RX 3章5話 真星 ♪One More Chance
⚠️3章ラスト‼︎
これで精神病院編は最後になります
終盤の詩的な文章をお楽しみ下さい。
あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
前回はこちら ↓
RX 〜悩める若者への処方箋〜
🟡第3章 ロックボトム 5話 真星
①
僕を励ましてくれた患者Aさんが亡くなった
と知り、ヒザから崩れる。
医者が許可した散歩中に、幻覚を発症。
電柱によじ登り、手を滑らせ転落死。
目撃者いわく、
脳みそが散らばっていたらしい。
悲しみに暮れる喪失感の中で思い返した。
生前、最後に聞いた言葉が忘れられない。
Aさんは共感覚という能力の持ち主で、
人のオーラの色が見えると言っていた。
赤、青。周りを指さし、順番に答えていく。
しかし僕の色だけ答えられず、
沈黙のあとポツリとつぶやいた。
「どの色でもない、君だけの色が見える」
僕が誰よりも孤独に苛まれてきたのは、
どんな色にも、なじめなかったからか。
自分という存在とは、何者だろうか。
真実を明るくぬり替えてくれたヒント。
Aさんの分まで生きよう。
ふと、そんな気持ちになった。
②
退屈すぎる入院生活。
白昼夢みたいな浮遊感で、安静に過ごすだけ。
カウンセリングを受けたが、
悩みは何ですかと聞かれても、
単純で難解すぎて、答えられるわけがない。
何に悩んでいるのか、しいて言えば全部。
どうせ話してもムダだ、
理解してくれないに決まっている。
病院側の無機質な応対に、つのる不満。
これでは明日が見えない。
未来なんてどこにもない。
ところが、薬の力に救われた。
治療薬の効果で、少しずつ気分が楽に。
悩みや葛藤が減退していき経過は順調。
うつ症状が治まり、ついに退院が決まった。
やっと元の世界に戻れる。早く おさらばだ。
列に並び、睡眠薬を飲みこむ。
消灯。あとは最後の陽を待つだけ。
③
一人で越した、いく千もの夜。
いつだって叶わない夢を見ていた。
欲しい物、行きたい場所、好きな人、
そして成りたい自分像。
あふれ出る欲望を抑えきれず、夢想にふける。
だが、誘惑された先は現実で、
手が届かずに離れていく理想。
はかなく散り、我に返って急激に虚しくなる。
心にぽっかり穴があき、
空虚の渦に吸いこまれた僕。
それも今夜で終わりだ。
ここに居られるのもあと少し。
なごり惜しさを噛みしめるなよ。
重い静寂を埋める情景。
チカチカと、ただ星があるだけ。
それは希望を照らす兆しかな。
遠くから、
救急車のサイレンや誰かの叫び声が聞こえる
まっ暗闇の病室に射しこんだ、ひとすじの光。
受け入れよう、
生きることを・・・
数えきれない失敗や挫折。何もかも失ったが
命だけは残っているじゃないか。
悔やんでも時間は戻ってこず、
取り返しは付かない。
いや、今からでも間に合うはずだ。
過去は変わらないが、
未来は変えられる。きっと僕は変われる。
明日からもう一度、人生をやり直そう。
<3章 完>
♪イメージソング
僕はこれまでたくさんの失敗をおかし、これから先も山ほど失敗していくと思います。
ただ、それはトライした結果であり、
チャレンジした証だと捉えれば、大切な経験として自分の強みになるはずです。
どれだけ失敗しても、その経験を今後の人生に活かせれば、それは結果的に成功と言えるんじゃないでしょうか?
だからどんどん挑戦して失敗しましょう。
必ず何かの役に立つときが来ると思うので!
🔵次回は 4章 1話 傷物
8/20(日)に投稿予定です🧢
↑ イラストを中心に投稿していこうと思ってますので、ぜひご覧ください!
今週もご通読ありがとうございました😊
それでは来週、4章でお待ちしてます‼️
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