RX 5章5話 夢路 ♪ALIVE
約半年にわたり連載してきた自作小説 RX、
今回で本編の物語は最終回となります。。。
あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
4章 退院後、うよ曲折を経て希望を見つける
5章 再びレスラーの夢へ、デビューを目指す
前回はこちら ↓
RX 〜悩める若者への処方箋〜
🟢第5章 ソーアライブ 5話 夢路
①
極寒の孤独に震え、布団にくるまる。
かじかむ手。温もりはどこにもない。
いつまで凍えているんだ。
目を覚ませ、起き上がれ。
デビューを目指して今日も早朝ランニング。
冷たく吹きつける、相変わらずの向かい風。
低体温、顔が氷り、
呼吸しづらくても本能をとぎすます。
一歩ずつ踏みしめる、泥臭いアスファルト。
でこぼこ、ひび割れ、
片わらには翼が破れたカラスの死骸。
方向は合ってるか、選択を間違えてないか。
迷いを振り切るべく、
腕をまくり、スピードを飛ばし爆走。
大通りを踏み外してきた僕は、
我が道を行くと決めたんだ・・・
たとえ険しい道のりでも、
誰に何を言われても、構うもんか。
愚直に没頭しろ。恐れず信念を貫け。
僕なりのやり方、僕だけの生き方で、
自分の生きる道を信じて切り開こう。
灰色に覆われ、ぼやけていた視界は、
少しずつ色を帯びていき、鮮明に。
はっきり見える。ああ、強く感じる。
生 き て い る 実 感 。
生まれて初めて、心の底から味わえた。
生き生きした今、この瞬間を生きる。
がむしゃらに突っ走れ、大きく腕を振れ。
限界の壁を突き破れ、志を高く掲げろ。
自分らしく突き進め、夢に手を伸ばせ。
②
現在は精神科に通院し、
医者の教えをきちんと守って服薬している。
処方箋(せん)を握りしめ、
病気と付き合っていく。それが僕の生涯だ。
心の不調で練習を休む時は、無理しないよう
師匠が親切に連絡をくれた。
"ゆっくり休め、またいつでも待ってるぞ"
生 き る と い う こ と 。
困難でも、諦めさえしなければ、
どれだけ時間がかかってもいい。
立ち止まって力を蓄えたら、また進み出そう。
吹き荒れる強風に混じって、
みんなの言葉が背中を押す。
少女「プロレス頑張ってください!」
師匠「自慢の弟子になってくれよ!」
Aさん「まだ若いじゃん!これからさ」
父「父さんも病気に負けずに頑張るよ」
母「いつだって夢を応援してるからね」
そして最大の味方は僕自身。
人格否定され続け、殺されかけたが、
今では自分を助けてくれる心強い存在。
孤独だからこそ、
正面から己と向き合えた。
何千回、何万回と自問自答。
大丈夫、大丈夫と言い聞かす。
全ての経験に意味があるはずだから、
決して暗黒期は無駄じゃなかった。
回り道も財産だ。
この先どんな苦難が待ち構えても、
必ずゴールに辿り着いてみせる。
③
丘の上で、静かな街並みを見渡す。
まだ見ぬ景色を望む、夢への旅路。
息苦しく、狭苦しく、重苦しい世界で、
いくつもの逆境にめげながらも死なず、
孤独、恐怖、葛藤と闘ってきた一年間。
現実離れした星が、導いてくれた地平線。
最も暗い、嵐の夜が明け、新たな日の出。
自分を信じてみよう
人生を生きてみよう
心に抱えている闇が、
いつか光を放つから
のぼる朝日に照らされた僕は、
ほほえみ、一言、声を発した。
「 今 日 も 生 き よ う 」
<本編 完>
♪イメージソング
アライブ(=生きている)という言葉は、
この作品において非常に大切なテーマです。
生きるとは、人生とは、人間の命とは何か。
正解のない大きな問いを、生涯をかけて解いてゆく。そこで生まれる数々のドラマが、生きていることの証しになるのだと思います。
もう一つ重要なテーマは、孤独について。
独りでいることの耐え難い辛さや寂しさ、
たくさんの苦悩に満ちた絶望、鬱屈など…
それらをリアルに描いてきた今作ですが、同時に、孤独に対するポジティブな考え方や捉え方が込められたメッセージでもあります🍀
追記
最後に、逆境について。人生は試練の連続…
この主人公も幾多の修羅場を通ってきました。
倒れても立ち上がる、
どん底から這い上がる、
そして逆境に打ち勝とうとする、
その姿勢こそが生き様として輝くのでしょう。
【RX】あとがき
来年5/19(日)に投稿予定です
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RXの本編連載はここで終了となります。
ご覧いただいた皆様、たくさんのご通読、
本当にありがとうございました🙇♂️👏👏
あとがきは半年以上も先になりますが、
その間にもRX関連の記事や、他ジャンルの投稿もしていくので、引き続き当ブログ及びSNSをチェックして下さると大変嬉しいです😊
それでは、また必ずお会いしましょうね‼️👋
鈴木羅文
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