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米中古車ECのvroomが事業撤退へ

米国で中古車販売PFを展開するvroomがECから撤退し、金融/AI分析に特化する方針を出しました。
一時期大量に出た[ディーラー駆逐]系の新興企業ですが、そのほとんどはコロナを経て息も絶え絶えな状況でしたが、大手もついにといったところです。
同様の事業形態ではCarvanaを残すのみですが同社も株価的には死に体…再編がますます進みそうです

https://www.sec.gov/ix?doc=/Archives/edgar/data/1580864/000119312524012173/d152784d8k.htm

1;Vroom社のピボット

 1/19に提出されたSEC-FormによるとVroomは事業ドメインを自動車金融/AI分析に全振りするとのこと。祖業であるオンライン中古車市場を閉鎖し、全リソースを[自動車金融(UACC)][AIを活用した分析(CarStory)]に移管
 今回の事業転換で従業員の90%に当たる約800人が失職する見込み
 
 [vroom.com]を通じた全取引を停止、中古車在庫は卸売業者に売却する予定しており、提出書類では中古車の販売価格などは明示されておらず不明
 存続事業である2セグメントは下記の通りでいずれも買収して取込んでいた事業となる
 1-金融;個人むけ自動車ローンを展開するUnited Auto Credit Corp
  →21年に3億ドルで買収
 2-AI分析;自動車ディーラー向けにAI活用した分析/デジタルサービスPFを展開するCarStory
  →20年に当該事業を含むVast-HDを1.2億ドルで買収、VroomのEC事業を補完するものと主張されていた
  →機械学習で車両リストを分析、VroomのEC-PFにおける価格予測/需要予測を行うとともに、外部企業にも販売してマネタイズ

2;Vroomの概要

 2013年に創業した中古車の売買PFで個人間取引に強みを持つ。直近の売上高は1,948百万ドル。[EC事業][卸売事業][個人金融事業]の3つのセグメントを通じて事業展開を行う。
 事業全体に通底するのはデータドリブン技術であり、売買プロセスの可視化を基盤として[中古車選び][引取りの連絡][個人融資]のサービスを提供
 
 創業当初の[リアル→ウェブ]のシフトを目指すトレンドに即して中古車販売/従来販売におけるディーラーを駆逐しようとしていたが…当時の同業他社はShift Technologies/Beepi/Fair.comなどほとんどは撤退か破綻
 2020年に上場した際には[IPO of the Year]といってもいい株価推移で、計画の3.56億ドルを上回る4.68億ドルを調達。20/08には65.01ドルの最高値を付けたが、その後は下落に次ぐ下落を続けて直近の株価は0.32ドル

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