ブルネイにいったい何があるというんですか?
序論:出会い
昨年10月に、ブルネイに行った。
ブルネイとの出会いは小学5年生に遡る。当時、中学受験をするために通っていた地元の早稲田アカデミーでは、世界の首都名山手線ゲームが流行っていた。
僕らの間では、スリジャヤワルダナプラコッテのジャブからの、バンダルスリブガワンの一撃が必勝パターンだった。友達はこのゲームがめちゃくちゃ強く、
当時の僕は勝てるはずがなかった。
ともかく、当時からブルネイ、正確に言えばバンダルスリブガワンに対して、特別な思いというか、妙な親近感を抱いていた。ちなみに当時からずっとバンダル・スリブ・ガワンと読んでいたが、正式にはバンダル・スリ・ブガワンである(東ティモールのティモールが東という意味くらいどうでもいい。つまりティモールティモール)。
シンガポールに留学中、シンガポールからバンダルスリブガワンへの航空券が往復2.5万くらい(激安)なことに気づき、15年ぶりくらいに、この思い出がフラッシュバックした。
そういや、ブルネイには何があるんだろ?バンダルスリブガワンには何があるんだろ?まずは下調べをしようと、シンガポールの滞在歴が一番長いおじさん聞いてみた。
他にも色んな人に聞いたが、みんな口を揃えて「どうせ何もねーよw」という。ということで、本当に何もないか見に行くことにした。
本論:実際に行ってみた
シンガポールからマレーシアのクアラルンプール経由で、5時間位でついた。
到着してゲートをでると、空港のすぐ隣にモスクがあった。ここから都市部にいくために、バスを待つ。もちろん時刻表などない。歩いていくかも考えたが、この完全車社会のブルネイに歩道の概念はほぼない(ASEAN地域の中で自動車の保有率が最も高い)。空港からでれる歩道が見つからず、仕方ないのでバスを待つことにした。
ベンチに座っていると20分程で、バスらしきものが来た(運がいい。後に平均待ち時間45分と判明する)。これで、市街地に向かった。降りる場所など分かるわけないので、バスの運転手に覚えたばかりの地名をカタコトで伝えた。すると発音がよかったのか、すごく深くうなずいてくれた。
バスは結構ゆっくりであった。30分くらい乗ってると都市部に到着した。
都市部はなんとも表現し難い感じだった。通りは、いくつかお店はやってるが、活気があるような感じではなかった。と思ったら、公園には家族連れのファミリーがいたり、賑わっていた。個人商店のお店は大体4時くらいに閉まるので、朝型の国だなと思った。
そこからすぐある、ブルネイで最も有名な王立モスク、スルターン・オマール・アリ・サイフディーン・モスクに向かった(名前長え)。
リバプールの南野好きなおじさんに連れられ、館内も観光した。とても優しく対応されたので、この後賄賂を要求されるのかと思ったが、杞憂に終わった。そもそも、ブルネイの一人当たりGDPは日本よりも上だった。悲しくなって、次の目的地に向かった。
次の目的地は、カンポン・アイールである。世界最大の水上集落らしく、「東洋のベニス」と言われてるらしい。さっきのモスクから、徒歩圏内に船着き場があり、そこから2分くらい船を爆走させると到着した(ガチで速かった、バスよりも全然速かった、なんで)。なかなかワイルドな船着き場だった。
東洋のベニスの謳い文句の時点で、おおかた察してたが、正直あんまり綺麗な場所ではない。そもそも、観光スポットというよりは普通に生活する場所が、たまたま水上だっただけな気がする。
とはいえ、旅行者がいなく、生活感が溢れてて、個人的にはとても楽しく拝見できた。たまに板が外れており、落下しそうになった(汚い下水なので、落ちたら人生終了する)が、散歩コースとしては中々刺激的であった。
とりあえず行く宛もないので、歩いてた猫の後をついて行った。
水上都市を終えると、ご飯を食べるために、ショッピングモールに行った。ショッピングモールは、90年代の大理石多めのデパートといった感じだった。ちなみに人はあんまりいなかった。
心做しか宝石店が多い気がする。この国には娯楽っぽい娯楽はない気がするので(カラオケとか見当たらない。イスラムなので酒も飲めない。)、宝石で欲を満たすのだろうか。
ちなみに、移動手段は配車アプリを使った。「Dart」という聞いたこともないアプリで、ダウンロードした時は「このUIやばww10年遅れだろwww」とか思っていたが、実際今まで使ったどのアプリよりも、早く正確に来た(なんで)。ネット情報だと、ブルネイのタクシー台数は40台らしい。
結論:あんまり見所なかったが、良いとこだった
正直なところ、観光地は首都の王立モスクと水上都市、あと何とかモスクと、その近くのモスク、あとモスクくらいしかない。
公共交通機関も限られており、バスはほぼ運ゲー(最大1時間くらい待ったりした)だった。
他にも色々回ったが、特段記憶に残るようなものはなかった。「ブルネイ来たらめっちゃありましたああああ!!」と言い返すモチベで来たが、案外何もなかった。
しかし、振り返ってみると、なんだかんだ結構楽しめた気がする。地方に行けば自然系アクティビティがあるらしいが、都市部だけなら1-2日くらいで十分かもしれない。
帰り際に、日本の国会議事堂のようなところを寄った。中に入れないので、外の門の写真を撮っていたら、ちょうど国王が来るタイミングと重なり(警備員曰く超運がいいらしい)、車越しに国王を見れた。
帰り道、タクシーの運転手にその出来事を話した。運転手も「俺も国王と一度だけ会ったことあるぜ!!!!!!!」と話していた。何故かクソテンション高かった。
参考文献
・ラオスにいったい何があるというんですか? 村上春樹
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