RX 2章2話 邪悪 ♪The Sin And The Sentence
今回は、書くのが一番難しかったお話です😣
自分の文章になかなか納得いかず、
とにかく時間をかけ、何回も書き直し、
苦労してようやく形になった力作です✨
あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
前回はこちら ↓
RX 〜悩める若者への処方箋〜
🟣第2章 スターダスト 2話 邪悪
①
不良集団は僕を引っぱり上げ、
駆けつけた警察に言い放った。
「捕まえました。この人が誘拐犯です」
違う、誘拐していたのはお前らだ。
僕は助けただけ、と言いたいが、
大会直前に大ケガするのは勘弁だ。
深いダメージが全身に食いこむ激痛。
おどし文句に、従わざるを得ず、
僕は黙ったまま身柄を確保された。
不良たちは、
少女を犯行現場から守るために戦ったと、
事実とは正反対のウソ話をでっちあげた。
すでに少女が逃げて居ないのを良いことに、
先ほどの態度を一変させ、
丁寧な口調で、礼儀正しく振るまう。
そのくせ、大げさに痛がるふりをしては、
僕の方を見て薄ら笑いを浮かべた。
"ざまあみろ"と顔に書いてある。
都合よく被害者になりきった彼らに、
僕は罪をなすり付けられ、
悪人に仕立て上げられた。
たちまち入れ替わってしまった、善と悪。
②
パトカーの赤い回転灯が、
真っ暗な公園と、いつわりを照らす。
弱りきった僕は、警察に取り押さえられ、
抵抗できずに交番の明かりへ連行された。
室内のまぶしい照明に、目がうずく。
冷えたパイプいすに腰を落とすと、
連絡を受けた母が、大慌てでやって来た。
机を叩き、怒鳴り立てる警察。
「ひどい事をしたと わかってるのか」
無言な僕の代わりに、
母は必死に謝罪する。
事情聴取を受けている不良どもに、
涙を流しながら土下座していた。
そこまでして・・・
なぜ謝らないといけないんだ。
危険を返りみず、身を呈して救ったのに。
世の不条理には逆らえず、無実の罪を着る。
物語の敵役も、
本当は凶悪じゃないだろう。
踏みにじられた善意。闇へ葬られた正義感。
事件の夜。一匹の邪魔が、人生を狂わせた。
③
後日、誘拐の証拠は不十分だとし、
僕が逮捕されることはなかった。
しかし、
乱闘騒ぎを起こした事には変わらず、
高校から停学の処罰を言い渡された。
どんな理由であれ暴力は許されない。
その一点ばりで、頭ごなしに否定される。
長時間の説教に、
反抗心を吸い取られ、枯れ落ちた自信。
真相を話したって誰も信じないだろうし、
また、あいつらに何されるか わからない。
殴られて青く腫れた目は治らず、
視力が落ち、メガネが必要となる。
制服はボロ雑巾のように汚れ、破れている。
停学期間を終え、
傷だらけの痛々しい姿で復学すると、
待ち受けていたのは激しい拒否反応。
誰もが離れ、近寄らず、
遠くから聞こえる僕のウワサ。
誤解されたまま、みんなに広まっていた。
"ユウカイハン"
強力な接着剤で貼られたレッテル。
それは はがせやしない、消えない汚名だ。
(つづく)
♪イメージソング
個人的な話なのですが 最近、
私生活でとてもつらい出来事がありました。
ショックで落ち込んでる日が続いてますが、
みなさんの応援を力に、
諦めず、頑張っていきたいと思います。
🟣次回は 2章 3話 断絶
6/25(日)に投稿予定です☂️
最近イラストを描き始めました!!
↑ツイッターに載せてるのでぜひご覧下さい
ご通読ありがとうございました👏
素敵な一週間をお過ごし下さい😌
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