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スーツケースを買って旅に出よう

大型スーツケースを買った。10年以上前から毎年使っているゴールドカラーのスーツケースは、ブルガリアから帰国する時にタイヤが一つ無くなって帰ってきたので、年季とポーランド航空の荒い荷物扱いのせいだ。オンラインでスーツケース候補を出してみると、大型は大体1万円以上。物よりも経験にお金をかけるよう教えられてきたので、最後に1万円のモノを買ったのは、4ヶ月前に友人へのお土産。自分用に買ったのは、、思い出せない。(直近の一万円以上で買った経験はティアラ教室通いとダンスのサブスク)。いろいろな色や性能のスーツケースを比べながらワクワクした。

ピンクに惹かれていたが最終的に選んだのは、シックなもの。3万円の習い事には躊躇ないのに、20万円の資格に申し込むのを躊躇わないのに、一万円のモノを買うのに一週間悩んだ。幼い頃から言われてきた「賢い人はものではなく経験を買う」「死ぬ時は身ひとつ」などを信じすぎて、もはや自分の価値観になっていった。バレエ鑑賞、習い事、食事にふんだんにお金を使いながらも、どこか自分で「私は物欲が人一倍強いから我慢しないと、経験に使うお金がなくなる」「なんでこんなに浪費しているのに、高い食材を買うことを我慢できないんだろう」などと困っていた。だが実は、物を買う=悪と信じすぎて、フェイシャルパックなど日々の小さな喜びや、新しいスニーカーを買うなど堂々と社会の一員でいるために必要な物を買うのさえ、自分から取り上げていた。心があったかいな、欲しいな、とワクワクする無駄遣いを徹底的に制限していたから、日々のホッとする瞬間など無くなり、自分は何に喜びを感じるのかさえわからなくなっていた。

綺麗な花(三百円)を見ても、
「花なんてどうせ枯れるし、お金の無駄、手入れの時間だって無駄だよ!」
これ試してみたい!というフェイスクリームが割引になっていても
「どうせなくなるし、ダイエットのほうが結果は得られる。無駄!」

と有意義病になっていた。だから、むしろ欲しい服は5万円など最高級にこだわるし、お金をかけても良いと思っていた食も妥協できなくなっていって、食べて良い物の制限が強くなった。有意義病から抜け出せたのは、禁止していた「物を買う」を自分に許していったから。そして、その集大成が一万円オーバーのスーツケース!現在は、有意義病が出てきて苦しいなあと思ったところで気付けるようになったが、昔はこれが当たり前の状になって位た。この信者になると心にぽっかり穴があいて、更に続けてると心の穴はどんどん大きくなり、なんだか満たされないような、寂しいような虚しいような、、、そんな気持ちで毎日を送ることになる。当時は「そんな毎日がつづくのが当たり前じゃないの?」って思っていたが、当たり前ではない。

ブルガリアに戻ることが決まったので、今からパッキングがとっても楽しみだ。10年前に比べてスーツケースの性能もUpしているだろうし、ストレスなくゴロゴロを引くのが待ちきれない。同時に、有意義病のせいで、こだわり抜いて購入したモノを少し売っている。まるで、自分にモノを与えることを許して最高級以外認めないという価値観から抜け出したと証明すように。(メルカリも覗いてみて欲しい)次の相棒のスーツケース、末長くよろしくね!


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バレエ、フィットネスインストラクター|ライフコーチ|欧米での学びを本にします|RYT200|Bowspring yoga修了|マットピラティス講師資格取得|スクールカウンセラー よろしければサポートお願いします! 本制作、イントラ活動に使わせていただきます!