フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2021~ぼくらのASOVIVA」2021/02/23
フレデリックの武道館公演を観ました。
毎度おなじみのぶつ切り感想レポートです。
まず初めにセットリストを↓
1.Wake Me Up
2.シンセンス
3.逃避行
4.KITAKU BEATS
5.トウメイニンゲン
6.リリリピート
7.もう帰る汽船
8.ふしだらフラミンゴ
9.他所のピラニア
10.正偽
11.ミッドナイトグライダー
12.うわさのケムリの女の子
13.まちがいさがしの国
14.TOGENKYO
15.スキライズム
16.オンリーワンダー
17.されどBGM
En1.サーチライトランナー
En2.オドループ
En3.名悪役
全体の感想としては、「フレデリックのライブ中盤が強すぎる」というのが一番。7曲目~13曲目あたりの異様な浮遊感がめちゃくちゃ気持ちいい。映像も相まってカオスな空間だった。
フレデリックは、オドループ、KITAKU BEATS、オンリーワンダーのような、観客が腕を振り上げたりクラップしたくなるようなアップテンポな曲ももちろん良い。盛り上がるし。楽しいし。
ただ、私個人的にはミドルテンポでカオスな曲がフレデリックの真骨頂で最強だと思っている。
特に今回のふしだらフラミンゴ~他所のピラニアはとんでもなかった。
武道館がネオンピンクに照らされ、バックスクリーンの映像もピンクのフラミンゴ、無数のフラミンゴ、回るフラミンゴ。イントロから好きなように身体を揺らす観客。
そんなカオス空間でどの曲よりも「無」の表情で歌う三原兄。いやこれ、誇張じゃなく本当に「無」だった。目に光が無くて怖かった。でもそれがまたいい。妖しいネオンピンクの照明と相まって、めちゃくちゃ興奮した。
他所のピラニアもそんな感じ。バックスクリーンには何やら妙にデジタルな感じの魚が泳いでいる。そして三原兄の表情はここでも「無」。フラミンゴかピラニア憑依してた?
他所のピラニアの歌詞凄く好き。
だからワンツースリーで受け流せ
かたくなな心
逃した魚は大きかったって誰が言ってた?
こういうカオスな曲ほど、歌い手の味が出るから面白い。三原兄の短く切った癖のある歌い方、Aメロでめちゃくちゃ映えてる。他の人じゃできない。
うわさのケムリの女の子~まちがいさがしの国も、完全にフレデリックの最強ムーブだった。
うわさのケムリの女の子の最後で三原弟が見えなくなるくらいもくもくと焚いたスモークの中でメインステージに移動し、その不思議な雰囲気のまま、まちがいさがしの国の不穏で強い歌詞を並べていく。うわさのケムリの女の子の歌詞との温度差でかなり動揺した。
あんなに冷たい声と顔でラスサビ前に「手ぇあげて」って言われたら挙げちゃうわ。煽られるのあんまり好きじゃないけれど、こういう流れで煽られるとめちゃくちゃテンション上がる。これはお決まりの煽りだから分かってたけれど。これが調教か……
MCは完全に各人の性格が出てて面白かったね。私はあんまりフレデリックのメンバーのパーソナルな面は知らないけれど、あの数分のMCを聞いただけで雰囲気がなんとなく掴めた。
三原兄弟は面白いくらいに雰囲気が違うね。兄は思ったこと全部を思ったままに表現する(というか、漏れ出しちゃう)感じに見えたけれど、弟はどちらかと言えば自分の頭の中で構造を考えてから取捨選択して丁寧に表現する性格なのかなと。自分のことを100%見せることはしなさそうな感じ。
赤頭さんはゆるふわおじさん。あの雰囲気が崩れるところを見てみたくなるタイプの人だなあと思った(逆にね)。あと楽しそう。音楽もメンバーも大好きなんだろうな。武くんは自分が「観られる人」っていうのを一番意識している気がする。ドラマーってそうなのかな。「自分の演奏する姿でお客さんを楽しませる」っていう意識が凄く感じられて、聴いててももちろん気持ちいいし、視覚的にも見てて気持ちいい。
新曲も良かったね。1曲目は多分タイアップだろうな。「走って 走って」みたいな歌詞があったはず。アニメかなあ。疾走感あってかっこいい曲だしこの曲に「なんらかの報告」があることは嬉しい。
と、同時に、少し勿体ないなって思った。さっきも書いたように、個人的にはフレデリックのミドルテンポの曲で創り出す妖しい雰囲気が本当に素晴らしいと思っている。誤解を恐れずに言い方を変えれば、「フレデリックのライブ以外では映えない曲」が最強の持ち曲だといえるかもしれない。
だから、日本で何らかの作品に合うような曲を作って(つまりタイアップ)お茶の間に進出するのではなく、フレデリックが創った音源とライブと世界観だけで海外に出てみてほしいなあと思ってしまう。
フレデリックのYoutubeのコメント欄を見ると、びっくりするくらいに海外からのコメントが多い。ラテンアメリカで聴かれているってのを聞いたことがある。今は配信ライブもノーマルになっているし、今ならいけると思う。
誰目線だよ、って思うかもしれないけれど、フレデリックは言語の壁を超えると思う。歌詞を知らなくても、バンドの背景を知らなくても、多分この音楽は通じると本気で信じている。正直私は洋楽聴かないので、根拠はないけれど。
フレデリックは曲が抜群に良いから、どうかこのまま突っ走って、世界でビッグになってほしいと思う。こんな気持ちで応援しているバンドは他にいない。
数曲にしか触れていないけれど、今回のライブレポはこれくらいで。
フレデリック、武道館公演おめでとうございます!これからも一緒に遊びましょう!
おわり。
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