木曽漆器のこれからを考える~三田村先生から学んだ漆文化について 木曜4限⑤

5月18日木曜4限「メディア社会学方法論ゼミ(2年)」の5回目、木曽漆器の街について取材を始めました。三田村有純先生(東京藝術大学名誉教授)に漆の文化についてお話を伺いました。
<第5回のゼミのふりかえりを自由に書いてください。欠席した人は録画を見て、録画の対応だったことを明記したうえで書いてください。まとめは公開し、お話しいただいた三田村先生のほか、「次々プロジェクト」の方々にも、そのまま読んでもらえるようにしますので、そのつもりで書き込んでください。>

◆今回のゼミでは、漆芸の道でご活躍されている三田村先生から漆に関するお話をお聞かせいただけるという、貴重な機会が設けられた。私が想像していた質疑応答といった形ではなかったが、縄文時代から遡って漆の歴史が持つさまざまな背景を知ることとなった。正直に言えば最初は、木曽平沢という土地と漆の結びつきなどについてお話いただけるのだろうと考えていた。しかしそんな考えは甘かったな、そんな姿勢でいてはいけないなと先生のお話を聞いて感じた。先生は最後に、ある地域について真剣に知ろうとするならば、グランドデザインしようとするならば、その土地を自分の足でとにかく歩きなさいと仰っていた。歩くことで、自分の肌で木曽平沢という場所での伝統や暮らしを感じることが大切であることを学ぶことができ、実際に訪問する際には心に留めて自分の目に映るものをしっかりと焼き付け、プロジェクトに活かしたいと思った。それに併せ今回三田村先生のお話から勉強した、漆が接着剤として使われていた時代や、日本の工芸品が外国での万博で飛ぶように売れるほど人気だったという歴史等からも着想を得て次々プロジェクトの成功に繋げていきたい。

◆今回は貴重なお時間を割いていただきまして、誠にありがとうございます。漆については、小さい頃に見ていたNHKの朝ドラ「まれ」で知りました。まれは石川県が題材になっていて、輪島塗りについてのシーンがありました。今回のお話を聞きながら、まれで見た輪島塗りのシーンを連想させていました。今回のお話で日本のモノづくりが古来から優れていたことに改めて気づきました。高校生の頃は日本史を勉強していたので、陶磁器の模様の繊細さや、金箔があしらわれている屏風などに感動したのを覚えています。ただ、今改めて思い出すということは、日ごろ日本の伝統的な工芸品に触れる機会が少ないのだと思います。日本が古来から繋いできたものづくりの技術を、これからも繋げていかなければいけないと思わされました。ただ、自分は日本の伝統や文化の知識はとても乏しく、今ある伝統工芸品も知りません。私自身ももっと伝統や文化、歴史を知っていくと同時に、若者が伝統や文化を守っていけるような取り組みについても考えなければいけないと思いました。

◆今回の三田村先生のお話は世界の歴史を踏まえたうえでの漆の現在に至るまでの流れをお聞きしました。縄文から漆は使われ、江戸時代には漆器になり、日本の伝統工芸品として現在になり、想像していたよりもはるか昔から時代のあらゆる場所で活躍してきたそうです。話を聞いている中で、歴史に関しても漆に関しても乏しい自分の知識量に情けなくなってしまいました。今の状態では町おこしの現地へ行っても何の役にも立たないであろうことを痛感しました。 漆を使った海外マーケットなら(地域おこしに効果がある)可能性があるだろう、と三田村先生はおっしゃっていました。今の時代、日本国内だけでなく海外へのアプローチもプロジェクトに使えるかもしれません。また、「木曽平沢には(漆に関する)すごい技術がある。若者のビビットな感性を使い、その地域のポテンシャルを活かして地域おこしをするべきだ」と私たち学生へプロジェクトのアドバイスをくださりました。今回のお話を聞き、より一層プロジェクトへの関心が高まったので、まずは平沢について現地に行くなり本を読むなりして基礎からしっかり勉強した上で結果へつなげていきたいと思います。

◆今回の授業で思ったことは、一見シンプルな物事であってもその背景には多くの歴史があり複雑になっているということです。わたしは漆器の話を聞かせてもらう際に、最初は漆器のことを「昔からある漆が塗られた器」くらいにしかイメージしていませんでした。しかし、それがなぜ生まれたのか、いつ漆が見つかり、使われ始めたのか、また漆器を取り巻く環境がどのように変化していったのか、などさまざまな話を聞いていくうちに自分たちが知らなければいけないことは数多くあるな、ということです。三木谷先生が言っていた通り一つの町を町おこししていくというのは、相当の労力と知識がなければできないことというのをお話を聞いていくうちに理解できました。また、町おこしをするには実際にその場所にいってその場の風景や雰囲気、根付いている文化などをじぶんの身で体験することが重要だという話にも納得できました。じぶんの身で体験し、そこから自ら思考する力はこのプロジェクトだけでなくこれからも必要になってくるものだと思うので、この機会に身につけておきたいです。

◆私は録画を視聴したのですが、漆というものと日本や海外の歴史に密接な関係があることがとても印象的でした。漆というものが今まではなんとなくしか分からなかったのですが、授業を通して具体的にはこういうものというようなはっきりとしたイメージを持つことが出来ました。まず漆は乾くと言う表現ではなく固まるという表現が正しいということ、そして高温多湿過ぎてもいけないということについて初めて知りました。それと同時に、漆というものをもっと知って行く必要性を身をもって感じました。 このような大変素晴らしい技術を私たちのアイデアによって大きなものにしていくことはとても名誉ある事だと思いました。街を興すという漠然としたものから、漆を使った新しいものを考えるという具体的なものへと目標が変化したことによって今まで以上のモチベーションと自分たちの力を存分に発揮していきたいという意欲を持つことができました。お忙しい中、とてもとても貴重なお話を私たちのためにして下さり感謝しかありません。このプロジェクトに力いっぱい取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。

◆今回の三田村先生の講義では、漆について学ぶと事前に聞いていた。しかし、講義では日本の歴史を交えた漆についてお話を沢山聞かせて頂き、ただ漆の製造過程や作品を漠然と学ぶよりもさらに興味が湧いた。私が持つ漆のイメージは蒔絵であり、漆芸技術が完成したのは平安時代だと考えていたが、実際は縄文時代草創期に技術が生まれていたと知り驚きを隠せなかった。漆が本来は樹液であることや、漆を固体化するために水分を飛ばす作業を”くろめる”ということも始めて耳にした。また、先生が講義内で蒔絵はヨーロッパ内で非常に評価を受けており、その理由が蒔絵に使われている金と黒がキリスト教にとって最高位の色であるとお話しされていて、宗教と芸術の密接な関係に改めて触れることができた。講義を通してさまざまな知識を得て、受験期にひたすら日本史について勉強し、知的好奇心を刺激されたように久々に知らないことを知る楽しさを感じることができた。三田村先生が最後に町おこしに協力するならば、その地域の伝統を書籍等で調べて勉強しなければならないと仰っていて、生半可な気持ちでプロジェクトに参加してはいけないと感じた。木曽平沢に行くまでの数週間を漆、または日本文化の勉強にあて、プロジェクトに尽力できるよう努めていきたい。

◆漆について無知だったが、中高のときに習った歴史と並行させながら学べてとてもおもしろかった。まず、漆が木の樹液から得られるものということに驚いた。古代からの伝統的手法とだけあって、身の回りにある自然からモノづくりをしていくという古人の知恵が感じられる。当時ならではの価値観で、いのち、エネルギーの意味を成す赤色を入れようとしている点も、多様な色とともに生きるわたしにとっては新鮮でおもしろい。日本は、世界に認められるような自国ならではの伝統的なモノづくりがある。それを時代の変遷にともない、あらゆる工夫を駆使して、継承してきた方々のたすきを、私たちが繋げられるような存在にならなければならないと感じた。大学生だからこそ思いつく発想を、恥じることなく全面に出し、現地の方々と交流していきたい。 6月のフィールドワークでは、講義内で述べられていたように、大学生ならではのアイデアを現地の方々と共有し、クリエイティブな街おこしをできるように努めたい。

以上、7人。

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