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#2[柳田侑樹氏] 選手の動機づけを高めるためにできること

前回につづく第2弾として、

自身がコーチとして心掛けていることを

スポーツ科学的背景も踏まえながらお話して

頂きます。


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前回の記事の後半で、

フィードバックはいつするのがいいのか?

という話をしましたが、

今回は少し科学的な背景を踏まえながら

解説していきたいと思います。

■なぜ選手からアドバイスを求めてくるまで待つのか。
■選手の自律性がもたらす学習への効果がわかる。


【自律性とは?】

自律性とは、

重要な他者(ここではコーチや指導者)が

選手に選択の機会を与えることを言います。


【自律性の重要性】

前回の記事でも書いたように、

私は、選手が求めるタイミングで

フィードバックをしてあげることが

最も効果的なフィードバックの

タイミングではないかと思います。

なぜなら、

選手の動機づけを高めるために

自律性は重要だからです。

コーチや指導者が

私たちのタイミングでフィードバックをすると、

選手の動機づけを

低下させてしまう可能性があるのです。

選手が、

コーチや指導者の自律的な支援を知覚すると、

動機づけを高めることが言われています(Black

2000)。

つまり、

選手に自己選択の機会を与えることが

選手の動機づけを高めることにつながります。

逆に、

コーチがいくら頑張って指導し、

それが正しい指導であっても、

選手が支配的に感じてしまえば

選手の動機づけは

低下してしまう可能性があるのです。

コーチや指導者として、

改善点を選手に伝えることは

当然の仕事ではあります。

しかし、

その情報を選手が必要としているのかを

しっかり考える必要があるのではないかと

考えました。

なので、

私は指導する際、

待っていたのです。

選手から改善したいところや、

チェックしてほしいポイントを

伝えてくるまでは徹底して待っていました。


【自律性を練習にどう取り入れるのか】

自律性は、

選手の動機づけを高め、

練習の効果を高めるのに有効です。

選手自身に

自己選択をさせるということが、

動機づけを高める鍵となるのですが。

では、

練習全体にどのように

取り入れることができるのか

少し考えてみましょう。

私がこれを学んだ時、

「選手たちに練習メニューを考えさせるのか?」

「スイングの本数を選手に決めさせるのか?」

ほとんどのコーチや指導者は

「そんなことができるわけがない。」

と思うのではないでしょうか?

自分自身もそうでした。

まず、

どういう風に練習に

自己選択を取り入れるのかに悩みました。

自分たちで練習メニューを決める。

走る本数、スイングの本数などを

決めることも自己選択の1つでしょう。

しかし、

それを選手に選択させてしまうと、

チームとして練習が成り立つかわからない

不安がありました。

私がまず取り入れたのは、

練習の順序に選択を与えることでした。



次回も

科学的な背景を踏まえながら、

どのように練習の中に

選手の自律性を取り入れることができるのかを

具体的に考えていきたいと思います。


柳田侑樹

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いかがでしたでしょうか?

次回も柳田氏のコラムにご期待下さい。

鈴川勝也

#トレーニング #コンディショニング
#コーチング #パフォーマンス
#コラム  

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