《無料》ANAのファーストクラスで誕生日を祝ってもらえなかった騒動から考える「察してサービス」の問題点 (2020修正版)
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《無料》ANAのファーストクラスで誕生日を祝ってもらえなかった騒動から考える「察してサービス」の問題点 (2020修正版)

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投げ銭方式については最後に詳しく書いています。

2020年6月修正版


ANAが悪いです


ファーストクラス乗ったのに、誕生日祝われなかった! 「泣いてしまいました」男性乗客、怒りの星1つ

ツイッターではこの(ファーストクラスで祝ってもらえなかった)男性客のことをクレーマーだの、39歳のクセに!だの、叩いてる人が多くいてびっくりしたんですけど。

これね

ANAが悪いです

ちょっとあんまりな叩かれ方の男性客が
かわいそうになったので、
わたしが「ANAが悪いでしょ」って思う
理由をこの機会にまとめておきます。

まず、この祝ってもらえなかった男性客ををクレーマー認定して叩いてる人は、普段ANAがどんな看板掲げて「サービスとは?」をさかんにアピールしてるかご存じないから「こいつはクレーマーだ」って思ってしまうのでしょう。

「知らないってこわい」ですね、前提を知らなかったら的外れな批判をしてしまう典型です。

この祝ってもらえなかった乗客を批判してる人に言いたい。

ANAが本まで出して
「察するサービス最高!ウェーイ!」って
布教活動してるのを知らんのか?と

その本の題名は
「仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい」

仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい ANAビジネスソリューション 


この本はおそろしいことに最初から最後まで
いかに客にいちいち言われなくても
その心情をエスパーレベルで察することが
大事なのかを書き記してあるのです。


お客様の水が欲しい理由を察しろ

この「ANAの気づかい本」いきなり恐ろしいことを言い出します。

お客様の水が飲みたいは100通りの理由がある

それを「察しろ」「察しろ」言われなくても察するのが
「ANAの気づかい」だ。と
そしてそれがサービスの極意であるのだと
本にして出版までして布教するという
ANAの異常な「察する」に対するこだわり。


この手の「察してあげますよ」な過剰サービスって
明確に「察してちゃん旅客」と親和性が高い。


ANAのサービスが「察することが何より大事」
という接客ポリシーで組み立てられているのであれば
ファーストクラスで誕生日を祝って貰えず
「祝ってもらえると期待してたのに、がっかりだ」
と言われてしまうのは当然です。

なぜなら「自分からは言い出せない客」
顧客層として持ってるのは
ほかでもないANA自身なのだから…


このタイプは「察してくれなかった」
後から文句を言うので苦情が出るのは当然のこと。

だってANAが自分で言ってるんですよ
「察してサービス最高ウェーイ」って。


そもそもこういう方針だと大声で言ってたら
「言わなくても察して貰えるからANAが好き」
って人が集まってくるのはあたりまえ。
ANAのサービスは察してくれるのが大好きな
客を魅きつける構造になってるという
シンプルな話でしかないのです。

★:ANAは過剰なサービスを売りにしてる。
★:過剰なサービスを望む客はANAが好き。

お互い持ちつ持たれつ。

自分ではリクエスト出来ない「察してちゃん」客と
ANAの「何から何までお察しします」サービスマインド
がうまくマッチングしてました!って
今回の件で可視化されただけなのですよ。



察してサービスは現場で機能していない

さて、ではその過剰な「察してサービス」が
現場で機能してるのだろうか?ってこと

今回の祝ってもらえなかった問題も現場での運用にあります。

これはですね、ANAのサービスが
もう客は完全に置いてきぼりで、
「さあこんなことしてやるんだから喜べ」
っていうのが見え見えで不快の域に達してるから。

ANAで不快なサービスの代表的なものは
事情聴取や尋問、取調べサービスなんですね。

普段ANAあまり利用しないみなさまは
ファーストクラスの厳しい事情聴取と
尋問の実態を知る由も無いとおもいます。

折角なのでどんなものか書いておきます。


ANA名物事情聴取

ANAってね、例の本にも書いてあるけど
「客に興味を持て」って客室乗務員に
言い渡してるらしくとにかく尋問が
粘着で凄いんです。

搭乗するとまず挨拶に来るCAに

:どんな目的で乗ってるのか?
:旅行か、仕事か?
:旅行なら何の旅行か?
:泊まるホテルは?
(帰りなら泊まったホテルは?)
:家はどこか?

ほんと任意の事情聴取なんて
生易しいものではなく
ほぼ尋問をされるのです。

ファーストクラスの客にその質問する?
ってくらいプライバシー侵害。

挙句は入れ替わり立ち替わり挨拶にきた
客室乗務員に全員に同じ質問をされ
同じことを繰り返し聞かれるという
超絶面倒臭い状況にされます。

この尋問って問題はボーディング中
ファーストクラスに座る他の客の
プライバシーはダダ漏れになること。

「2Aの客ってパリに住んでてこれから京都に行くのか〜」
「2Dの客、パームスプリングスでゴルフしてきたんだ、ちなみに住んでるのは下北沢なのね」

などなど
知りたくもない他の客の情報が
聞こえてくるので知ってしまうんですね。

これすさまじく嫌。

実際にわが友人はファーストクラス搭乗の際に
住んでる場所を聞かれ、それについて
だらだら話されるのが超不愉快だったと
ANAにクレームレターを送ったそうな。

自分のプライバシーは共有されるの嫌ですよね。


ANA機内事情聴取の真の目的とは?

さて、なんでこんなにしつこく
ANAのCAは機内で尋問するのか?
毎度毎度すっごく疑問でした。

ここまで聞き出す目的はなんなのか?


いくら「客に興味を持つ」がきまりだとしても
さすがに行きすぎではないのか?

でふと気がついちゃったのよね。

「客を喜ばせるサプライズサービスをするためのヒントを無理やり尋問で
探ってるのではないのか?」

って。

なぜならば顧客情報を無断で使って
「サプライズサービス」をする訳にはいかない。
でもしつこく尋問し、うまいこと客が
自らぽろっと「自白」してくれれば
それを使って皿にチョコ文字でなんか書ける
過剰サプライズサービス出来るって
ANAの皆さんは考えてるわけです。

だから事情聴取はぬかりないのだわ
誕生日当日だったりすると
「白状しろネタは上がってるんだ」
とより一層尋問に力が入るのも納得。


マニュアル化された尋問

ANAの事情聴取と尋問サービスって
よく乗ってる人は
「ああ、あれね」って苦笑い出来るほど
マニュアル化されており
見事にみんな同じことを聞かれている。

これってはじまった当初は

「お客様に興味を持ちましょうね」


みたいなゆるい感じの目標だったのでしょう。
でも、時間が経って当初の目的が忘れられ
尋問だけがエスカレートしちゃってるのよね。

いまじゃ現場では何を勘違いしたか
自分達が理想としてる
「ANAがしたいサービス」をする為に
事情聴取をやってる状態になってしまってるのです。


ANAの乗務員には目の前にいる客が見えていない

だから現場で何が起こるか?
搭乗したら皿にチョコ文字で何か書けるネタを
早い段階で自供してあげないと
サプライズノルマ達成のために
凄まじいまでの取り調べが繰り広げられ
非常に辛いフライトタイムになる。

この質問攻撃が非常に面倒だと思ってる為
わたしは搭乗した途端自ら
「7ヶ月前誕生日だったんですよ」等の
全く毒にも薬にもならない意味無し情報を与えて
尋問を回避する技を身につけたほど。

そうしないと旅行目的や、泊まるホテル
住んでるところから家族構成
ありとあらゆることを聞いてきて
とにかく皿にチョコ文字が書けるネタを探し出そうと
殺伐としてきてしまうから…

(客に気を使わせてどうする)



すり替わる目的

これね最初はANAの人たちは
きっと純粋に客を喜ばせたかった
のだとおもうのですよ。
でもいまは最初の気持は忘れさられ
「サプライズ皿にチョコ文字を書きたい!」
に完全に目的がすり替わってるってこと。


***

ひとつ顕著な例がありました。

わたしが「甘いものが嫌いだ」というPaxInfoが
昔乗った時から何故か脈々と間違って共有されており
ANAに乗るたびメニュー選ぶ際に
「甘いものっておきらいなんですか?」
って毎回言われる訳です。

(勝手に甘いものを嫌いなことにされるってエピソードはこのcakesの連載に詳しく書いています)


こうやって情報共有し頑なに甘いものを出さないように
事前のインフォメーションが通ってる筈なのに
どこでどう間違ったかANAったら
皿にチョコ文字のお菓子プレートを出して来るので

この人たちって客ではなく自分たちの「サービスしたった!」という満足感のためにサービスしてるのだな


とANAが自分勝手にわたしの好みを察した挙句

「客を完全に置いてきぼり」

にするサービスを受けるたびに毎回残念に思うのでした。



察するサービスの犠牲者

そんな実際のANAの現場での
「察するサービス至上主義」事情を前提にして
今回のケース大騒ぎ案件となってしまった
ファーストクラスで誕生日を祝ってもらえなかった彼
のことを考えてみると
非常にかわいそうだなと。

だってその乗客もANAもお互いに
全然幸せじゃない。

「察するサービスの犠牲者」であるのだから

常に先回りして
「言われなくても察するサービス」しまっせ~
と宣言し書籍まで出してアピールするANA。

それを信じてANAのファーストクラスに
乗ったのに、誕生日であることすら
察して貰えなかったと悲しむ客。

やはり「察するサービス」って誰も幸せに出来ない
最悪なサービス方法だとおもうのです。

察するってエスパーじゃない限り出来ないから
普通の人がやるとしたら
かならずこの尋問形式になってしまうし

会話のなかから察するヒントを得たくて
始まったことがいまやANAの事情聴取と
揶揄されるまでになってることを考えたら
明らかに人を不幸にするサービス方式なのが
この
「言われなくても察する」
サービスなのですから。

勝手に察して良いことしてる気になって
喜ばせたと勘違いしていただけなのに。

察するサービスって間違ってるし無理なこと。

ANAだけでなく、日本はサービス業で蔓延してる
「言わないでも察する」方式を
お互いの幸せのためにもうやめるべきだと思う。


***

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サービスする側の視点で書いたファーストクラスの乗り方記事


ファーストクラス搭乗記が含まれたケイクスの連載はこちら


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