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【プレゼンづくりの裏側】小学生・中学生がどうやってプレゼンを作るの?4週間の取り組みを紹介

こんにちは、子どもが教える学校の鈴木です。

本プロジェクトは、小中学生の子ども達が4週間にわたり、自分の好きに向き合い、それを大人のみなさんにプレゼンする場です。この週末も4人の子ども達がプレゼン、2日間で160人近い方にエントリー&お越しいただきました。

∇4人の子ども先生の授業&ご参加者のご感想はこちら

とてもありがたいことに、子ども達がお届けする授業は「感動と気づき」でいっぱいだと毎回おっしゃっていただきます。そこには、本番に至るまでの「4週間の子ども達とのプロセス(下図の黄色部分)」がとっても重要に関わってるので、本記事でレポートします。

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1.授業づくりの4週間 前半/思いを言葉にする

子ども達と4週間かけて本番授業のためのプレゼンテーションのための準備をしていきます。

プレゼンテーションを作るというと、「資料づくり」や「発表の台本づくり」のようなアウトプット(表現)をイメージされる方がとても多いと思います。

もちろんそれらもとっても大事なのですが、何よりも大事なのは
・「自分の伝えたい思い」を子ども達が明確にすること
・その思いを「自分の言葉」にする
ことです。

話し方のテクニック・資料づくりの技法、プレゼンテーションを成功に導くためのテクニックやノウハウは巷にたくさん溢れていますが、それらの大元となる「伝えたい思い」があってこそなんですよね。

週に1回、メンバーのみんなとZOOMでつながって、
・自分の発表するテーマは何か(WHAT)
・その中で一番伝えたいキーメッセージは何か(WHATの中心)
・それは自分の体験とどうつながっているのか(WHY)
などを対話を通して掘り下げていきます。

EX)
・昭和の曲にそんなに心動かされてるのはどうしてなのー?
・アインシュタインがすばらしい科学者なのはよくわかった、彼に一番魅力を 感じるところってどこー? といった具合です

∇週に1度の対話の時間 ~好きを語る時間~

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ワークシート式の宿題でも、思いを掘り下げ言語化していきます。

∇ワークシート形式の宿題

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こういった掘り下げていくプロセスと同時に、「人に伝える=プレゼン」が、どんな意味や価値を持っているのかを重ね重ね伝えていきます。

小中学生のみんなでも伝えられる事がこんなにもあるよ、それは相手にとって気づきや学びをもたらすものなんだよ。だから、いつもは授業を聴く立場の君たちだけど、本番授業では勇気を出して授業を届ける側に回って欲しい、というメッセージです。

2.授業づくりの4週間 後半/思いを伝わる形にする

上記でご紹介した、思いを掘り下げ、言葉にしてくプロセスに全体の80%くらいの労力を注ぎます。

そしていよいよ、伝えたいメッセージの輪郭がはっきりしてきたところで、子ども達と本番に向けた資料づくりに入っていきます。

資料はメインではなく、あくまで当日の説明を分かりやすく、自分自身も安心して進められるようにするための「サポートアイテム」です。どんな内容の資料があれば、プレゼンがうまくいきそうか、当日の流れを徹底的に「想像」しながら作り込んでいきます。プレゼントは相手ありきのコミュニケーション、相手が何を知りたいか、事前知識はあるのか、興味はあるのか、それらを想像しながら(時にヒアリングしながら)作り上げていきます。

ここまでご紹介した流れや、作業のパワーバランスは、小中学生のプレゼンに限定したことではなく、もっと大きくなってから、大人になって仕事でプレゼンをしていくときにも、基本的には同じです。こういったプロセスを徹底的に実体験することが、子ども達のプレゼン力向上に欠かせないと考え、大事にしています。

∇話の流れシナリオ

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いきなりパソコンや、資料の清書に入るのではなく、シナリオの青写真を描いていきます。こうやって手を動かしていく中で、さらに伝えたいメッセージが際立ってきます。

∇スライド制作

思い思いのスタイルで、自分の伝えたいメッセージに最適な資料を作っていきます。(PowerPoint,Keynote,手描きスケッチブック形式など表現は自由です)

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3.子ども達の取り組みを見守るLINEグループ

対話に始まり、最後は資料づくりまで・・そうやって4週間の準備を経て、当日のプレゼンを子ども達は迎えます。

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自宅での宿題、資料づくり作業なども一部含まれます。

・本格的な資料を作るのも初めて!という子も多く
見守る大人のほうがやきもきする!という場合も多く(ですよね・・笑) 
子ども達の挑戦見守りサポートくださる親御さんたちとの、LINEグループを設けて、子ども達のチャレンジをみんなで応援しています。

4週間という短い期間で、この場で初めましての方が多い中、日を追うごとにLINEグループの会話があたたかなものに変化してく様子は、毎回感動を覚えます。

わが子のチャレンジの姿に、よそのお子さんのチャレンジも他人事と思えなくなるんですよね。また、わが子の事は距離が近いゆえに見えにくいことも、よそのお子さんのことは冷静に観察出来たり。そうやってあらためてわが子のことを見直してみると、出来てることがたくさん発見できたり、ね。

(このプロジェクトを主宰している私も、みなさんの様子を見ながら、毎週のようにわが子育てをアップデートしてます‥笑)

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4.そして本番

こうやって迎える本番。子ども達は直前まで資料のアップデートや練習に取り組みながら、本番発表を迎えます。

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∇発表当日のレポートはこちら

保護者のみなさんは、その様子をひやひやと汗を握りしめながら見守り、涙を流しながら応援したり、予想以上の成果に心から感動したり。とっても(心が)忙しい一日を過ごされることと思います。

こうやってレポートにすると、大層なことを子ども達がしているように見えると思います。もちろん「大層なこと」なんですよ、大人たちの前でプレゼンをしているわけですから。

でも、これは何も特別な子だけが持っている能力ではなく、私は誰にでもできる能力だと信じてます。

(もちろんその表現方法には個性があります、誰もが声が大きくて、人前で堂々としているわけではないけれども、自分にあった表現方法で表現すればいいのです^^)

大事なのは、その能力を引き出すきっかけとなる「自分の思いの熱源」とつながること。つまり4週間かけて行う対話の中で、子ども達の思いが育ち、自分の情熱に気づき、伝えてみようかな、そう思って子ども達の能力は少しずつ開花していくのです。(もともとあった蕾が開く、というイメージが近いかな)

5.振り返り会

そしてラスト!子どもが教える学校は発表して終わりではありません。必ず終わった後に、振り返り会という場を別日で設けています。

ここでは子ども達の振り返りとともに、保護者の方にも初めてZOOM越しで参加いただき、子ども達の4週間をご家庭でどのように見守っていらしたか、どんな変化があったかを親御さんにシェアしてもらいます。

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残念ながら1組風邪で欠席だった・・・涙

そして、この場で各ご家庭のお話を聞くとですね、毎回そんなドラマがあったのー!とか、そんなストーリーがあったのか!と主催である私も驚く話がいっぱいなのです。

改めてね。声を大にして言いたいのは、誰しもプレゼンが得意で、伝えることが大好きで、というタイプではありません。注)これは、今期8期のお子さんだけじゃなくて、これまで130組近く見てきましたが当てはまります。参加されるお子さんの8~9割以上はどちらかというと「苦手なタイプ」だったように感じます。

でもね、まだ小中学生の段階で「苦手」っていうのは早すぎる!プレゼンって、100人いれば100色の自分スタイルを築けばいいんだもの。

今回ご参加の保護者のみなさんが語ってくださった、それぞれのお子さんのストーリーから改めて私はそう感じたのでした。

・発表が苦手ー!
・やってみたいけれど勇気がでない、、
・ちょっとキャラじゃないかな

そんな風に感じている方には勇気になるお話をたくさんいただき、みなさんのためにシェアすることも許可いただいたので、次の記事で丁寧にみなさんのストーリーもつづらせていただきますね。

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子どもが教える学校 鈴木深雪

【参加者募集中】5月12日開講
自分の好きを通してプレゼンを学ぶ6週間
「10代のためのプレゼンテーションらぼ」
新規参加者募集中(下記画像から詳細&お申込み)

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