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無料の罠

「時は金なり」。時間は有限であり最大のリソースだ。
だが、無料テイッシュ一箱のために30分も並ぶ人、サービスデーに人でごった返す施設で無料の恩恵を受けようとする人、1円でも安く買うためにスーパーに何度も通う人を見ると、あなたの人生は時間とお金の奴隷ですかと聞きたくなる。

実は私も無料の餓鬼、銭ゲバだった。だが一連の経験がきっかけで、サービスや物の対価に見合ったお金を投資し始めたことで、より豊かに生きられるようになり、なりたい自分になることができた。

人生の数年間はエステやフィットネスにはまったが、安月給だったためとにかく安く受られるサロンや教室探しに血眼だった。1日2時間近くをネット検索に費やし、行き着いた答えは「体験めぐり」。語学や習い事の教室は体験一回無料や1000円のところが多く、得した気分になる。またエステは通常は一回2万円前後が一般的だが、体験は3000円ほどで受けられる。当たり前だが、教室・エステ巡りを1年近く行ううちに、近場のサービスは網羅し遠方に出向かなければいけなくなる。また新しい体験場所を探すことにも疲れてきた。気づけば、一つのダンス教室でクラスを受けている最中に「次はどこでできるだろう?」と考える始末。

節約のために始めた作戦が、気づけば私の時間の大半(そしてどんどん大きくなる交通費)を奪っており、虚しさや悲しさが募った。そこで、安月給の一年前の自分が一番嫌がったことをした。近場で語学レッスンとダンス教室の所属スタジオを決めて、入会金と月謝を払うようになったのだ。首都圏に店舗があるエステは巡り尽くしたし、契約したら破産するのでエステは辞めた。

サービスにお金を払う、という最も抵抗がある行為をした結果、私の人生は好転した。先生やサービスにきちんと対価を払うことによって、逆に自分の時間に価値を感じるようになった。つまり、安月給の仕事を辞めてフリーランスのコーチング、ヨガ・ピラティスインストラクターの仕事を始めたのだ。長年独立して稼ぐことは夢だったが、独立しても成功する自信がないという本音から目を背け、とりあえずの仕事を続けていた。自分の仕事に心からの喜びを感じなかったので、当然収入が低くても文句もない、自分の価値を低く見ているから、他のサービスも安さを求めていた。自分も他人もみんなチープ、混んだ通勤列車にも慣れ、スーパーでは無意識に割引に手を伸ばす。

そんな気分もシケるループから抜け出せたことは、人生を良くするサービスにお金を払うようになったから。インストラクターになる以前に妄想していた時は、「1時間まずは500円でいいかな、慣れてきたら1000円いただこう」と思っていたが、今は「1時間or 75分クラスが3300円、体験は2500円」だ。自分が心身込めて作ったレッスンの価値は私が決める。10年以上かけて学んできた解剖学、心身のバランス、持続可能な健康づくり、ヨガ講師資格で丹念込めて教える。どうでしょうか。高いですか?

今私は幸せだ。自分が提供したサービスが、価格以上の喜びや健康を生徒さんに届けると信じて、フリーインストラクターとして前進していく。

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バレエ、フィットネスインストラクター|ライフコーチ|欧米での学びを本にします|RYT200|Bowspring yoga修了|マットピラティス講師資格取得|スクールカウンセラー よろしければサポートお願いします! 本制作、イントラ活動に使わせていただきます!