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【この夏おすすめの一冊】自分の思いを言葉にして伝える勇気が持てる本~『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』

私は子どもの頃から、自分の思いを口にすることに苦手意識があります。
考えがあってもうまく言語化できなかったり、考えすら思いつかなかったり。職場での会議など、自分の意見を求められる場が憂鬱でした。

そんな私が飛びついたのが『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』という本です。著者はコピーライターとして24年のキャリアを持つさわらぎ寛子さんです。

本書は、第1部「思い・考えをまとめる習慣」、第2部「相手に伝える習慣」の二部構成で、自分の意見を作り、それを相手に伝えることを最終目的としています。
項目ごとにワークがあるので、一方的に読むだけではなく、自分で考え手を動かしながら「言葉にする習慣」を身につけられます。

私は特に自分の意見を持つ方法を知りたかったので、第1部のワークに重点をおいて取り組みました。

その中で印象に残ったのは、第2章「思いを言葉にする」の中の「意見を作る4つのステップ」です。

意見を作る4つのステップとはどのようなものかというと、

①問いを立てる
②前提を定義する
③根拠を作る
④ツッコミを考える

違和感を感じた部分に問いを立て、前提、考え、考えに至った根拠とともに相手に伝えられるようにするというものです。さらに予想される質問に対して答えを準備しておきます。

会議前に4つのステップにしたがって準備すれば、自分の意見を求められても落ち着いて答えられる気がしました。

そして印象に残ったのが「意見は違うからこそ面白いのであり、誰かの意見が絶対であることはない」という言葉です。

意見が言えない、という人の多くは「誰かが正解を知っているのではないか」と思って誰かの答え(意見)を参考に仕様としていたり、「人と意見が異なってはいけない」と思って誰かと違うことを考えていたとしても、自分の意見を押し殺したり、相手に合わせたりしようとします。

さわらぎ寛子著『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』明日香出版社 2024年

上記の文章を読んだ時に、身に覚えがある感情だと思いました。
もしかしたら、私は意見がないのではなく、自分の意見に自信がなく、突っ込まれて答えに詰まった経験から、いつしか自分で考えなくなっていたのではないかと。

その直後の言葉には勇気づけられると同時に気づきがありました。

でも、何かに対してどう思うかという意見は、人と違って当たり前です。(中略)伝え合うことで、互いを理解したり、アイデアを広げたりするためのものなのです。

さわらぎ寛子著『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』明日香出版社 2024年

「意見とは正解を目指すのではなく、他の人と考えやアイデアをすり合わせて、よりよくするためのものだ」ということです。「意見を作る4つのステップ」のように意見を作り相手が受け入れやすい表現で伝えた上で、意見を交わしながらよりよい方向を目指していけばよいのではないかと思いました。

この本を読み、次回の会議がちょっと楽しみになった私です。

「今回のおすすめ本」について
『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』

※明日香出版社HPより

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