勿体ないと思うのです。

せっかくのANAのトリトンブルーが泣いちゃうよ
とても残念な感じの画像にしかならん。


それを見て
あらANAいいわね。
ってならんでしょ、

それどころか

「なにこれ、ケチくさい。」
「ANAってこうやって客をもてなすのか」
「あんまり大事にしてもらえなさそう」


ってネガティブイメージになっちゃう。

せっかく頼んでもないのに
無料で客が自主的に
世界中に拡散宣伝してくれてる
チャンスなのに、
セコいプラコップ入りのウェルカムドリンクが
映ってたんじゃすっごく勿体ないと思うのです。

そもそもこのANAのプラカップ
エコノミーのカップなので
キラキラどころか
「あらこの人エコノミー乗ってんのかしら?」
と勘違いされそうで
さすがにこれをSNSにupするのは
憚られる。

イメージというのは
コツコツと積み重ねて出来るもの。

その積み重ねに手を貸してくれてる
スマホを持って一人一人がメディア化した
旅客の力を使わない手はないのに
JALとANAはこの辺のやり方が
本当に下手っぴ。

ウェルカムドリンクを
「なんか出さないといけないのだけど
メンドクセーな」とか思って
しぶしぶ出すというスタンスを
今すぐ悔い改めて

会社のイメージを上げる絶好の
宣伝になるから、
と考えて出すに方向にするだけで

いろいろ変わると思うのだよ。


ルフトハンザのSNS戦略

インスタ見てて
この辺うまいなーって思うのは
ルフトハンザです。
ドイツのエアラインね。

これでもかというくらい
機内にロゴがいっぱいで
どう撮影してもロゴがどっかに入る
ようになってる。

ラウンジで撮影しても
どかーんとルフトハンザの黄色いマーク
飛行機乗って撮影しても
キャビンの壁にどーんとルフトハンザの
マークが!
ヘッドレストカバーにまで
ルフトハンザのマークが刺繍してある
念の入れよう。
これはすごい。とにかく何でもロゴ入り
見事なぐらいロゴ映り込み。

ここまでくるとルフトハンザの
イメージ戦略の根性を感じます。

だから
何となくだけどなんかおしゃれでイメージがいい
を目指すなら
まず、旅の楽しそうな写真にさりげなく
企業のマークやロゴ会社名を写り込むように
仕掛けてイメージアップするって
大事なことだと思うのです。

特にANA、
海外での知名度が著しく低く、
空港までのリモの運転手さんが
ANAって言ってもターミナルが
わからなくって四苦八苦することが
よくあるので。

あのおしゃれな会社ね〜って
知名度を上げるなら、
やっぱり今の一人一人の乗客が持ってる
戦闘力のようなSNS拡散力の集合体を
なめてちゃいかんと思うのだ。

一人の拡散力は小さいかもしれないが
小さいこともコツコツとって
大事なことよね。

ネットで共有されて
世界中に拡散されるという
新たな道が開けてることに
もっと敏感になるべきです。

企業は炎上を恐れるだけでなく
良い拡散も想定して動くべきと思います。


「出発の儀」ブランド人、田端信太郎氏に学ぶ

どれぐらいロゴが入ってないのが
勿体ないかというと、
具体的にはこれを見てください。

元LINEの田端信太郎さんが毎回出張の度



こうやって田端氏は
ラウンジのキラキラカレーを
画像付きでツイートしてるのですが

こんなふうにLINEのスタンプにまでなってるの

このチャンスを逃すの勿体ないとおもう。
この皿に「JAL」って書くか「鶴丸」
つけておくべきだったよな。

参考までに元LINEの執行役員だった田端さんの
フォロワー数は22万8千人(2020年調べ)である。
そして田端氏は一部で田端砲と呼ばれる
拡散力をお持ちなのですよ。

JALは子供達が描いた飛行機の尾翼が
青かったことにめげてないで
尾翼を赤にするのが夢ならば、
っていうか、
飛行機の尾翼に子供達が鶴丸を
書いてくれるようにするには
まず、スマホ持って色々撮ってる人の
画像にさりげなく映り込みそうな
すべての場所に
これでもかと鶴丸を入れておくべきだと
思うのです。

ビジュアルが美しいとか
プレゼンテーションって
各個人がメディアになってる今
世界中に共有されちゃうのだから
ちょっとは気を使えというか、
JALとANAは
そういう細かくて小さいチャンスを大事にしようよ
って思います。

どこでどう転んで
何十万、何百万アクセスになるかなんて
全く予想がつかない時代なのだから。

ウェルカムドリンク
めんどくさいからって
雑にやってる場合じゃないんです。

ロゴの力をあなどるなかれ

サービスするのに同じ労力や経費使うなら
効果的におやりなさい。
みんながネットで拡散したくなるような
ビジュアルにこだわるプレゼンテーションを
と思うのでした。

だってまだまだ
乗客は飛行機の旅を特別に思ってて
飛行機に乗ることを
嬉しく思ってるんだから。

ちゃんとサービスすれば
客もエアラインもWinWinなんだからね。


カイゼン案

そうそう

JALの
ファーストクラスの前菜に刺さってる
お子様ランチの日の丸の旗みたいなの
あれを日の丸ではなく鶴丸に
すりゃいいのにって思ってるんで

どこにエアラインのマークを入れておけば
良いか?も書いておく


ウェルカムドリンクのプラカップをせめて
プラスティックのワイングラス型にして
エアラインのロゴを入れる。

JALはミールサービス中に
使い回してる古いグラスには鶴丸が
入ってないので
すべてのグラスを鶴丸入りに刷新

ANAはミールサービスの際に出す
ワイングラスの底ではなく
正面にロゴを入れたグラスに
変更する。

そしてコーポレートカラーの
青いスパークリングワインを使う


画像6


これとか
日本のスパークリングワインなので
ぴったりよ。

JALは和食の箸置きが
赤い鶴なのはすごくいいので
ANAは箸置きを
ANAの飛行機にするとか
工夫すべき。

可愛いと画像に収めたくなるんで。

食後のコーヒーと一緒に持ってくる
チョコレートをエアラインロゴ入り
パッケージにする。

かつてANAってラウンジで食べられる
そばうどんに
「ANA」ってかいてある
かまぼこが入ってたんで
これは復活させるべき。


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昔の画像を探したら
懐かしのANAかまぼこが載ってた画像
見つけたので貼っておく。


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ほんの10年前くらいなんだけど
ロゴ、そのままにしときゃよかったのにね。
って言ってあげたい。

誰もがメディア化してなかった時代の方がロゴを大事にしていた皮肉

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トップに貼ったこの画像
2000年代前半に
ANAのビジネスクラスで
出してたオリジナルカクテル。
この頃は夢があったよな〜って
しみじみ写真を見てしまった。

あの頃はiPhoneなんかなかったから
誰もがメディア化するなんて
発想なかった頃なのに。

この鮮やかなコーポレートカラーの
ブルーのマドラーにも
ちゃんとANAって書いてあったのよね。

その時はいろんなものにロゴが付いてて
今は無駄を省くとかいって経費削減で
ロゴ無しにしちゃって。
タイミングずれすぎっていうか
残念すぎる。

JAL、ANA共々
もっと頑張ってほしい。


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