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5日間の東北鈍行ひとり旅①

実は学生最後の春休み、最後の自由な時間を使って東北4県を鈍行で巡っていた。

手書きのメモやら文章やらツイートやらにバラバラと書いていたんだけれど、せっかくなので繋げて書き残しておこうと思う。

今回の目的地は
・岩手県の平泉
・秋田県の乳頭温泉郷
・山形県の銀山温泉

移動手段は、基本的にJR東日本の企画乗車券「北海道&東日本パス」(連続する7日間、在来線乗り放題で11300円)で乗れる鉄道と路線バスのみ。行程的に間に合わなそうな一区間のみ新幹線ワープをすることにしている。

1日目:東京から一ノ関(岩手県)までの移動日

北海道&東日本パスを手に、最寄駅から5時台の電車に乗り込む。
平日の始発近くの電車は意外と人がいて、こんなにも早くから働いている人もいるんだなあ、といつも驚く。
東北方面に向かう私の服装は1人だけなんだか浮いているような気がした。

赤羽5:57→宇都宮7:29
赤羽から宇都宮線に乗り込むと、とうとういつもとは違う旅の始まりだなあ〜という感じがする。トイレ事情が心配だったのでトイレがある車両のボックスシート窓側に陣取り、暗い外を眺める。この区間は基本的に住宅街という感じで、車窓にワクワクする感じはなかったので、とりあえず一眠り。

宇都宮7;40→黒磯8:31
向かいの車両に到着したのはロングシートの電車。直角だったので腰にきそうだった。
途中通る駅に「那須塩原」があって、ああ、結構遠くまできたなあと感じる。
流石にお腹が空いたので、次の乗り換え時間で朝ごはんを食べようと決めて黒磯周辺を検索していると、素敵なパン屋さんを発見。

黒磯で初めての途中下車!
改札を出ると空気が冷えているし山があるし遠くまで見渡せて気分が良い。
駅前が綺麗に整備されていたので、パン屋も期待できるな〜と歩いていると、すぐにお目当てのお店を発見。
お姉さんが外でせこせこと作業をしていたので、もしや開店前か・・・と心配になったけれど、テイクアウトならOKとのこと。もちもちの塩パンと、はちみつがしみしみで粉砂糖がかかったフレンチトーストを買って、るんるんで駅舎に戻る。

このパンがまあめちゃくちゃ美味しかった。塩パンってバターがじゅわ〜みたいなのが流行りだとは思うんだけれど、ここのパン屋さんはとにかくもちもちふわふわで優しい小麦と塩の味がして最高。そしてあまあまのフレンチトーストで糖分を補給する。粉砂糖を盛大にダウンにこぼしたけれど、それはまあ、気にしない。

黒磯9:08→新白河9:32
新白河って何県だっけ?と調べてみると、なんと福島県!
この時の私は「え!9時台に東北地方に乗り込めるなんて、日本は狭いなあ〜」なんて思っていた。福島県と宮城県の長さを知らないアホな私は、数時間後に裏切られることになる。黒磯からは東北本線のボックスシート車に乗車。
孫をつれたおばあちゃんが隣のボックスに座っていた。ほっこり。

新白河で25分待ちだったけれど外が寒かったので、とりあえず改札外駅構内の自販機で暖かいコーヒーを飲んだ。「東京2020オリンピック」の文字が見えて、ああ、そうだ、野球とソフトボールは福島県で開催か、と気づく。

新白河9:57→郡山10:36
郡山駅で30分待ちなので、駅構内と周りを散策。
流石は福島県屈指の都市とだけあって、ショッピングフロアや飲食店もいろいろある。
ラーメン屋で千葉名物の竹岡式ラーメンがプッシュされていて、喜多方ラーメンがちょっと気の毒になる。

郡山11:05→福島11:54
車窓を眺めると、家が少なくなって、見通しが良くなってきた。ここで私は気づく。あれ?福島から全然抜け出せなくない?

とりあえず福島駅で時間があるので、お昼ご飯を食らう。ウロウロしていたけれど、やっぱり海鮮だな〜と思ったので海鮮丼屋へ。
天然ヒラメ、真鯛、頭つきの海老、いくら、ぶり、生サーモン、ヤリイカが入っている日替わり丼で大満足。

福島12:40→仙台13:55
ここからは、この度唯一の快速列車、シティラビットに乗車。快速はやーい!と感動していると、向かいの席に制服姿の女子高生2人組が乗ってきた。乗車してすぐ、2人とも爆睡していて可愛かった。

ちなみにここら辺で、大学院修了者+最後の成績発表がWeb上であった。まさかこの発表を東北行きの電車の中で見ることになるとは思っていなかったけれど、とりあえず修了できたし修論の成績がA+だったので安心。

数時間前、新白河あたりで仙台に住む友人に「東北旅行してるよ」ってLINEしたら、たまたま時間が合うようだったので、仙台で一緒にずんだ餅を食べた。
15分くらいでお別れになっちゃったけれど、改札まで見送ってくれたので嬉しかった。改札で写真を撮ってもらって、この写真がこの5日間の旅唯一の他撮り写真となった。

仙台14:35→小牛田15:20
東北本線はここまでの旅程の中ではかなりの混み具合。座れないかもと思ったけれど、トイレの目の前の座席だけ空いていたので何とか着席。
景色見られないし、仙台は過去にも旅行したしな〜と思ったので、ダウンロードしてきた電子書籍(呪術廻戦)を読んだ。学校の舞台が仙台なのでちょっと嬉しい。松島あたりで席が空いたので、見通しのいい席に移動。

小牛田15;35→一ノ関16:23
ようやく本日の旅程最後の電車。
車窓はもうまっさら。更地。多分秋になると稲穂が輝いているんだろうなあ。空が青くて広くて、雲と遠くに見える家と山以外何にもなくて、遠くまで来たなあという感じがする。

一ノ関で下車すると「ようこそ一関へ」の文字。歓迎されている!と嬉しくなる。
「「世界遺産」浄土の風薫る“平泉”」と大々的に書いてあって、明日への期待が膨らんじゃう。

1日目のお宿は駅すぐ近くのビジネスホテル。
入り口暗いしエレベーターがちょっと怖い音を立てていたけれど、フロントのお兄さんが「部屋の空きが出たので、予約時には空いていなかった禁煙室にしますか?」と気を利かせてくれたし、外出するときはいつも笑顔で「いってらっしゃいませ!」と言ってくれたので大満足。

1日目の夜ご飯は、とりあえずホテルすぐ横のラーメン屋にした。
煮干し細麺のラーメンと餃子、日本酒を頼んだ。
日本酒(グラス)と書いてあったし300円だったので、量は少ないだろうと踏んでいたら、強面の店主のおっちゃんにグラスと升をセットしていただき、ダバダバと酒を注いでもらってしまった。一合以上あった。寿司屋のアルバイトとして5年間、升に酒をピッタリ一合注ぎ続けていた私だからわかる。


こんなに飲めないよ〜と思いつつも楽しくなって飲んでいたら、頼んでいなかったけれどおっちゃんがつまみメンマをくれた。やった〜

飲食を終える頃には、もうとてつもなく酔っ払っていた。すぐ顔が赤くなるけれど、人生でたくさんお酒を飲んでも気持ち悪くなったことや二日酔いしたことが一度もないという、アルコールに強いのか弱いのかよくわからない体質の私は、あまりその後のことを考えずにお酒を飲むことができる。

とりあえず酔いを覚ますために、近くのスーパー、コンビニを梯子し、店内を物色する。なんだか甘いものが食べたくなったのでアイスを買った。ちょっと酔いが覚めたところでホテルに戻り、アイスを食べながら仙台の友人にお礼の連絡をし、風呂に入って、次の日の予定を立てつつ眠りにつく。

2日目:平泉(岩手県)

2日目は、唯一朝の時間の余裕がある旅程だった。
ゆっくり起きて、テレビの天気予報を見ながら「ああ、ここは岩手だったなあ」と当たり前なことを思い、東京から持ってきたソイジョイをかじりながら、ホテルに置いてあった紅茶を飲んだ。

一ノ関駅から平泉駅までは2駅(8分)。平泉駅でワンコインのレンタサイクルを借り(無人で自販機から鍵を買うシステムだった)、2日目の観光スタート。

・中尊寺
最初の上り坂がきついけれど、朝の空気が気持ちいい。右手をみると、でっかい平野が広がる。上の方まで来ると雪がちらほら見えた。

中尊寺の中はなんだか写真を撮るのも躊躇われるほどの静けさ、神聖さで、これが「浄土」か・・・と何も知らないながら思った。全ての場所が写真撮影禁止と書いてあったわけではないけれど、入り口の写真しか撮れなかった。


金色堂での自動音声の解説が丁寧でとても良かったので、3周くらい聞いてしまった。6人くらいでわいわい遊びにきていた高校生?大学生?男子が、急に全員黙って鑑賞し始めたのが印象に残っている。浄土パワー?

・毛越寺
ここら辺も道が綺麗に整備されていて、観光地って感じ。自転車で走りやすくて助かった。
大きな池の周りをぐるっと1周していると、静かな中にパシャ・・・とかすかに音がするのが聞こえる。よく見てみると、アヒルと謎の白い鳥が着水する音だった。なんだかその音が愛おしくて、10分くらい同じ場所で鳥たちを眺めていた。


・サイクリング
次の電車までは時間があったので、駅の近くで眺めが良さそうな場所をサイクリング。橋を渡って、国道4号線にぶつかるまっすぐな道を、鼻歌を歌いながら駆け抜けた。
ここでの写真が、個人的にこの旅のベストショットかな。最高に気持ちよかった。生きてるな〜という感じがした。

平泉→前沢
お昼ご飯を食べるために隣駅の前沢へ。
私と同じく一人旅が好きな幼馴染がお手頃で美味しい前沢牛のお店を知ってるらしく、前日に教えてもらった。仙台の件といい、この度はとにかくタイミングがいい。
前沢駅からお目当てのお店までは徒歩15分くらい。久しぶりの住宅街でなんだかホッとする。前沢牛さんがマンホールにも描かれていてかわいい。

贅沢に焼肉食べちゃおうかな〜とか思ったけれど、幼馴染からはランチメニューが美味しいとの話を聞いていたので、前沢牛の柳川風をいただいた。

お肉がとにかく甘くて、油が乗っていて、お出汁との相性も抜群で、白米が止まらなかった。本当に美味しかったので、私はこの旅の中であえて牛肉を避けるようになる。味を上書きしたくなくて・・・

食べ終わって余韻に浸っていたら、乗るはずの電車に間に合わなくなってしまった。
次の電車まで1時間、どうしようかな〜と思っていたら、すぐ近くにイオンがあったのでそこで時間を潰した。歩いてイオンに行く人間なんてほとんどいないので、駐車場で轢かれそうで怖かった。

前沢→盛岡
東北本線で約1時間半揺られ、岩手県の大都市盛岡へ。地下通路で盛大に迷い、全然思ったところに出られないという東京人らしからぬミスを繰り返す。

盛岡駅前の雰囲気は非常に私好みだった。街があって、川があって、山が見える。盛岡駅前の大通りを進んでいくと開運橋という大きな橋があって、この橋の別名「二度泣き橋」の由来に納得。そう呼ばせるほどの良さがこの街にはあるなと。

2日目のホテルは繁華街から少し外れたところのビジネスホテル。1泊3000円だからそこまで期待していなかったけれど、うん、ちゃんとしている!

2日目の夜ご飯は「盛岡といえば」のわんこそばと思ったけど、流石に1人でやるのも虚しいので、わんこそば屋さんで普通にお蕎麦をいただくことにする。


お店はユニゾンがFCコンテンツで訪れていた「東屋」さんの別店舗にした。コシってよりもつるつるのおそばで、とても美味しかった。追加で頼んだだし巻き卵も上品で美味しかった。となりで男子高校生がわんこそばをやっていて「どーんどん♪」「じゃんじゃん♪」という念願のアレが聞けて嬉しかった。

2日目はかなりゆるゆると観光できたけれど、3、4日目は電車が少なく厳しい日程なので、早く寝ることにした。寝る前に念のためこの先の宿の場所を確認していると、次の日の大曲のホテルを取り損ねていることに気がついた。あぶね〜

つづく!

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