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【ビジネス考察】やはり仮説が大事なんだという話

外部研修を受けて久しぶりに感銘を受けました。なるほどそういうことか、と。本日はその内容を記しておこうと思います。

それは人間の感じる「満足感」の正体について。確かに!と腹落ちする内容でしたので。


■新しい気付き

人間は知らないことを知った時にとても大きな喜びを感じます。海外旅行とか上京とか、そういうのが冒険要素を含んでいてワクワクするのは見たこともないものに触れるかもしれないという好奇心。

しかし、

人間が本能的に満足するのは、思っていた通りだったことが確認できたときだというのです。つまり、「仮説」がその通りだったと分かったとき

何だって!?

そんな保守的でいいのか?オレはいつだって新しい世界に向かって攻めてたぜ!?そういう声が挙がるかもしれません。なぜなら、この仮説肯定作業(勝手に命名)は無意識のうちに行われているからです。

「仮説」というとなんだかとっても大きな事でなくてはいけないような気がします。例えば明日の日本社会をぶった斬るような・・・でもここで言う仮説はそんな大きなことではありません。

例えばイオンでトイレを探していて、ここ曲がったらありそう、と思って実際に曲がってあった時とか。
例えば雨がそろそろ止みそうだと思って出かけるの待ってたら本当に止んだとか、そういう類。

ここには好奇心も新たな発見もないし、我々の生活の一部にごく当たり前に溶け込んでいるけど、確かにそう言われるとそうかもしれない。満足している。

・・・まだピンと来ていませんね?ではこれはどうでしょう。


■ゲームとジョブスの世界

実は、この細かい仮説肯定の仕組みを精巧に利用しているのがゲーム業界だといいます。

基本的に取説を読み込んでからゲームをする人はいません。なのでゲームデザイナーは直感的に分かりやすいことを最優先すると言います。

情報量はなるべく少なく、それでいてその世界観に引き込むのです。売れるゲームというのは圧倒的にこれが出来ている。これだけ聞いただけでもプロの仕業だなーと思わせますね。

で、

我々ユーザーは「こういうことかな?」という仮説を立てて先に進みます。そして概ねその通りに動きます。なぜなら(特に導入部は)そういう風に作られているからです。するとユーザーはみるみる引き込まれます。なぜなら仮説肯定が本能的に気持ちいいからです。

ゲームをしない人にもスマホを例にとればわかりやすいでしょう。特にiPhoneのジョブスの世界がまさにそれです。真っ白な箱から取り出してさっそく起動させて、真新しいギミックがふんだんにあるにも拘らず我々は自然と使いこなすことになります。

分厚い説明書を同梱する必要はありません。なぜならそれとは別次元で勝負しているからです。ワクワクしながらこうかな?こうかな?と誘導され、そして期待通りの動きをします。そして気が付いたら虜になっています。満足しているのです。


■SNSでこれを活かす

この、ゲームやiPhoneに使われている直感的なわかりやすさと仮説肯定の考え方をSNSで使えないだろうかと考えました。

すると見つかりました。

見つかったというか既に常套手段としてありました。それがランキングではないかと思うのです。

よく目にする「○○な人ベスト5」とか、「今やるべきことベスト10」とか。あれって実はとても分かりやすい仮説肯定作業なんですよね。

我々は「なんだろう?」と興味を示しながら実は心の中で(多分あれでしょ?)と仮説を持っています。そして見に行ってその通りだったり少し自分の意見と違ったりして一喜一憂しているのです。ただ単に「教えてあげる」と言われるよりよっぽど興味が沸きます。

なぜなら、

凄くわかりやすくて、自分の中の仮説と確認を繰り返せるからです。


逆に「深海魚ベスト5」と言われても万人にはウケません。今度は逆に仮説のハードルがあまりにも高いからです。ベストなラインがあるとするならば、この仮説がぼんやりと立てられるかどうか、と言えるかもしれません。


■仮説肯定作業の先

売れるゲームというのは、ユーザーに無意識的に仮説をたてさせて、それを肯定させて満足させる仕組みを小さく連続的に仕込むそうです。が、それだけではさすがに飽きてしまいます。

そこで何回かに1回、ここぞのタイミングでこの仮説を上回る仕組みをぶち込むのです。良い意味での「裏切り」です。

満足→→→→裏切り!→満足→→→→裏切り!裏切り!裏切り!→大満足

こんな感じでしょうか(笑)。

こうやって最後まで導くことさえできればあとは満足感に達成感が加わって「いやーこれマジで愉しい!」とユーザーは肯定的な意見の発信源になります。あとは勝手に売れていきます。いわゆる、バズった状態になるわけですね。


実はそれ以外にも、我々が無意識のうちに満足感を感じさせられているギミックが良いゲームにはたくさん仕組まれていることを知ることが出来ました。

それについてはまた今度機会がありましたら。




本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

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