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英国で自動運転法が成立、定義/責任主体を明確化

英国で先進各国初の自動運転に係る法律が制定されました。
同法では定義/責任主体/許認可などが定められ、多くの国での交通法改正対応ではなく完全に独立した法制定を実現しました。
英国はAIに加え自動運転も国家重点領域として推進/後押ししており、本法もこの流れに沿ったものとみられます。

1;英国での自動運転法成立

 5/20に英国王が玉璽を押したことで[自動運転法(Automated Vehicles Act(AVA)]が成立。自動運転車に関する定義/法的主体/責任などを定めるもので、国レベルでの立法成立は先進各国では初のもの
 政府は、完全自動運転車が2年以内に英国の道路を走行できる可能性があるとしている
 運輸大臣のMark Harper氏は下記のように本法を通じた自動運転技術の集積を期待
 -[本法成立は人々が自分で運転する選択肢を排除するものではなく、英国の新産業の隆盛を後押しする]
 -[本法は早ければ2026年にも自動運転車が英国公道で走行できることを意味し、安全性/経済成長の双方を後押しする]

2;先立つ検討(共同報告)

 法律成立以前にも英国では他国同様に公道での無人運転車の走行を許可しているが、新技術を試す許可を求める企業には厳格な規則を設けている。自動運転業界が進化し、ボーナスタイムが近づくにつれて法的枠組みの必要性が認識され、検討されてきた
 初期検討は2020年に開始、2022年には構成4王国の法務委員会が共同報告書を発行し、その中でAVAを正式に提案。報告書では[自動運転車の登場で、"新しい定義/法的主体/規制スキーム"といった枠組み全体を調整する必要がある]とする
 特に重要なのは自動運転車が事故を起こした場合の責任で、報告書で明確化して本法でも踏襲。あらゆる事故責任を企業が負うものとし、[車両が自動運転モードにある間は人間ドライバーは運転関連事故に対して責任を負わない]とする。また、認定車には夫々対応する[承認された自動運転事業者]があり、自動車メーカー/ソフトウェア会社/保険会社などが想定される
 英国政府は[完全に独立した事故調査機能]を担保する車両承認システムを立ち上げる予定を立てており、新規制に基づく事業承認企業は、安全性を確保するための[継続的な義務]を果たすことが期待される

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