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LiBの性能向上ソフトウェアを開発するBreathe-Tech社

リチウムイオン電池の性能/寿命には躯体内の構造の工夫が重要というのは既知ですが、ソフトウェアを用いて改善を目指すスタートアップを紹介します。
Breathe Battery Technologiesという英国のスタートアップでLiBの構造研究者が立ち上げ、[構造の改善余地はもう限界、ソフトウェアで何とかしよう]という発想が基盤にあります。

<BBT社について>
・2019年創業のLiB充電制御ソフトウェア開発/研究を行うスタートアップで、コストや手間のかかるハード変更を介さずで容量5%向上/寿命延長(ほぼ2倍)を可能にする
 └単なるLiB性能だけでなく電化された未来における顧客体験高度化にも取り組む
 └BBTのソフトはEV/家電製品において高速充電/寿命長期化/安全性において妥協のない製品を提供する手助けをする
・[誰もがきれいな空気を吸える未来]の実現に向けて、LiBに着目
・直近10月の資金調達では1,000万USDの調達を完了(Series-A/Lowercarbon Capitalリード)
・BBTは現在Rimac Automobili(クロアチアのEVメーカー)/Cosworth(英のエンジン事業者)と連携しており、他OEMとの交渉も進んでいるとのこと

<事業背景>
・創業者のIan Campbell氏はここ10年近くのLiB構造の効率化を通じ、エネルギー密度が高まってきたがまだ工夫の余地があると考えている
 └創業時に[既存の材料や化学反応からは、まだまだ膨大な量のパフォーマンスが解き放たれていない]と語った
 └過去10年、LiB充電方法と故障原因の研究に費やしてきた同氏は、研究過程ですべてのLiBに組み込める"より高速な充電速度/より長い寿命を実現するソフトウェアを開発

<事業内容>
・BBTは[Charge][Life]という2プロダクトを提供
 └[Charge]は充電時間を大幅に短縮、たとえば倉庫ロボで使用される標準バッテリーの 0%→80%の充電時間を27%削減
 └[Life]はバッテリー寿命を延ばし、たとえばスマホ;Oppo-Reno8ではソフトウェアによってバッテリー劣化が大幅に軽減。容量が80%になるのは通常2年のところ、4年にまで延長
・最も成功しているドメインはEV向けで、LiBの60%はEV向け。この分野は拡大余地があると確信している
 └[顧客はより優れた長持ちするPCやEVを手に入れることができる]
 └[OEMやメーカーにとっても、より持続可能な製品は保証性の向上を通じてB/S上のリスクも軽減可能]

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