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郷に入っては

ここ最近、海外からの観光客がガバッと増えた。

各地で外国人観光客のマナーの問題が取り沙汰されるようになってきたが。
氷山の一角が現れただけで、彼らの傲慢な振る舞いというのは昔から一定数あったのだと思う。


あれは数年前、劇場でのイベントに呼ばれステージ出演したときのこと。

出演を無事に終え、先輩たちと打ち上げのような感じで駅近くのバルでワイワイと飲んでいた。


隣のテーブルには日本観光中と思しき外国人の夫婦がいて、奥さんが何かの拍子に話しかけてきた。

当時(今もだけど)、英語があまり得意でなかった自分なので全ては聞き取れなかったが、
「この辺りでおすすめある?」とかそんなぐらいの話だったと思う。

こちらからはターン毎に1〜2フレーズ返すのが精一杯で、とてもスムーズな英会話とは言えなかった。


それであるターンでいよいよ御婦人の言っている英語が1つも聞き取れない瞬間が来た。

しばらくの沈黙ののち、「…I don't know...」と消え入りそうな声で呟いた自分に対して彼女が放った一言。






Ohhh〜! You should study English more!(アンタ、もっと英語を勉強しなきゃダメよ)



………


………


………



え?



ここ日本なんですけど??




その時にはリスニングに必死で何も思わなかったが、後から思い返すとムカムカとしてきた。


そう、ここは日本なのだ。

公用語は日本語なのだ。 

夫婦は旅行客であり、彼らの言語がここの言葉ではないのだ。


そもそも、最初から当たり前のように英語で何かを訊いてくること自体がおかしい。

「もっと英語を勉強しなさい」だぁ?



You should study Japaneseだよばかやろー!!!!!!!!!



と、ここまでの噴火はさすがにしていないが(笑)、
どうにも腑に落ちない出来事となった。


郷に入っては郷に従え」と昔から言われている通り、旅先にお邪魔した際には現地のルールにある程度則る必要があると思う。
(海外にはこの諺はないのか?いや、似たような言葉は必ずあるはずだ!)


別に完璧に日本語を話す必要などないが、
それでも、簡単な「スミマセン」「アリガトウ」ぐらいは勉強してから日本に来るべきなのでは…?

なんでこっちが合わせなきゃなんないのさ。

まぁ、それすら出来なくても100歩譲って構わない。
だったらせめて「英語しか話せなくて申し訳ないんですけども、」という態度を示さにゃならんのではなかろうか。


自分で旅行に来といて旅先で当然のように自国語で話しかける、それに対応できない現地人に「勉強せいよ」と呆れて見せる…
厚顔ムチムチとはこのことですやん。


「この時代、グローバル化が」とか「世界共通言語は」とかそういう話ではない。

旅人としての最低限の礼儀のことである。


自分だって、海外旅行に行くんならそこの言語はある程度勉強してから行くさ。



日本も日本で、英語圏や諸アジアの言語を積極的に案内掲載するのはいいと思うが、
肝心な日本語の説明スペースが狭くなっていたりするのを見かけるようになった。

ナショナリズムはどうした!
このままじゃ乗っ取られるぞ!!

(別に右翼ではない)


日本には多くの観光客が来るようになった。
そんな中で、1番大切なのは現地の人の安寧な生活を邪魔しないことだ。

考え方が古いのかもしれないが、ここ日本において、海外旅行客に当たり前に外国語で話しかけられるのはちょっと嫌だな、と思った次第であった。

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