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RX 2章5話 脱獄 ♪Come As You Are


第2章の最終話です☂️
学校編もいよいよクライマックス!!


あらすじ

悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩


前回はこちら ↓



RX 〜悩める若者への処方箋〜
🟣第2章 スターダスト 5話 脱獄




心が腐っていく毎日で、溜まった毒ガス。

負の感情を吐き出すべく、

 紙切れに暴言を書き殴る。


地獄の集団生活は、刑務所も同然。

たび重なる忠告と、

同調圧力に押さえつけられた ろう屋の中。


多数決という権力が、

 協調性を振りかざし、

環境に適応できない少数派をしいたげる。


格差。弱者の声なき声は、中心人物たちの、

うるさい おしゃべりにかき消されてしまう。


しょせん個性なんてキレイ事だ。

"ふつう"という、

 決められた形からはみ出ると、

風当たりは強く、周りの目は厳しくなる。


宇宙を虹色で描いた子供の頃。

そんな色じゃない、

 と怒られ画用紙は黒くぬり潰された。


羽をちぎり、飛べなくする。それが教育だ。

正解は一つだと教えこみ、常識を刷りこむ。


これぞ反面教師。

つまらない大人には、絶対なりたくない。



しかし、すでに進路を決める時期だが、

 夢も目標もなく、漠然とした人生観。


何のために生きているんだろう。

勉強する意味どころか、

 もはや生きる目的もわからない。


学校中の壁には、合格実績の貼り紙。

 立派に書かれた大学名と合格者数。


なんとなく進学する人が大半。

 いい大学、いい会社、安定した人生。

大人の言う通りの道を歩かされていく。


みんなと同じように席に着くだけで、

強く抵抗を覚え、うっ屈が激化。

 教えてくれ、この苦しい違和感は何だ。


僕はクラスで場違いなはず。

味方は誰もいない。全員が敵に見え、

 辺りをにらむと気色わるがられた。


今のままではダメだ。焦りが心を虫ばみ、

ひどく思い詰める。

早く答えを探さないと。自分を変えないと。



教室の後ろから見た、異様な授業風景。

点数や順位、偏差値のために、

 黙々と取り組む周囲へ恐怖を感じた。


まるでロボットの量産工場。

機械じかけな動きで黒板と机を見比べ、

 呪文を唱え、変な記号を書き並べる。


僕がロボットになるには、

感情を潰し、気配を消し、意思を無にし、

そして自分を押し殺して耐えるしかない。


教師に当てられると、

 ロボットの大群が一斉に振り向き、

数十本のレーザーが僕に狙いを定めた。


追いこまれ、言葉をなくし、声が出ない。


「どうした、早く答えろ」

動悸(き)、冷や汗、過呼吸、

 心拍数はリミットへ達した。

欠陥品・・・


 僕はここに居てはいけない存在だ。

そう悟った瞬間、自分自身を失った。


パニックに襲われ、息ができない。


教室を飛び出して廊下を駆け走る。


トイレの個室に直行し、

 自分の顔を殴り始めた。


苦しみを振り払おうと、

 頭を壁に打ちつけ続けた。


気を失って固い床に倒れる。

僕はレールから脱落し、不登校になった。


<2章 完>


♪イメージソング

ニルヴァーナ「カム・アズ・ユー・アー」
暗くて憂鬱な雰囲気が持ち味のバンド☔️
前話2-4の、少年がラジオを聴く場面ではニルヴァーナとこの曲を強く意識して書きました。


ほぼ実話です。これが僕の高校生活の最後。
なじめない、居場所がない、友達がいない。
そういう子たちにとって集団生活は生き地獄

とくに最近の日本の教育現場では、
ペアワークやグループワークばかり。
独創性より同調性が求められ、一人でいるのは悪、みんなと同じが良しとされる。

その場の雰囲気やノリが追い打ちをかけ、
常に見えないプレッシャーから監視されてるような恐怖感が植えつけられてしまうのです



🟡次回は 3章 1話 決壊
7/16(日)に投稿予定です⚠️


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 自作のイラストを投稿したりしてます


ご通読ありがとうございました👏
それでは、3章でお待ちしております‼️

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