RX 2章3話 断絶 ♪Ziggy Stardust
あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
前回はこちら ↓
RX 〜悩める若者への処方箋〜
🟣第2章 スターダスト 3話 断絶
①
みんなの害悪になり、教室内で拒絶される僕。
真横の席には、短い髪の魅力的な女子。
僕は密かに好意を寄せていた。
部活で大活躍して振り向かせたいと。
だが、淡い片想いは残酷にも、
僕を突き放した。
「こっち見ないで、きもい」
え・・・
あまりの動揺に、時空が止まる。
凍りついた半径わずかな世界。
ナイフのように冷たく尖った視線が、
胸に刺さり、心をズタズタに切り裂く。
さらに男女数人のグループが加勢する。
次々と悪意を示し、
バッシングの嵐は強まるばかり。
言葉の暴力は許されてしまう。
立場がない僕は言い返せず、
至近距離で口撃の銃弾を受け続ける。
人気者が吐き捨てた。
「体が目当てで誘拐したんだろ」
頭にきた僕は、
あざ笑う そいつの胸ぐらへ掴みかかる。
どよめき混乱したクラスに、
教師の大声が響き、教員総出。
「次、暴れたら退学だぞ」
力づくで追い出され、また大量の反省文だ。
②
武道場の入り口には、
砂まみれの道着が落ちていた。
柔道を汚した僕への屈辱的な仕打ち。
経験者が一般人に手を出したとして、
黒帯を奪われ、強制退部へ。
もう二度と練習も試合もできない。
充実した柔道生活は突然に終わる。
破られた青写真。折り曲げられた未来像。
レスラーになる夢への道は絶たれた。
星が打ち砕かれ、粉々のクズと化す。
聞こえる畳の地響きを後ろに、
重い十字架を背負い、渡り廊下を去った。
失意のタメ息は、母も同じく。
何度も高校に呼び出されては頭を下げ、
家では非難の電話が延々と鳴り止まない。
学校や保護者会から苦情が殺到。
ストレスに悩まされた母は、気が触れ、
電話線をハサミで断ち切ろうとした。
さらにプロレスは暴力的で悪影響だと言い、
僕が買った雑誌を丸ごと処分。
壁のポスターも はがされ、
部屋中は跡形も無くなっていた。
③
それでも不思議と怒りは湧かなかった。
抜けがらになり、
怒る気力もないほど失われた情熱。
テストが行われたが、
停学中は授業を受けられず、
その後も勉強に集中できるはずがない。
結果は、ほとんどの教科が赤点。
解答用紙は空白だらけだった。
評価は最悪、課題は山積み。
追試を受ける組に仲間入りし、
居残りの補習に参加させられる。
身も心も、劣等生そのもの。
以前の きまじめな印象が消され、
軽蔑にさらされても、辛抱するのみ。
うっ憤を発散できる場だった部活は、
今では立ち入り禁止。
より所を失い、嫌気がさす。なぜこんな目に。
やるせなくて、やりきれない。
これまでの頑張りが全て台無しだ。
夢を手放した人生に、何の意味があるんだよ。
(つづく)
♪イメージソング
この曲自体は小さい頃から聞いてましたが、ちょうど僕が主人公と同じ17才のときに、
邦題を初めて知って感銘を受けました🌟
その名も、"屈折する星くず"
まさに当時の僕のことを言い表してる気がして、悩める異星人・ジギーに自分を重ね合わせていたりしました。
🟣次回は 2章 4話 難題
7/2(日)に投稿予定です☂️
↑ツイッターでイラストも投稿してます‼️
絶賛、自作キャラ増殖中!
ブログでもたまにイラストを載せようかなと思っていますので、ぜひお楽しみに!
それでは、今週もご通読
ありがとうございました🙌
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