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RX 5章4話 新芽 ♪バラ色の日々


あと2話‼︎
そろそろラストが近づいて参りました・・・!


あらすじ

悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
4章 退院後、うよ曲折を経て希望を見つける
5章 再びレスラーの夢へ、デビューを目指す


前回はこちら ↓



RX 〜悩める若者への処方箋〜
🟢第5章 ソーアライブ 4話 新芽




かつて、人生を投げ出すために立った線路。

今は その上を走る電車に乗り、

 プロレスの世界へ通っている。


混雑のストレスで辛くなったら途中で降りて

薬を飲み深呼吸。息を安定、気を安心させる。

往復だけで一苦労だ。


ある日の練習帰り、駅の近くで、

 下校する中学生たちを見かけた。


列の最後尾には、

 ポツンと孤立して歩く女の子。

ひとりぼっちで心細いだろうな。


とても気の毒で、同情して眺めていたら、

その子は、

 いきなり僕の方へ駆け寄ってきた。


まさか、


あの時の、


「助けてくれて、ありがとうございました」


少女だった。



忘れたい過去と出くわし、動揺する。

正直、思い出したくなかった。

 僕の青春は君に壊されたから。


でも助けていなければ、今の君はいないかも。

僕もどうなっていただろう。


少女は打ち明ける。

親から虐待され、家を追い出された夜に、

 公園で誘拐された あの事件が起きたと。


祖父母と暮らしている今も、

 よみ返るトラウマに苦しむ日々。

中学に入ったが、ほとんど不登校らしい。


さらに、友達も相談相手もいないため、

悩みを一人で抱えこみ、

 自分の体を傷つけてばかりだと言う。


「生きるのをやめて、消えたくなっちゃう」


僕もずっと死のうと思ってきた。

治らない後遺症みたいに、

 今でも自殺を考える時がある。


生きてたらいいことあるよ、

全て自分次第だ、可能性は無限だなんて、

大人は無責任に言うが、余計なお世話だ。


上っつらな言葉は当事者には通じない。

 話を聞いて、わかってあげるために、

僕にできることは何なのか、何をすべきだ。



寄りそって悩みを聞き続け、芽生えた想い。


君が希望を持てるよう、

絶対レスラーになって勇気づけたい。

 死なないで良かったと思ってほしい。


やけクソ人生に、生きる意義を見い出せた。


誰かに必要とされるヒーロー。

 今度は僕が夢を見せる番だろ。


たった1パーセントでも、

 生きていればチャンスはある。

奇跡も幸運も、死んだらゼロだ。


将来性、伸びしろ、成長した未来を見すえ、

新世代の若い生命力で、現代を共に歩もう。


橋の上まで見送る。

逆光と重なる彼女の夕顔は、

 まぶしいほど明るかった。


君は独りじゃないよ。

もしも心が張り裂けそうでも、

どうか自分に絶望しないで・・・



お互いの人生線。

 またいつか どこかで交わるはず。

君が生きていてくれるなら きっと。


別れた直後、

振り返ると、見覚えのある一匹の猫がいた。

電車に飛びこもうとした夜、道にいた子だ。


もう一つの再会。君も元気そうでよかった。

高い鳴き声で なついてきた、

 茶色いヒョウ柄の毛皮をなでた。


(つづく)


♪イメージソング

ザ・イエローモンキー「バラ色の日々」
大好きなバンド イエモンの代表曲の一つで、
過去の人気投票では見事1位に輝きました🌹
いちBELIEVERとして、ボーカル 吉井和哉さんの
喉の回復を心よりお祈りしております。


これがしたい、あれが欲しい、
自分もあんなふうになりたい・・・
たとえ不遇でも、ないがしろにされても、
バラ色に輝いた理想の日々を追い求める。

その姿こそ輝いているんだよ。
きっとそう伝えたかったのだと思います✨

追記
誰にも注目されず、誰からも期待されず、日の目を一切見れない時期が長く続こうとも、
仲間や理解者がいなくて孤軍奮闘でも、
それでも戦い続けることに価値があるはず。



🟢次回は 5章 5話 夢路
10/22(日)に投稿予定です🍀


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いよいよ来週、最終話を迎えます・・・!
一体どんな結末になるのか、
ぜひ最後までお見逃しなくご覧ください🍀

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