私も「家褒め」をして回りたい話
最近、
やるべきこと・やらなきゃいけないことが多すぎて
キャパオーバー気味の私です。
といっても、多分人から見たら
きっとぜんぜん大したことじゃないんだけれど。
たとえば。
などなど。
なんか、
こういう細かいタスクが溜まりすぎると
一気に何もかもめんどくさくなってしまって、
全てのことから逃げ出したくて
こうやってnoteを書きに来てしまう。
いや、どれもやればすぐ終わるってわかってるし、
その方がスッキリすることも分かる。
でも、どうしてもめんどくさいのだ。
で、次の日の朝になって、
「私、昨日結局何もやってない…」と
絶望するまでがワンセット。
本当に、「これやってね」と言われたこととか
早めにやった方がいいことを
すぐにできる人って心から尊敬する。
私の職場の人たちって
みんなタスクをすぐにこなすタイプで、
ほんとうにあんたたちって優秀だよね…と
いつもいつも感心してしまう私です。
・・・
そんな私の今日のnoteのネタは、
「最近感動したこと」。
一番感動したのは、この本です。
この本が本当ーーーに最高で。
私は、古いお家がものすごく好きなんですが、
この本も古いお家に関する本。
著者はあの宮崎駿監督です。
私が好きな古い家というのは
単に古ければいいってわけじゃなくて、
ん〜なんというのかな、
どちらかといえば明るい雰囲気の家よりも
どこか暗い影のある家が好きなんだよね。
たとえば、
何だか雰囲気がある森に囲まれた日本家屋とか、
日本家屋の横に派手な色の洋館がついている
謎の昭和の邸宅だったりとか、
こじんまりとした風情のある庭があるお宅とか、
そういうどこか影があるような家だと
もう「完全に好き」で、
そういった特徴がなくても
「なんかいい感じだな」と感じるようなお家が
私にはたくさんある。
厳かにそこにどっしりと佇んでいるというか、
どれだけの年月が経過すれば、
どれだけの人間がここを出入りすれば、
ここまでの風格が出せるのだろう…というような
そんな「雰囲気のあるいい感じの家」が
実は日本にはまだまだ残っているのだ。
で、そういう家を見て回るだけじゃなくて、
訪ね歩くことができたら…って
ずっと思ってたんですよね。
でも、それって不審者すぎるじゃないですか。笑
初対面の人様のお宅にズカズカ入っていって
「是非お家を見せてください!!!」だなんて、
そんな無邪気な小学生みたいなこと言えないのだ。
ましてやこんな見ず知らずのアラサー女が
急に家に突撃してきたら、
恐怖以外の何物でもないだろう。
でも、宮崎駿はまさにこれを実践している。
それがこの本だ。
この本の中身は、
私にとってはもうパラダイス。
なぜなら私ができないと思うことを
全部してくれているから。笑
彼の思う「いい感じの家」を訪ね、
そこに住む人々へインタビューをし、
彼がその家で印象的だったことをまとめ、
そしてその家の写真を撮ったり
スケッチをしたりしていて、
その記録がこの本なのだ。
なんて最高の本なんだ、、!
というか、私がやりたいことを
すでにやっていた人がいたのか!!!
しかも、宮崎駿って。
私って宮崎駿と趣味一緒だったんだ、、
そう思うとなんだか可笑しかった。
同じ趣味の人と
現実世界で出会ったことなんかないのに、
まさかあの宮崎駿と趣味が同じだなんて。
人生ってやっぱりよく分からないものだな。笑
でも、彼と会って「どんな家を良い家と思うか」
という話をしたら絶対楽しいだろうな〜と、
ついつい妄想を膨らませてしまった。
本の中で、彼はこんなことを述べている。
この部分を読んで、
なんだこれは、私のことか?と錯覚するほど、
古い家を見て感じていることが
私とそっくりだった。
いい家を見ると、
ここでどんな人がどんなふうに
暮らしてきたんだろう?と
つい中を覗いてみたくなるのだ。
そして、本の中で宮崎駿の伯父は、
良い家を見つけては見学させてほしいと頼み込んで
実際に歓迎されていたと言うのだから、
もしかしたら私も
同じことをやれるのではないか?という
甘い妄想に取り憑かれてしまうのだが、
今のご時世そうもいかないだろう、と考え直す。
今は昔ほど人情にあふれた世界ではない。
他人のことは警戒して当たり前だ。
でも、もしもそれができたとしたら
どんなに楽しいだろう、と
やっぱり考えてしまうのだ。
私が今からプー太郎になっていいよ、
と言われたとしたら、
こうやって良い家を渡り歩き、
訪ね歩いて人生を過ごしたい、と本気で思う。
宮崎駿は本の中でこんなことも述べていた。
「闇を持つ家」。
私は暗い家が好きだけど、本質的には
似たようなことを考えているのかもしれない。
それは「メイとサツキの家」みたいな
ああいう家に代表される。
まさに、「トトロの住む家」だ。
現代に建てられたピカピカの綺麗な家には、
きっとトトロは住まないだろう。
普段は子供がいて明るい雰囲気だけど、
古くて、ミシミシしていて、奥行きがあって、
入ってはいけない場所があって…
子供が大人になって、
大人がお年寄りになって、
ある日誰もいなくなって、
家だけがそこに取り残されて…
ふと横を見ると、誰も居ない廊下で
トトロがどんぐりを落としているのが
見えるんじゃないかと思うような…
そういう家にとにかく惹かれるのだ。
家自体に歴史の重みを感じると、
その家が突然生き物みたいに感じられる気がするのは
私だけなのだろうか。
いや、たぶん家とは本来生き物なのだろう。
人間が長いこと色んな思想を持って
そこに居続けていれば、
そしてそれが代々続いていけばなおさら、
それが厚み・重みとなって
家が人を惹きつける雰囲気を持ち始めるのは
当然のことのように思う。
今の住宅のように
クローンみたいに真っ白でピカピカな家には
出せないような雰囲気を持つ家。
まさに、それはトトロの住む家だ。
そんな家が、監督同様私は大好きなのだ。
そんな素敵な家々が取り壊されてしまう前に、
自分の足で歩いて、自分の目で見て回りたい。
中を見せてほしいなんて贅沢は言わないから、
外からそっと眺めさせてほしい。
これが今の私の、一番の夢です。
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