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RX 4章2話 狂騒 ♪I'm Going Slightly Mad


今回はRXの中でも特に、
強いこだわりや想いを込めて書きあげた、3-2に次ぐほど非常に重要な回です🩸
ぜひ最後までご覧ください・・・


あらすじ

悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
4章 退院後、うよ曲折を経て希望を見つける


前回はこちら ↓



RX 〜悩める若者への処方箋〜
🔵第4章 ライムライト 2話 狂騒





トラブル、クレーム、ファイアー(解雇)。

首は何本あっても足りず、職を転々とするが


極度の緊張におびえ、社会不安。

人と会うのが怖い僕は、社会不適合。

引きこもり生活に逆戻り、社会復帰失敗。


生きた心地がしない、危機感と警戒心。

 安楽を求め、多量、依存、薬づけに。


僕が見た星空は ただの、

 窓に付いた白い点々のカビだった。


入院中は、治療で一時的に回復したが、

退院後は、

 医者の指示を守らず過剰に薬を服用。


本来、人を助ける薬は、僕を廃人にする毒だ。


太陽を手で隠し、細目で薬局へ。

 棚の片っぱしからブツを袋に詰め、

なけなしのお金と引き換えに、安心を得た。


薬物乱用と大差ない。クスリをかき集め、

灰の波におぼれた僕に、襲いかかる副作用。



酔っぱらいみたいに体のバランスが取れず、

感情も制御不能で、情緒不安定。


落としたジャムが床に広がる。

 衝動的に、いらだち、むかつき、

目につくもの全て、ぶっ壊したい。


数分後、部屋は荒れ果てていた。


泥棒が入ったのか。

倒れた棚、物が散乱。壁には大穴、床にはシミ。

カーテンが破かれ、窓はクモの巣状に割られ

ざわめく近所。赤々と染まった手に気づく。

ああ、やってしまった・・・



ニュースでは、殺人犯の供述が語られる。

"世の中に復讐したくて"

 同感だ、僕も殺したい奴らが大勢いる。


今頃、高校の連中は受験勉強。

 真っ当な人生を歩むだろう。

僕は周回遅れどころか、犯罪者の一歩手前。


世間から取り残されていく恐怖に押し潰され

あれほど敵視していた参考書を開いてみるが


薬のせいか、手が震えて集中できない。

溜まりだす焦燥感。

 拳を振り下ろし、机に ひびが走った。



精神状態はジェットコースター。

 浮き沈みが激しく、騒がしい脳内にて、


自問自答が大暴走。

もう一人の自分が、僕を闇へ引きずりこむ。


お前、何してるんだ。全部お前のせいだ。

鏡に向かって憤怒をぶつけ、

 ガラスの音が耳に刺さった。


一転して、自己嫌悪に突入。

 外界への矢印が内面に向く。


学歴も仕事もない、お前の名前は無職。

 社会の誰からも必要とされない無能。

役立たず、ダメ人間、ゴミクズ、無価値。


 お前は生きてていいのか。


再び迷いこんだ、自決への序曲。

 白か黒、両極端の狭間で、せめぎ合う。


 僕はやっぱり死ぬべきか。


地底を這いずり、深海をもがき、

 抜け出せない洞くつで、あがき続ける。


 死なないといけないのに。


頭をのさばる、どう猛な化け物。

 正気を奪われ、狂気が乗り移っていく。


 なんでまだ生きてるんだ。


重なる二人の声。どちらが本当の自分だ。


 早 く 、 お 前 を 殺 さ な い と 。


(つづく)


♪イメージソング

クイーン
「アイム・ゴーイング・スライトリー・マッド」

邦題は"狂気への序曲"🎭
歌詞もMVもユーモアに溢れてますが、メロディなど全体的に少し不気味なのがいいですね。


この話を書いていた時にずっと聴いていたのが、トレインスポッティングという洋画のサントラでした。高校時代にこれを見て、退廃的で陰鬱な雰囲気に魅せられ、主人公が矢継ぎ早に単語を連発するモノローグに舌を巻き…

今回はそれを意識して、暗いけどテンポがよくてスピード感のある文章を心がけました。
特に最後の自問自答は圧巻の真骨頂です!
(自分で言うのはすごく恥ずかしいですが😅)



🔵次回は 4章 3話 天命
9/3(日)に投稿予定です🧢


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