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一流はどのようにシンプル思考を保つのか?

大激変する中でも突出する成果を上げる人がいます。ビジネス、アスリート、芸能界。事例を挙げだせば枚挙に暇がありません。では、突出した成果を上げている人(一流)は、なぜ成果を上げることができるのでしょうか?

能力が高いから?経験が豊富だから?資金があるから?いずれも該当するかもしれないし、該当しないかもしれません。共通点は、どうやら「シンプル思考」にあるのではないか?これが僕自身の仮説です。

世間や他人から受けるノイズ、自ら難しく考えゴチャゴチャと頭を混乱させるノイズを乗り越え、ベストパフォーマンスを生み出すこと。

これは、練習通り・計画通りにやりきるだけの土壌としてシンプル思考を維持する力が強いに違いない。僕の仮説はますます当たっているのでは?という想いを強くして探求していくまでになりました。

そこで、今回は突出した成果をあげる人たちが、どのようにシンプル思考を維持しているのか?を解き明かしていきたいと思います。

※今回の投稿は、先日、スクーというネット番組でご披露した内容のダイジェストレポートになります。

1.シンプル思考はルーチンでつくる

自身は普段、「思考の整理家」という肩書で、混乱した頭を解きほぐし、人や企業の可能性を最大限引き出す研修、コンサル、コーチングなどを主業務にしています。

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人や企業の頭をシンプルにするお手伝いをすることで、ベストパフォーマンスをたたきだす光景を日々目にしているわけです。

直接かかわっていない方や企業はどうなのかという事例も常に研究していますが、そこにはある共通点も見い出せます。

それは、シンプル思考の維持のために、うまく「ルーチン」を活用する人が多いということです。

ルーチンといえば、「決まりきった手順・コト・スタイル」のようなイメージで解釈しています。つまり、ルーチンを日々の生活や仕事に取り入れることで、リズムを壊さず、ノイズから自分を上手に守ることでシンプル思考を保っているように思えるのです。

頭がゴチャゴチャし、気持ちがモヤモヤした結果、行き詰まってしまうということはあたなも経験があるのではないでしょうか?

こうなってしまうと、いくら思考を整理してベストパフォーマンスを出そうにも容易ではありません。そこで、頭がノイズによって乱れる前に予防する策を打つこと、すなわちルーチンを確立することが頭の混乱を収める特効薬となる。僕自身もこう考え、ルーチンを日常生活の中でとても大切にしています。

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基本的なスタンスは、以前も投稿したのであわせてご参照ください。

2.4人の事例で読み解くルーチン

それでは、ここで僕が着目したルーチンの事例をご紹介していきましょう。

マインドや時間管理、生活スタイルまで多様なエッセンスがありますので、「これいいね!」と思うものや「実践してみよう!」と感じたものをぜひ、ご自身の日常生活に組み込んでみてください。

(1)ジョフベゾス(Amazon創業者)

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僕は、この方のコンセプトである「DAY1」という言葉が大好きです。

どれだけAmazonが成功し大きな企業になっても、「創業してまだ1日目(DAY1)」の気概をもって初心を忘れずに仕事をしよう!(活力、謙虚さ、顧客志向等)こんな意味で解釈しています。

日々の生活や仕事の中で、どうも調子が悪く思い通りにいかないことって誰でもありますよね。そんな時でも、「DAY1」という”心のルーチン”に立ち返れば、何も怖くはありません。ゼロからやり直す気持ちで数々の壁を突破していくこともできます。

感心した点は、Amazonの自社ビルの名前にまで「DAY1 北棟」などとつけているほど徹底していますので、社員全員が”心のルーチン”を自然と自分に刷り込むことも可能になるわけですね。

※参考

(2)ランディ・ザッカーバーグ(Facebook元幹部)

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2人目は、Facebook創業者マーク・ザッカバーグ氏の姉が提唱する”ピックスリー”です。ピックスリーとは、文字通り「3つを選ぶ」という主旨です。

僕たちは毎朝、1日の段取りをし、todoリストの整理をします。ところが、やるべきことが多く1日を終えても全部未消化のままだったり、1つにこだわり過ぎて偏りが出たりと、いつも段取り通りにはいきません。

そこで、すべてを完璧にしようとせずに、”重点テーマのベスト3”だけを決め、無理せず自分らしいスタイルを確立しましょうと提唱されています。

「あれもこれも」と気もちだけが焦っているうちに空回りするときがある僕自身、この考え方に感銘をうけ実践しています。

毎朝、「今日は1日、どのテーマに重点を置いて時間配分をするのか3つを選ぶ!」これは単なる段取りではなく、もはや自分の幸福度を増すための”儀式”(ルーチン)にまでなっています。

書籍が出ていますので、詳しくは書籍も併せてご覧ください。

(3)高原 豪久(ユニチャーム社長)

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3人目はオムツや生理用品で著名なユニ・チャーム社の高原社長の事例です。さすがにグローバル企業のトップともなると超多忙だと思うのですが、実に上手にルーチンを組み込むことによって多忙な生活をコントロールしているように思えます。

まずは、上のレジュメでスケジュールをご参照ください。

特筆すべきは、始業前・顧客と会う前・週末などに必ず「思考の整理時間」をとっていることです。「内外の情報を仕入れ、考え、整理する」サイクルをたった一人きりで自分と向き合い、自分なりの見解を強くもつルーチン。

これにより、経営に重大な決断でもシンプル思考でノイズに惑わされずに可能となっていくのでしょう。

高原社長は、”沈黙思考”という表現を用いておられましたが、意識して「思考時間」をスケジュールに組み込むことで、ノイズに振り回されないシンプル思考が保てているのではないかと思われます。

※参考

(4)本田 圭佑(サッカー選手/実業家/投資家)

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4人目は、サッカー選手の本田圭佑さんです。本田圭佑さんは実業家としてまた投資家としても活躍が目覚ましいユニークな存在です。

サッカーにおいても実質的にカンボジア代表の監督までされているわけですから、どのような生活リズムをつくり、どうシンプル思考を維持しているのかに注目しておりました。

細かい生活スタイルは上記のレジュメをご参照ください。

簡単に言うと、午前中はサッカー選手の時間。午後は監督業とビジネスの時間。夜は明日の準備と長時間睡眠で休養と、3部に分かれます。

彼の場合は、サッカー選手と実業家や投資家としての顔があるうえ、地域も現在所属しているチームがあるブラジルや監督をつとめるカンボジア、また日本はもちろんのこと、世界中を飛び回っていますので、生活リズムの構築が難しそうに見えます。

インタビューの中で、大枠はいつも同じで、細部までは段取りを作り込みすぎないようにすると語っています。あまり細部まで固定的にすると、状況が常に変動する中で、柔軟に対応できないからです。

大枠としての生活や譲れない一線、自分のルールを随所にルーチンとして取り入れることで、多動力を発揮しながらもシンプル思考を維持できているのではないか。そう感じざるを得ません。まさにバイタリティあふれた方のスタイルですね。

※参考

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以上、4人の事例を見てきましたが、みな共通しているのは、「自分なりのスタイルを確立することでシンプル思考を維持している」ことです。

スタイルは様々ですし、スタイルが確立されるまでは試行錯誤があったかと思います。しかし、自分にとって必要なルーチンを組み込み、スタイルが固まってくることで、より一層、シンプル思考が揺るぎないものになっているように思えます。

3.振り返りこそ成長の鍵

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ここまでは、ルーチンを組み込むことで生活(仕事)スタイルを確立することがシンプル思考の維持につながるというお話をしてきました。

最後に、1つだけ付け加えておきたいと思います。

それは、リズムを整えるだけではなく「振り返り」を習慣化することの大切さです。リズムを整えることはシンプル思考の維持には有効ですが、それだけでは成長は容易ではありません。

ノイズを減らし、シンプル思考でベストパフォーマンスを出すこと。さらに振り返りをすることで軌道修正するからこそ、自らもアップデートされていくのではないか?

こう考え、振り返りの大切さも付け加えておきますね。大きく分けて話は2つあります。

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振り返り方で代表的な方法はこちらの2つです。

いずれも言葉の頭文字をキャチコピーにしたようなネーミングですが、いかがでしょうか?3つの視点での整理のためシンプルですよね。お勧めは手書きメモで頭の中にあるものを書き出して可視化することです。これで、振り返りが加速します。

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個人的には、②のYWTを使うことが多いです。

なぜなら、「できていなかったこと」の「原因追及」も必要なことではありますが、心の調子が悪い時は、負の感情に引きずられてしまうからです。

一方、②のYWTは、「できたこと」も「できなかったこと」もそこから何が得られたのか「学び」を中心にしますので、精神的に常にポジティブな感情を保てる気がするからです。

4.まとめ

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さて、最後にまとめをしておきたいと思います。言いたかったことは主に3つです。

シンプル思考をつくり突出した結果を出すには、ルーチンをアップデートしながら日常に差し込むこと、様々な事例からより良い方法論を探ること、最後に振り返りを行うことです。

整理るすると、僕なりの結論は・・・

振り返りなくして成長なし、思考の整理なくして成果なし

というわけで、いつもシンプルに頭の中を保ち、ノイズから逃れ、自分らしいスタイル、自分の底力を出し切れるベストパフォーマンスを心がけましょう!というお話でした。

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今回のお題に正解は存在しません。僕なりの一見解にすぎないのです。

あくまでも正解は自分仕様にカスタマイズして、あなた自身のモデルで築いてみてください。

今回のお話が、何かの参考になれば幸いです。

なお、今回、お話した内容は以下のグラフィックレコーディングでも整理しております(「ネコっちさん」が整理してくれました!)。ぜひご参考にしてください。

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さらに、要点を復習できるようにYouTubeにもアップしております。動画でのメッセージもあわせてご覧ください。(チャンネル登録もぜひ!)

ここまでお読みいただきありがとうございました。

著者・思考の整理家 鈴木 進介

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