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筆者の「温泉愛」にあふれた、温泉ガイドエッセイ

 東北に住んでいて良かったな、と思うことの一つが温泉の多さ。私の家からは車で30~90分くらいの範囲で、宮城県の「鳴子温泉」や山形県の「蔵王温泉」など有名どころの温泉に行くことができる。社会人になり、車を運転するようになってからは、地の利を得て日帰り入浴がてらドライブに行くのが休みの日の楽しみの一つだ。車の運転も、温泉も大好きなので、家族や友人と休みが合わないときは、一人で行ったりもする。自然の中でゆったりとした気持ちになり、日常を忘れてリフレッシュできるのが魅力。ただ、他の人に「え、一人で行くの!?」と驚かれたことが何度かあり、周りには言えずにいた。

 そんなことがあったからか、本屋さんでこの本を見つけたとき「まさに、私のための本だ!」と勝手に思いこみ、即買いしてしまった。何だろう、自分の「好き」が肯定されたような気がしたのだ。

 筆者は、会社員のかたわら、休みの日には温泉へ出かけ情報発信をしているという女性。温泉メディアのライターや旅行雑誌の編集者として、全国の温泉を取材した経歴を持つという。

 本書には「おすすめ温泉チャート」なるものが付いている。いくつかの質問に「はい」「いいえ」で答えると自分の好みにあった温泉を教えてくれるというものだ。(ちなみに私は、別府温泉でした)

 また、女性ひとりでも楽しめる温泉旅行のコツがたくさん伝授されている。ベストシーズン、宿の選び方、おすすめの交通手段から、女性が一人で行くときのマストアイテム、お化粧を落とすベストタイミングなど筆者の経験から書かれたものが多く、参考になった。

 この本を読み、温泉旅行に出かけたくなったのは言うまでもない。筆者が撮影した写真のページや、おすすめの温泉について熱く書いているのを見るとなおさらだ。今はコロナ禍で温泉旅行が難しく近場の日帰り入浴ばかりだが、いつか自由に旅行できるようになる日を楽しみに待とうと思った。この本で、家にいながら温泉旅行に行くワクワク感を味わえた。

 

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