ポメラを手放して結局Windowsに戻った

つい先日、ポメラ(dm250)を購入した。以下の記事まで書いた。

しかしその後、早々に手放してしまったことをここにご報告いたします。

ポメラを買った理由と、手放した理由をそれぞれ書きます。


ポメラを買った理由

ポメラを買う前は、何年か前に8万円弱で買った何の変哲もない普通のWindowsノートPCで書いていた。使用ソフトはWord。Wordで縦書き表示にして書いていた。

この環境でどうにか本を1冊書き上げられて、2冊目も同様の環境で書き始めていた。そこまではいい。執筆環境に対してなんの問題意識も持っていなかった。

ところが不思議なもので、全く同じ環境にて2冊目を書いている過程では、以下のような問題を感じるようになってしまった。

  • 書き始めるとき、PCを起動して、さらにWordを起動するのがすごく面倒くさい。この手間のせいで重い腰が上がらずなかなか書き始められない。

  • Wordが色々と面倒くさい。意図した書式にならない場合が度々ある。設定項目が複雑で混乱する。ページで区切られるのがうっとおしい。スマホから書けないなど。

  • 外で書くときに重量1.2kg、A4サイズの厚さ2cmぐらいのノートPCを持ち出さないといけない。PCとしては小型で軽量な部類だけどそれなりの荷物にはなる。文章を書くだけのために持ち運ぶのが面倒くさい。

  • PCはなんでもできちゃうので誘惑される。TwitterやYouTubeを見たくなってしまい執筆効率が落ちる。

つまり要約すると「ただ文章を書きたいだけなのに色々と面倒くさい。あと誘惑が多い。そのせいで書けない」だ。

本来は紙とペンさえあればいつでもどこでも素早く書ける執筆行為なはずなのに、なんで僕はわざわざ汎用パーソナルコンピューターおよび不必要に多機能なせいで動作が重くて有料なWordを使わなければならないのだ。文房具で書かせてくれよ……あ、ポメラだ。ポメラを使おう。Amazonでポチ。

ポメラを手放した理由

そんな理由でポメラを購入したのだけど、約2週間で手放してしまった。と書くのは簡単だけど、その約2週間の中で手放すまでにいくつかの出来事があった。それらを以降に書いていく。

Amazonでポメラを購入し、いくつかの不満点は感じつつも総論として満足していた。WindowsとWordで書く際に抱いていた「面倒くさい」という問題点は解消できた。ポメラはちっとも面倒くさくない。蓋を開けばそこにもう書き途中の原稿がある。PC起動の手間ともアプリ起動の手間とも無縁になれた。

ところが、使い始めて1日か2日か3日か、忘れてしまったけどまだごく初期の段階で、液晶の中に長さ5mm、太さ0.5mmほどの線が入っていることに気付いてしまった。いつからその線が存在していたのかはわからない。最初からあったのかもしれないし、使ってる間にできたのかもしれない。それはわからないけど、何日か使ってから初めて気付いた。黒背景・白文字設定だと見えないのだけど、白背景・黒文字設定だと見える。

一度気付いてしまったらもうダメだ。気になって仕方がない。執筆への集中の妨げになる。集中して書くためにWindows+Word環境から変えたというのに、これでは目的を果たせない。

幸いにもAmazonで購入したので簡単に返品できる。メーカーと直接やり取りして初期不良認定をしてもらい、交換対応してもらうよりAmazonに返品して再購入したほうが確実に速い。

ということでAmazonへ返品し、受領してもらい返金も受けてから、再度Amazonで購入した。初期不良以外は(細かな不満点はありつつ)満足していたからだ。

で、2台目が届いて使い始めたところ、また初期不良でした。完。

今度は液晶は問題なかったけど、充電するとフリーズする問題に遭遇した。フリーズから復旧するには電源ボタンを10秒長押しして強制再起動するしかないらしい。説明書にそう書いてあった。

これ、ポメラにおいては致命的な不良だ。ポメラで編集中のファイルは他のどこにもバックアップがない。クラウドストレージにも、PCのストレージにも、スマホにも。どこにも連携されていない。その状態で強制再起動は怖すぎる。

ポメラdm250は発売当初は同梱されているUSBアダプタとUSB Cケーブルを使わないとフリーズする問題があったらしいのだけど、その後のアップデートで修正されたと聞いている。ただ僕の場合、ファームウェアは最新で、同梱されているアダプタとケーブルを使ってフリーズしてしまった。それ以外のアダプタもケーブルも一度も使っていない。となるとお手上げだ。この不良を受け入れるか、また返品するか以外に選択肢がない。

あと2台目ポメラdm250はチャタリングがけっこうひどかった。チャタリングとはキーを一度しか押してないのに二度以上押したと認識されてしまうもの。キーボードによくある問題だ。変換を確定したくてエンターを押したら改行までされてしまったり、「ポッメラ」みたいに意図しない場所で「っ」が入り込んだりする。

チャタリングは液晶に傷のあった1台目でも発生しておりやや不満ではあったものの許容範囲ではあった。しかし2台目はチャタリング発生頻度が高くてなかなかストレスだった。許容範囲を超えるかギリ超えないかの瀬戸際な感覚。体感で、1台目は1000文字書くと3回発生。2台目は5回発生、ぐらい。多少の差でありあくまで体感なので正確ではない。ただ使った範囲では2台目のほうが発生頻度が高かったことは確実だった。

キーボードにおけるチャタリングは初期不良なのか、それとも受け入れるしかない仕様なのか、それはメーカーの基準と判断次第だろう。ポメラdm250におけるこのチャタリング発生頻度が不良なのか仕様なのか、それは僕にはわからないのだけど、充電の件もあるし、むしろそちらのほうが致命的だし、ひとまずAmazonへ返品だ。

2回目の返品も受領してもらえて返金も受けられた。しかし3台目を買うのはさすがに躊躇した。そりゃそうでしょう。わかりますよね、この気持ち。あくまで僕の体験範囲ではあるけど2台連続で自分には初期不良であると思えるモノを掴み、初期不良ですと言う理由でAmazonへ返品し、受領してもらえた。念のため明記すると、これは全て事実だ。事実でなければ怖くて書けない。

僕はポメラdm250を下げたい意図はない。ただ「ポメラdm250買いました」という旨の記事を書いた以上、その後の顛末も書いておきたいので書いている。

結局Windowsへ

3台目の購入はさすがに躊躇している間に、仕方ないからWindowsでまた書くようになり、そしたらなんだかまた書けるようになった。「Windowsは起動が面倒くさくて書けない」とか「Wordは重い」とかは、全部言い訳だったのだと思う。本当はただ書く意欲が低くて、書くことに集中もできていなくて、だから書けないだけだったのだろう。

その後、なんやかんやあり、本題ではないので省くけど、また書く意欲が高まり、集中できるようになったら、Windowsで以前のように書けるようになってきた。だから結局は元から持ってた何の変哲もない安めなWindowsノートPCで家でも外でも書いている。というオチ。

教訓としては「出来ない理由は環境よりも自分にある。本気でやりたいことなら環境がどうあれやる」だろうか。時と場合によるだろうけど。

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