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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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2023年10月の記事一覧

書記の読書記録#1096『待ち行列 [復刊] (基礎数学選書8)』

鈴木 武次『待ち行列 [復刊] (基礎数学選書8)』のレビュー レビュー待ち行列理論の教科書として古くからあるもので,数理統計学の応用の一つ。 もくじ1.待ち行列とは 2.ポアソン到着 3.M/M/1 4.M/M/sとネットワーク 5.M/G/1とGI/M/1 6.GI/G/1 7.平均値の公式と保存の法則 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1093『現代量子力学入門』

井田 大輔『現代量子力学入門』のレビュー レビュー量子コンピュータの基本としての,現代流の量子力学の教科書。 もくじ1.複素ユークリッド・ベクトル空間  1.1 複素ユークリッド・ベクトル空間  1.2 線形作用素  1.3 エルミート作用素  1.4 射影作用素 2.オブザーバブルの測定  2.1 オブザーバブル  2.2 アンサンブル  2.3 ボルン則  2.4 純粋状態と混合状態  2.5 ユニタリー時間発展  2.6 状態の収縮  2.7 量子力学のルール 3.

書記の読書記録#1090『感染症の数理モデル』

稲葉 寿『感染症の数理モデル』のレビュー レビュー数理生物学の中で感染症モデルについて,最新の知見がまとまった教科書で,応用を重視したスタイル。 もくじ1 基本再生産数R0と閾値原理 2 感染症数理モデルのデータサイエンス 3 常微分方程式と体内感染ダイナミクス 4 時間遅れのあるモデル 5 感染症の空間的な伝播を記述する数理モデル 6 感染症の確率モデルと複雑ネットワーク 7 エイズと性感染症の数理モデル 8 季節変動と感染症動態 9 病原体の進化と疫学動態 10 CO

書記の読書記録#1088『確率過程の基礎』

R. デュレット『確率過程の基礎』のレビュー レビューマルコフ連鎖や待ち行列理論などの具体例を楽しむ教科書。 もくじ序章 確率論の復習 第1章 マルコフ連鎖 第2章 マルチンゲール 第3章 ポアソン過程 第4章 連続時間マルコフ連鎖 第5章 再生理論 第6章 ブラウン運動 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1087『ローレンツ–ミンコフスキーの幾何学』(全3巻)

井ノ口 順一『ローレンツ–ミンコフスキーの幾何学』(全3巻)のレビュー レビュー相対性理論の基本となるミンコフスキー空間について,色々と遠回りをしながら理解していく構成。ある程度基礎の整った人が,本書を副読本とするのが良いか。 もくじローレンツ-ミンコフスキー平面の幾何1+1次元の世界ミンコフスキー平面の幾何 ミンコフスキー平面とは/ローレンツ変換/コーシー・シュヴァルツ不等式/ミンコフスキー平面の2 次曲線/ローレンツ群/正規直交基底と零的基底/平面曲線/共形変換/角

書記の読書記録#1086『作図で身につく双曲幾何学: GeoGebraで見る非ユークリッドな世界』

阿原 一志『作図で身につく双曲幾何学: GeoGebraで見る非ユークリッドな世界』のレビュー レビュー複素数平面の復習から始まり,ポアンカレディスクを用いた双曲幾何学の作図を中心に進めていく。 もくじ第1章 双曲幾何学小史 1.1 幾何学の芽生え 1.2 世界観の変化と球面三角法 1.3 ガウス曲率 1.4 擬球の幾何学 1.5 非ユークリッド幾何学の発見 1.6 双曲平面のモデルたち 第2章 準備 2.1 作図ソフトGeoGebra 2.2 xy座標と作図 2.3

書記の読書記録#1085『迷彩色の男』

安堂 ホセ『迷彩色の男』のレビュー レビュー居心地の悪い空間に無理矢理入れられた時の感覚が鋭く刺さる本だった。心地よいものは常に人を退廃させるのだが,本作はちょうど真反対にある感じがする。 参考: 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1084『吉里吉里人』(上中下巻)

井上 ひさし『吉里吉里人』(上中下巻)のレビュー レビュー吉里吉里人が並べ立てる理論はどれも骨太で,何よりも愛国心に満ちている点で一見手強そうに思えるが,天上からの暴力には無力であった。この筋が何を示唆しているのかは,現代だと少し意味合いが変わってくるだろう。 文章の大半は悪ふざけの域であり,ここは読者の好みの分かれるところだろう。私は読んでいて面倒だと感じることのほうが多かった。 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1083『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』

福井県立図書館『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』のレビュー レビュー覚え違いタイトルから正しいタイトルを当てる一問一答を通して,図書館司書の業務であるレファレンスの一部を知ることができる。 もくじ○はじめに 「覚え違いタイトル集」、始めました ○厳選! 覚え違いタイトル集 ○そもそもレファレンスって? 司書の仕事って? ○おわりに みんなの図書館 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1082『PythonとQ#で学ぶ量子コンピューティング』

『PythonとQ#で学ぶ量子コンピューティング』のレビュー レビュー数式少なめ例え話多めの説明,プログラマーからすればやりやすい構成なのかもしれない。 もくじ第1部 量子で始める(量子コンピューティング入門;構成要素qubit;量子鍵配布による秘密共有 ほか) 第2部 Q#による量子アルゴリズムのプログラミング(成功への道:Q#入門;量子アルゴリズムとは何か?;量子センシング:単なる位相ではない) 第3部 応用量子コンピューティング(量子コンピュータで化学の問題を解く;

書記の読書記録#1081『量子情報理論 第3版』

佐川 弘幸,吉田 宣章『量子情報理論 第3版』のレビュー レビュー量子コンピュータの基本的な教科書であり,量子力学や量子測定,コンピュータ,情報理論の基礎もよくまとまっている。 もくじ第1章 量子力学の基礎 第2章 EPR対と観測問題 第3章 古典的コンピュータ 第4章 量子ゲート 第5章 情報・通信の理論 第6章 量子計算 第7章 量子暗号 第8章 量子検索アルゴリズム 第9章 量子コンピュータの設計 第10章 量子アニーリング 付録 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1080『力学系カオス』

松葉 育雄『力学系カオス』のレビュー レビュー『ストロガッツ 非線形ダイナミクスとカオス』よりは難しめの力学系・カオスの教科書であり,うまく併用したい。具体例が多く,手を動かすこと面白さが多い。 もくじ第1章 微分方程式と力学系 第2章 力学構造 第3章 カオスの例と特徴 第4章 局所的分岐 第5章 大域的分岐 第6章 記号力学系 第7章 カオス 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1079『IBM Quantumで学ぶ量子コンピュータ』

湊雄一郎,加藤拓己,比嘉恵一朗,永井隆太郎『IBM Quantumで学ぶ量子コンピュータ』のレビュー レビュー基本的な量子回路,ショアのアルゴリズムをはじめとしたアルゴリズムなどの,IBM Quantumの実装を確認するには優れている。中身の理論については別途入門書が必要になる。 もくじChapter1 量子コンピュータとは? Chapter2 量子コンピュータの数理 Chapter3 IBM Quantumを使った量子計算 Chapter4 Qiskitを使った汎用量子

書記の読書記録#1078『実験医学増刊 Vol.38No.12 線維化 慢性疾患のキープロセス〜多彩な間質細胞が織りなす組織リモデリング“fibrosis"の理解』

菅波 孝祥,柳田 素子,武田 憲彦(編集)『実験医学増刊 Vol.38No.12 線維化 慢性疾患のキープロセス〜多彩な間質細胞が織りなす組織リモデリング“fibrosis"の理解』のレビュー レビュー線維化という現象を動的な組織リモデリングと捉えようとする研究のまとめ。 もくじ序【菅波孝祥,柳田素子,武田憲彦】 概論 fibrosis:変わりつつある概念,現在から未来へ【菅波孝祥,柳田素子,武田憲彦】 第1章 線維芽細胞の多様性 1.線維芽細胞の起源とその多様性【山田