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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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2022年6月の記事一覧

書記の読書記録#543『わかりやすい臨床中医臓腑学』

王 財源『わかりやすい臨床中医臓腑学』のレビュー レビュー中医学のうち,臓腑理論の基礎と鍼治療への応用に焦点が当てられた教科書。 もくじ第1章 基礎概論―人体のなかの小宇宙という考え方 第2章 蔵象概論―中医学的な病気の原因 第3章 蔵象各論―五臓六腑の性質とはたらき〔生理〕 第4章 臓腑病証各論―臓腑が病むということ〔病理〕 第5章 臓腑間病弁証学―臓腑間のバランスが崩れるということ 第6章 代表的な疾患と治療方法―具体的な病気の考え方と配穴について 本記事

書記の読書記録#542『ヨーロッパ思想史 ――理性と信仰のダイナミズム』

金子 晴勇『ヨーロッパ思想史 ――理性と信仰のダイナミズム』のレビュー レビュー理性や霊性,世俗などをキーワードとした,一貫性のある思想史。主要人物だけでなくその周辺の評価にも詳しい。 もくじはじめに Ⅰ 古代 第1章 ギリシア思想の特質 神話に現われた「霊」 ギリシア宗教の諸段階 哲学の誕生 ソクラテスの愛知活動とプラトン哲学 心身の人間学的二分法 アリストテレスの哲学体系 有名な存在論の主張 第2章 ヘブライズムの思想的特質 旧約聖書の思想 創造思想 契約思想 キリス

書記の読書記録#541『新版 放射線医科学 ―生体と放射線・電磁波・超音波』

『新版 放射線医科学 ―生体と放射線・電磁波・超音波』のレビュー レビュー医学部のカリキュラムに合わせているようで,特に生体への作用の話題が多い。放射線治療の概略として使える一方,放射線の原理については他著が必要。 もくじ1章 放射線作用の基礎 ─ 分子から細胞へ 2章 放射線影響─臓器から生体へ 3章 放射線による診断と治療の基礎 4章 光と医学 5章 電磁波と医学 6章 超音波と医学 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#540『改訂新版 新書アフリカ史』

宮本 正興,松田 素二(編)『改訂新版 新書アフリカ史』のレビュー レビュー標準的な世界史では古代文明と植民地独立くらいしか扱わないことも多く,本書のように歴史が網羅されている教科書は貴重。各テーマ各地域ごとに整理されており読みやすい。 もくじアフリカ史の舞台 アフリカ文明の曙 コンゴ川世界 ザンベジ・リンポポ川世界 ニジェール川世界 ナイル川世界 トランス・サハラ交渉史 インド洋交渉史 大西洋交渉史 ヨーロッパの来襲 植民地支配の方程式 南アフリカの経験 アフリカ人の主

書記の読書記録#539『科学哲学入門―科学の方法・科学の目的』

内井 惣七『科学哲学入門―科学の方法・科学の目的』のレビュー レビュー入門書に収まりきらない一歩進んだ議論も多々見られるが,科学哲学の諸問題をよく概説している。現在だと確率論がホットな話題だろう。 もくじ 第1章 科学と哲学 第2章 自然科学の方法 第3章 反証主義 第4章 科学的説明 第5章 理論、観察、測定 第6章 仮説の形成と確証 第7章 科学理論の変遷 第8章 科学の目的 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#538『物理と特殊関数―入門セミナー (物理数学One Point)』

新田 英雄『物理と特殊関数―入門セミナー (物理数学One Point)』のレビュー レビュー物理学の中でもつまづきやすい特殊関数に関する教科書で,途中式まで丁寧に書かれている。特に量子力学を勉強するときの助けになる。 もくじ1章 振り子と楕円関数 2章 レーザー光の回折とベッセル関数 3章 点電荷の集まりがつくるポテンシャルとルジャンドル多項式 4章 箱の中の自由粒子と微分方程式の級数解 5章 調和振動子とエルミート多項式 6章 円柱に閉じ込められた粒子とベッ

書記の読書記録#537『イギリス文学入門』

『イギリス文学』のレビュー レビュー120人もの作家をリストアップ,歴史やテーマごとに論点がよくまとまっている。 もくじ第1部 イギリス文学の歴史 第2部 イギリス文学の重要テーマ 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#536『確率と確率過程:具体例で学ぶ確率論の考え方』

柳瀬 眞一郎『確率と確率過程:具体例で学ぶ確率論の考え方』のレビュー レビュー確率分布の基本性質と確率過程の初歩を繋げた教科書。 もくじ第1章 確率的な現象と確率論 第2章 確率の数学的基礎 第3章 いろいろな確率分布 第4章 極限定理 第5章 マルコフ連鎖 第6章 加法過程 第7章 いくつかの確率過程 第8章 確率微分方程式とカオス・乱流 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#535『医薬品GLPと毒性試験の基礎知識 第2版』

馬屋原 宏『医薬品GLPと毒性試験の基礎知識 第2版」のレビュー レビュー毒性試験,医薬品GLPのガイドラインをわかりやすく説明した本。 もくじ第1章 薬害はどのようにして起こったか 第2章 薬害事件と規制強化 第3章 医薬品はどのように開発されるか 第4章 毒性試験 第5章 ICHと毒性試験法ガイドライン 第6章 毒性試験法ガイドライン各論 第7章 医薬品GLP 第8章 医薬品GLP省令の内容 第9章 GLP適合性調査 第10章 日本のGLPと欧米のGLP-解釈と運用の

書記の読書記録#534『二つの宗教改革: ルターとカルヴァン』

H.A. オーバーマン『二つの宗教改革: ルターとカルヴァン』のレビュー レビュータイトルにあるルターとカルヴァンというより,その周辺に関する神学史の専門的な考察。 もくじ編者序文(ドナルド・ワインスタイン)……………竹原創一訳 著者序文 読後焼却のこと……………木村あすか訳 第一章 嵐が発生する……………江口再起/湯川郁子訳 長い15世紀 黒死病の猛威 教皇制の支配から政治的公会議主義へ 「新しい信心」(devotio moderna)──氷山の一角 天国からのよ

書記の読書記録#533『電気回路論 (電気学会大学講座)』

平山 博,大附 辰夫『電気回路論 (電気学会大学講座)』のレビュー レビュー電気回路論における定番の教科書。とりあえずこれを基準に学習していく。 もくじ第1章 電気回路の基礎 第2章 交流電圧・電流・電力 第3章 交流回路の複素計算法 第4章 交流回路 第5章 一般線形回路網 第6章 一端子対回路 第7章 二端子対回路 第8章 三相交流 第9章 回路の過渡現象と演算子法 第10章 分布定数回路 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#532『Ross組織学』

『Ross組織学』のレビュー レビュー組織学では定番の教科書で,解剖・生理や細胞生物学への接続に優れている。章ごとにアトラスがまとまっているのも勉強の助けになる。 もくじ1 方法  1.組織学に用いる方法の概要  2.組織の前処理  3.組織化学法と細胞化学法  4.顕微鏡観察(検鏡) 2 核以外の細胞構造  1.細胞と細胞質の概要  2.膜を持つオルガネラ  3.膜を持たないオルガネラ  4.封入体  5.細胞質マトリックス 3 細胞核  1.核の概要  2.核の成分

書記の読書記録#531『化学のための Pythonによるデータ解析・機械学習入門』

金子 弘昌『化学のための Pythonによるデータ解析・機械学習入門』のレビュー レビューレベル感としては,Pythonのライブラリが使える程度の地力は必要。機械学習の章は意外にも数学の難度が高く,『はじめてのパターン認識』程度はあった(知らなくても先は読めるので問題ない)。実践の章は同一手法をさまざまなデータで確認した感じ。 総じて,全くの初学者ではさすがに厳しいが,色々勉強しているユーザーの指針にはかなり役に立つ。 もくじ第1部 Pythonと統計の基礎知識 1章 

書記の読書記録#530『代数学1 群論入門』

雪江明彦『代数学1 群論入門』のレビュー レビュー定番の教科書として名高い「雪江代数」の第1巻。割とあっさり進むところも多く,別に教科書を用意して比較するのがいいだろう。 より難易度が低い教科書としては,新妻『群・環・体入門』が代表的か。 もくじ第1章 集合論  1.1 集合と論理の復習  1.2 well-definedと自然な対象  1.3 選択公理とツォルンの補題  1.4 集合の濃度 第2章 群の基本  2.1 群の定義  2.2 環・体の定義