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通学ライドシェアHopSkipDriveがCA州の環境規制を大幅クリア

アメリカで通学に特化したライドシェアを展開するHopSkipDriveがCA州の環境規制に適合したとリリースしています。
効率性と安全性を強みとしてサービス展開する同社ですが、今後の規制対応のですが個別適応型の通学手段の提供は注目を集めそうです。

1;HopSkipDriveの環境基準適合

 学生送迎向けライドシェア[HopSkipDrive]は2023年にCA州の主要排出ガス基準を達成したとリリース、同社はライドシェア通学が定着しつつあるとしている。
 今回、CA州大気資源委員会が定める[走行距離へのEV比率]について基準の2%を大きく上回る8%で着地。同委員会が別に定める[走行距離当たり排出量]は基準の252g/㏕に対して240g/㏕となった
 委員会の目標は[Clean Mile Programme]の基準/インセンティブとして設定、主に交通NW企業の車両を電化する目的で2018年に可決/2023年に発効
 
 CEOのJoanna McFarland氏は達成に関しては2つの大きな要因があると振返っている
 -1;CA州の高いEV導入比率…CA州は規制政策/インセンティブにより既にEV導入率は高く、2023年の走行全車両に占めるEV比率は36%であった
 -2;走行計画SW…走行ルートの最適化により走行距離/排出量は現状の非効率なスクールバスに比べて大幅削減できた

2;通学とライドシェアを取り巻く環境

 バイデン政権はスクールバスのEV化へ10億ドルの予算を計上する中で、トレンドからは若干逸脱するが短期的には商機ありとする
 -[EVバスをすぐに用意できないし全米導入は可能としても時間/手間がかかる]
 -[バスに乗る子供が12人未満ならばセダンに乗せる方が排出量/走行距離観点から効率的だし柔軟性も高い]

 通学方法はここ30年で劇的に変化してスクールバス離れが起きていることもライドシェア商機の拡大につながるとする

3;競合との差別化

 UBER/Lyftとの差別化は[乗用車の柔軟性]と[個別ニーズへの対応]にあるとし、CEOは下記のように語る
 -[配慮が必要な生徒や居住地域の治安などを考えると"固定的なスクールバス"は時代遅れであり、子供たちは抑々相乗りに積極的な姿勢を示す]
 -[米国の学校交通の危機に対してライドシェアは理にかなって効率的な解決策足り得る]

 COVID-19の惨禍の中でルート計画SWの構築/改善に取り組んだことで、ライドシェアの新しいビジネスラインを構築できた。
特に通学交通NWの効率化/ドライバーの不安解消を目的として、機械学習を活用した独自のアルゴリズム構築したことが大きい。
 CEOは[単なる移動機能提供にとどまらず、学校交通の課題の解決/クリーン化に貢献できる]としている。

4;HopSkipDriveとは

 通学目的に特化したライドシェアサービスを展開、全米7州/6,000校と提携して累計65万人の子供にサービス提供を行ってきた。学校/自治体からの利用料が利益の70%を占め、1000人以上の提携ドライバーは90%が女性かつ児童向けサービスで5年以上の就業経験をもつ
 現在はSeries-Dで調達総額は1.37億ドル、Post評価額は1.75億ドル

 事業の基盤課題は学生/生徒の送迎における非効率性の解消で、特に特別な配慮が必要な子供へのサービス提供に重点を置く。米国の学校は送迎に年間250億ドルを費やすが利用者は全体の30%強で資源の無駄遣いになっており、更に配慮必要な子供にとっても、乗降場所までのアクセスに難がありスクールバスの利用ができない状況にある
 HopSkipDriveでは[学校向け送迎サービス][保護者向けサービス]の2種類を展開しており、子どもたちを学校に送迎。ユーザーはAPPをDLして、利用前日に送迎ルートの予約をすると、システムが自動でドライバーのマッチングする。
 乗客である児童がモバイル端末を持たない前提であり、保護者向けで[リアルタイム車両追跡][運営によるモニタリング][異常検知][技術サポート]などの機能を備える。特に安全性担保には注力、技術チームはGPS/センサーを活用(例えば停車時の理由を判断→代替車両の派遣/遅刻通知等の対応)して事象対応を行う

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