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コロナ禍で実行されている日本在留外国人への特別措置

新型コロナウイルス感染症拡大が世界的に止まらない中、我が国に在留する外国人において出入国管理法の特別な措置が出されております。これらの措置に関しては賛否両論ありますが、個人的には特別な支援ということで過去にない特別措置に一定の評価をしています。

今、我が国や世界の現状において、在留する外国人に対して、どのような特別措置が実行されているか整理してみました。

2020年3月27日、我が国は入国停止措置を取り、査証(ビザ)の失効令を出しました。その中で出入国が止まり、日本政府は2020年7月頃より雇用維持支援、生活維持支援としての特別措置を次々に発令しております。

具体的には、以下の内容になりますので、ご確認ください。

1.雇用維持支援としての特別措置

・技能実習生において、その実習期間の期限到来に至った際に、従前の実習実施者にて、引き続き同一作業で就労を認める措置
・技能実習生等(特定技能、技術・人文知識・国際業務、技能等)で本来の在留資格で活動停止に至った際に、特定技能の14分野において、特定技能を目指すことを条件に就労を認める措置
・上記は卒業した留学生等でも認められる措置

になります。個人的には非常に寛大な措置で出入国在留管理庁には多大な感謝をしております。

2.生活維持支援としての特別措置

・全ての在留資格に対して、週働28時間以内のアルバイトを認める措置
・ワーキングホリデー(通常1年滞在)の延長滞在を認める措置

になります。新型コロナウイルス感染症拡大の中で日本に観光やワーキングホリデーで来ていた方々が母国に戻れず、生活維持を支援しております。

3.ミャンマー国籍の方への特別対応

・ミャンマーの国内情勢に伴い、日本に在留するミャンマー国籍の方の在留期限到来に対して、柔軟に日本での在留を認める措置

以上3つの措置がコロナ禍で発令されており、日本に在留する多くの外国人の支援につながっております。3に関してはコロナ禍の対応ということではありませんが、重要な措置になっており、これに関しては議論が必要な内容になっております。

先般、この3に関して注目的な結果のニュースが配信されております。

ミャンマー選手に難民認定 国軍に抗議、帰国拒否
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE12B5P0S1A810C2000000/
(2021年8月21日:日本経済新聞より)

ワールドカップ予選で5月に来日したミャンマー選手の1名が、母国に帰国せず、日本で「難民申請」を行い、審査過程でまず特定活動(期限6か月)の在留資格を得ましたが、その後「難民認定」され、定住者の在留資格を得たという内容になります。

数年前よりミャンマー国籍の方の「難民申請」は行われており、一部「偽装難民申請」との声も多く、日本政府は一度難民申請を厳格化しましたが、ミャンマーにおいてその状況は一変し、かなりのスピードで「難民認定」されたことは業界としては非常に注目しております。

本件は「移民論」「難民論」にも関わる非常にデリケートの内容のため、この場で深い議論は差し控えますが、今後の日本政府の動きには非常に注目する必要があります。

現在日本国内に在留するミャンマー国籍の方は、2020年12月末統計において、総数:36,836人(上位から技能実習:13,963人、技術・人文知識・国際業務:5,767人、特定活動:4,876人、留学:4,371人等)が在留しており、その多くがこのニュースに注目していると思います。

ミャンマー国籍のそれぞれの在留資格の方が、今後その在留期限の到来に合わせて「難民申請」をする傾向になるのか非常に注視していく必要があると思います。



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