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【読書記録】「死ぬまで生きる日記」土門蘭

【読書記録】

「死ぬまで生きる日記」土門蘭

日々の生活は普通に送れて、家族もいるし、自分のやりたい仕事もできているし、「嬉しい」「楽しい」と感じることもある。

それなのに、不意に「死にたい」という思いに襲われ苦しくなる。

そんな苦しみを長年抱えてきた著者が、カウンセラーの力を借りながら自分自身に向き合っていく二年間を記録したエッセイ。


著者の思考と感情の奥深くに一緒に潜り込み、そこをじっくり見つめる旅に同行していたような、そんな濃厚な読書体験でした…!

読み終わったあとに、こんなにも著者が自身の胸のうちや頭の中を包み隠さず文章にして共有してくださったことに、なんだか感謝の気持ちが湧いてくる。

本当に、すべてをさらけ出すつもりで書いてくださったのだろうなあと読みながらも読み終わったあとも圧倒されました。

すごく、すごく良かったです…!

正直私は日常的に「死にたい」と思う感覚は持ったことはないので(産後ノイローゼのときはだいぶ精神病んだけれど…)、土門さんの抱える苦しみをすべて理解できるとは言えないけれど…

それでもそんなことは関係なく、一人の女性が自分が抱える感情と思考に真剣に向き合い、自分を整えてあげようと試行錯誤する様子を読む時間は、どこか私自身も人生の中で体験してきた、もしくは今抱えている少し扱いづらい感情や思いを
一緒に見つめていくような感覚になり、なぜか自然と共鳴してしまう。

土門さんの試行錯誤の過程ではオンラインカウンセラーさんとのやりとりが大きな鍵になっていて、カウンセラーさんとのセッションごとに設定した課題やテーマに土門さんが真摯に向き合っていく様子が綴られている。

回を重ねるごとに土門さんが自分のより深いところへ潜っていくことで自分自身への理解が増し、そんな自分を大切にする術を実行して癒されていく過程は、"自分の扱い方"という点で単純に参考になるし、読みながら読者のこちらも一緒に癒され励まされるような、そんな感覚にすらなる。

苦しみが描かれるところは少しドキドキしながら読んだけれど、その描写があるからこその、土門さんの試行錯誤やその後の変化がよく見える。

私個人的には、土門さんが”書くことで生きている”と認識するようなくだりがあって、そこにめちゃくちゃ共感だった。

私も、本を読むこと、文章を書くことで、今まで生きてこられたなって本気で思うので…。

いやあ…本当に良い本だったなあ…

文章もとても読みやすいです。

全人類にオススメしたい🌱

特に、自分の感情や思考の扱いが難しいと感じている方、もっと自分のことを見つめて整えたいと感じる方がいたら、ぜひ手に取ってみてほしい。

ところで、この本の中には土門さんが大切にしている本の紹介が何冊か出てくるのだけど、その中に私もここ最近読んで自分の中での人生ベスト本になった本が二冊も出てきて(ネタバレになってしまうのでここにタイトルは載せませんが、最近読書記録も書いたもの)、それがなんだか嬉しかった。

同じ本を好きというだけで、なんだか勝手に親近感を感じてしまうのが不思議。

そんなことも、本の魅力の一つですよね。


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