見出し画像

ブルネイにいったい何があるというんですか?

序論:出会い

昨年10月に、ブルネイに行った。

ブルネイとの出会いは小学5年生に遡る。当時、中学受験をするために通っていた地元の早稲田アカデミーでは、世界の首都名山手線ゲームが流行っていた。

友達「オーストラリアの首都は?」
ぼく「キャンベラ(即答)」
友達「スリランカの首都は?」
ぼく「スリジャヤワルダナプラコッテ(即答)」
友達「ブルネイの首都は」
ぼく「、、、、」
友達「バンダルスリブガワンだよ」
ぼく「知らなくて草」

当時の記憶

僕らの間では、スリジャヤワルダナプラコッテのジャブからの、バンダルスリブガワンの一撃が必勝パターンだった。友達はこのゲームがめちゃくちゃ強く、

友達「タイの首都は?正式名称で」
ぼく「ん?バンコク?」
友達「違うよ。クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシットだよ。」
ぼく「無理で草」

当時の記憶

当時の僕は勝てるはずがなかった。

ともかく、当時からブルネイ、正確に言えばバンダルスリブガワンに対して、特別な思いというか、妙な親近感を抱いていた。ちなみに当時からずっとバンダル・スリブ・ガワンと読んでいたが、正式にはバンダル・スリ・ブガワンである(東ティモールのティモールが東という意味くらいどうでもいい。つまりティモールティモール)。

シンガポールに留学中、シンガポールからバンダルスリブガワンへの航空券が往復2.5万くらい(激安)なことに気づき、15年ぶりくらいに、この思い出がフラッシュバックした。

そういや、ブルネイには何があるんだろ?バンダルスリブガワンには何があるんだろ?まずは下調べをしようと、シンガポールの滞在歴が一番長いおじさん聞いてみた。

ぼく「ブルネイって行ったことあります?」
おじさん「行ったことがないけど、多分何もないよ」

他にも色んな人に聞いたが、みんな口を揃えて「どうせ何もねーよw」という。ということで、本当に何もないか見に行くことにした。

本論:実際に行ってみた

シンガポールからマレーシアのクアラルンプール経由で、5時間位でついた。

到着してゲートをでると、空港のすぐ隣にモスクがあった。ここから都市部にいくために、バスを待つ。もちろん時刻表などない。歩いていくかも考えたが、この完全車社会のブルネイに歩道の概念はほぼない(ASEAN地域の中で自動車の保有率が最も高い)。空港からでれる歩道が見つからず、仕方ないのでバスを待つことにした。

空港にあった覇気が感じられない自販機

ベンチに座っていると20分程で、バスらしきものが来た(運がいい。後に平均待ち時間45分と判明する)。これで、市街地に向かった。降りる場所など分かるわけないので、バスの運転手に覚えたばかりの地名をカタコトで伝えた。すると発音がよかったのか、すごく深くうなずいてくれた。

なかなかレトロな車内

バスは結構ゆっくりであった。30分くらい乗ってると都市部に到着した。

都市部の写真。特に何もない。

都市部はなんとも表現し難い感じだった。通りは、いくつかお店はやってるが、活気があるような感じではなかった。と思ったら、公園には家族連れのファミリーがいたり、賑わっていた。個人商店のお店は大体4時くらいに閉まるので、朝型の国だなと思った。

そこからすぐある、ブルネイで最も有名な王立モスク、スルターン・オマール・アリ・サイフディーン・モスクに向かった(名前長え)。

まあまあ立派だった

リバプールの南野好きなおじさんに連れられ、館内も観光した。とても優しく対応されたので、この後賄賂を要求されるのかと思ったが、杞憂に終わった。そもそも、ブルネイの一人当たりGDPは日本よりも上だった。悲しくなって、次の目的地に向かった。

次の目的地は、カンポン・アイールである。世界最大の水上集落らしく、「東洋のベニス」と言われてるらしい。さっきのモスクから、徒歩圏内に船着き場があり、そこから2分くらい船を爆走させると到着した(ガチで速かった、バスよりも全然速かった、なんで)。なかなかワイルドな船着き場だった。

HELLOの割に雑な船着き場

東洋のベニスの謳い文句の時点で、おおかた察してたが、正直あんまり綺麗な場所ではない。そもそも、観光スポットというよりは普通に生活する場所が、たまたま水上だっただけな気がする。

東洋のベニス??

とはいえ、旅行者がいなく、生活感が溢れてて、個人的にはとても楽しく拝見できた。たまに板が外れており、落下しそうになった(汚い下水なので、落ちたら人生終了する)が、散歩コースとしては中々刺激的であった。

とりあえず行く宛もないので、歩いてた猫の後をついて行った。

迷路みたいで結構楽しい
東洋のベニス?????

水上都市を終えると、ご飯を食べるために、ショッピングモールに行った。ショッピングモールは、90年代の大理石多めのデパートといった感じだった。ちなみに人はあんまりいなかった。

心做しか宝石店が多い気がする。この国には娯楽っぽい娯楽はない気がするので(カラオケとか見当たらない。イスラムなので酒も飲めない。)、宝石で欲を満たすのだろうか。

デパートの豪華な内装

ちなみに、移動手段は配車アプリを使った。「Dart」という聞いたこともないアプリで、ダウンロードした時は「このUIやばww10年遅れだろwww」とか思っていたが、実際今まで使ったどのアプリよりも、早く正確に来た(なんで)。ネット情報だと、ブルネイのタクシー台数は40台らしい。

UIじゃなくてUXが大事(学び)

結論:あんまり見所なかったが、良いとこだった

正直なところ、観光地は首都の王立モスクと水上都市、あと何とかモスクと、その近くのモスク、あとモスクくらいしかない。

公共交通機関も限られており、バスはほぼ運ゲー(最大1時間くらい待ったりした)だった。

他にも色々回ったが、特段記憶に残るようなものはなかった。「ブルネイ来たらめっちゃありましたああああ!!」と言い返すモチベで来たが、案外何もなかった。

しかし、振り返ってみると、なんだかんだ結構楽しめた気がする。地方に行けば自然系アクティビティがあるらしいが、都市部だけなら1-2日くらいで十分かもしれない。

帰り際に、日本の国会議事堂のようなところを寄った。中に入れないので、外の門の写真を撮っていたら、ちょうど国王が来るタイミングと重なり(警備員曰く超運がいいらしい)、車越しに国王を見れた。

ブルネイで出来ること、全部やり尽くした感

帰り道、タクシーの運転手にその出来事を話した。運転手も「俺も国王と一度だけ会ったことあるぜ!!!!!!!」と話していた。何故かクソテンション高かった。

参考文献
ラオスにいったい何があるというんですか?  村上春樹


この記事が参加している募集

#一度は行きたいあの場所

52,384件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?