見出し画像

2020-10-14 現役LP改善コンサルが解説する、成果の出るLP制作方法と再現性を出すための思考法 #mercedu

2020/10/14 に開催された 現役LP改善コンサルが解説する、成果の出るLP制作方法と再現性を出すための思考法 のイベントレポートです。


●イベント概要
弊社はmerc Educationというマーケティングスクールを運営しており、毎年多くのマーケターを輩出しています。

現状のwebマーケティングを行っている企業の課題として、テクニックを重視した手法が横行しており、一時的な成果が出ても競合にすぐに追いつかれ、また新しいテクニックを試すという予算の消耗戦が多い事と考えています。実際に同じ理由で悩んでいるweb担当者さまも多いのではないでしょうか?

本来、施策の実施は以下の図のように戦略立案に基づいて行われます。ここを省いて施策を磨いても、根底がズレていれば施策の効果は期待できません。

逆説的に戦略立案以前のプロセスをきちんと整えていれば施策の効果も向上し、競合と大きく差をつけることもできます。そこで重要になるのがマーケティングプロセスの中の”ブランドの決定”です。

このように成果の出るマーケティングをきちんと行い、多くのweb担当者さまにマーケティングの重要性・必要性を知っていただきたいという思いから本セミナーを実施することになりました。


■選ばれるためのLP制作

竹内 湧太さん [合同会社Yumk]

●LPの役割
・CV確度が高いユーザーの獲得

●CV確度が高いとは
・SNS/広告/検索などの後
・比較/検討の段階のユーザーを刈り取る施策
・百貨店での相談窓口
・あと一歩でCVさせる内容

●成果の出るLP
・LP制作の基本と定石
  これだけで 80点 くらいの内容
・初期設計をきちんと行う
  ここで 120〜200点 をねらう
  80点で競り合うのは消耗戦になる
  初期設定で差をつける

●LP制作の基本
・全体で考える
  SNS/広告などの流入経路とセットで考える
  流入に応じた適切な情報を提示
    ユーザーに応じて必要な情報が変わる
・リスティング広告の場合
  検索キーワード
    ユーザーのニーズ
  検索結果の広告文
    期待感をコントロール
  LP
    期待感の実現度合いをコントロール
・広告文とLPの不一致は離脱につながる
  LPのファーストビューと広告の訴求に合わせる
・LPに来るまでのユーザー心理プロセス
  1. きっかけ
    悩みの発生
  2. 検索
    検索してみよう
  3. 選択
    このサイトを見てみよう
  4. 一致と驚き
    ランディング
    広告文の内容を詳しく知りたい状況
  5. 興味と願望
  6. 否定
  7. 比較
  8. 理由と言い訳
  9. 行動
  10. 満足 & 不満
  11. 共有 o rリピート
・仮設を立てて検証
  どんなきっかけで悩みが生まれ
  どういうチャネルでたどり着くか
・判断する指標がない場合
  まず指標をつくる
  現状の情報で素早く検証できる仮説を立ててデータ収集
・まとめ
  LP制作は広告文と連動させて考える
  ユーザーの心理・訪問プロセスを考える

●LPの定石
・FVでLPの成果がほぼ決まる
  広告分とFVを一致させる
  得られる価値を明確にする
    CTA(Call To Action)によってはこの時点でCV
  3rdまでで 6割は離脱
    ユーザーは見たい情報しか見ない
    上部に必要な情報を入れる
      FV, 2nd, 3rdまでで興味をもたせる構成
    下まで読んでいても、必要な情報を読むために流し読み

・ゴールがユーザーの目的とずれていると離脱につながる
  イメージ
    マーケティングを学んで転職したい
      → 3ヶ月で未経験からマーケターへ転職保証付きスクール
    マーケターとしてスキルアップしたい
      → 成果を出すことにコミットした実践型スクール
  なんとなく来た人でも
    CTAの内容が「無料で体験」だと割とCVする
  CTAはユーザーの目的に一致させる
    通いたいけど、まずは相談したいな
      × 申し込む
      △ 問い合わせる
      ○ 相談する
  webでユーザーを説得するは難しい
    欲求を掻き立てるのは比較的には楽
    toBやSaaSのLPの場合
      webの役割はできる営業への橋渡し
  CTAのゴールを考えるとき
    自分たちの商材は誰向け?
    webの役割は何?

・フォームは項目が多いと敬遠される
  通過率とフォーム項目数は負の相関
  項目は極力削る
    氏名、フリガナ、性別、住所、
    電話番号、電話番号(固定電話)、FAX番号、メールアドレス
    ↓
    氏名、性別、住所、電話番号
  経験上、影響は出ない
  減らすのが怖いならA/Bテスト

・顧客は必ず比較する、選ばれる理由がないと比較検討落ちする
  自社の独自性を出そう
    自社のポジションを定義
    競合と差がつく訴求を抽出
  違いを出せるかどうかがLv2に行けるか

●LPの初期設計
・LPの3C分析
  外部
    市場/顧客
      顧客の思考、ニーズ
      訪問プロセス
    競合
      プロダクトの強み/弱み
      提供している価値
  内部
    自社
      プロダクトの強み/弱み
      提供できる価値

・なんのために3C分析するのか?
  違いを生み出す
    自社:特徴/提供している価値
    競合:特徴/提供している価値
  適切に伝える
    顧客:ニーズ/課題

・LPでの3Cの順番
  プロダクトが「誰の」「何を」「どのように」解決できるかが明確か?
    No → 自社
  競合と比べてその価値は自社にしか提供できないか?
    No → 競合
  独自性を伝えるべきユーザーの心理・訪問プロセスを理解しているか?
    No → 市場/顧客
  「適切に伝える」へ

●競合と比べて違いを生み出す
・違い = 独自性を出せる要素を見つける

・例:オフィスデザイン
  イメージ
    大手ではない
    実績では大手には勝てない
    どこも大抵はおしゃれ
    強みはデザインのみ
  既存LPでの強みはツッコミどころ満載
    競合は具体的
  現状の要素では違いがわかりにくい
    検討テーブルに乗りにくい
    乗ったとしても比較しにくい
  コアを明確にしてブランドを定義
    誰に、何を、どのように
  ブランドに従って施策を考える
    その商品の打ち出し方って適切?
    そもそもLPって適切?
  オフィス以外にも色々やっている
    企業エントランスにはショールームのような発想が必要
    リフレッシュコーナーにはカフェ的な発想が必要
    エリアやシーンが変われば必要な機能が異なる
  異業種の店舗の空間デザインが
    オフィスの空間設計に活かされている
    → オフィス空間デザイン を行える会社
  2軸でポジショニング
    見た目 vs 体験
    オフィスのデザイン vs 空間のデザイン
  ブランドが決まったので
    LPだけでなく、バナーなどにも一貫性

・こんなポジショニングが築けている
  → コアバリューにつながる

●適切に伝える
・人は感覚で興味を持ち、理論で納得する
  感覚的
    印象的・直感的
    →価値の顕在化
  論理的
    納得する・理解する
    →事実の積み上げ

・驚き→興味→行動
  びっくりして→中身を知って→CVする

・LPに来るまでのユーザー心理プロセス
  1. きっかけ
  2. 検索
  3. 選択
  4. 一致と驚き
    ランディング
    このサイトいいな
  5. 興味と願望
    悩みを解決できるかも
  6. 否定
    必ず否定が来る
    本当にこれで良いのか?
  7. 比較
    他と比較してみよう
    80点だとここで積む
    120点だと選ばれるようになる
  8. 理由と言い訳
    行動を止めるもやもやがあるので、後押し
  9. 行動
    CV
  10. 満足 & 不満
  11. 共有 o rリピート

・サイト内でのユーザーの態度変容を仮説立てる
  感覚的
    一致と驚き
    ユーザーが得られる価値
  論理的
    納得してもらう
    得られる価値の根拠
    ここでCVが理想
      人は興味と疑問が分かれるもの
      この文章ならどこに興味を持つだろうという仮説立て
  感覚的
    一致と驚き
    新しい疑問(興味)への回答
  論理的
    その根拠
  感覚的
    違いで独自性をアピール
    オファーで刺す
      今なら〇〇
      まずはカウンセリング

・例
  感覚的
    0円でマーケティングの教育から転職支援まで!
    → ほかでお金取られるのでは?
  論理的
    完全に0円。なぜなら、、、
    → でも、タダだから質が悪いのでは?
  感覚的
    現場で使える実践的なカリキュラム!
    → 詳しく見てみるか
  論理的
    具体的なカリキュラム
    → ちゃんとしてる。でもまだ不安。。。
  感覚的
    他社との比較
    今なら無料体験!

・文字でワイヤーをつくる
  「FVでこう思うよね」から最後まで書いてみる

・ワイヤーをデザイン化する
  デザインは良いものを真似る
    競合他社
    ターゲットがよく見ているサイト
    訴求軸が似ている異業種
・まとめ
  3C分析
    違いを生み出し
    適切を伝える
  サイトワイヤー
    感覚的に興味をもたせ
    論理的に紹介する
  デザインはまとめサイトから探す
    日々ストックしていく


■さらに成果を出すためマーケティング設計

福田 正義さん [merc Education]

●マーケティング担当者の悩み
・ほとんど同じ製品なのに自社のは売れない
・同じことをやっているのにうまくいかない

●webの購入者数が増える単純ロジック
・売上 = 訪問者数 × 購入率
  売上を決めていく販売個数
・多くの人はリーチ数を上げたい
  SEO対策、SNS対応、広告、広報など
・売上 = 1,000 × 購入率
  平均的なECサイトでも購入率は 1〜3%
  1,000 → 5,000 → 10,000
  でも購入率が0%なら変わらない
・1% → 10
  1%の購入率
  100人が来て1人が買った
  99人が買わなかった
    ほとんどの人が買っていない
  1%→1.3%なら 30%増加
    これもまだほとんどの人は買ってない
・サイトの改修は誤差に見えるような違いをつくる
  購入率を上げる努力をした後で、流入数を増やす
  誤差とも思える差
  この差をつくることに努力をする人が少ない
・例
  美味しそうな動画
  こだわりがありそう
  普通の持ちではない画像
  伝統の製法
  窯で炊いてる動画
・サイトを表示して 10sec表示すると 離脱率が下がる
  無意識に見ているだけでも効果がある
・この感覚が、誤差のような購入率の違いをつくる

●購入率を上げる
・コンセプト、コピー、サイト構造、動画・写真
・良い写真ではなく
  ストーリーのある良い写真や動画の組み合わせ
  つまり
  コンセプト → コピー → サイト構造 → 動画・写真

●購入率は、コンセプト(コアバリュー)で変わる
・違いを生み出すこと
  爽健美茶 と 十六茶
  違いを明確に説明することは意外と難しい
  殆どの消費者はだいたい同じと認識
  正しく自分の位置を伝えることが大切
・良いものを作ったから、買ってほしい
  皆さん良いものを作っているから難しい
  ストーリーを足していく
・例
  良いもちを作ったから、買ってほしい
  →他の商品と変わらない

  おじいちゃんが丹精込めて、良いもちを作ったから、買ってほしい
  →丹精込めて作っているおじいちゃんはいっぱいいる

  江戸時代から続く技法で、16代目当主 もち一筋70年の
  おじいちゃんが丹精込めて、良いもちを作ったから、買ってほしい

  江戸時代から続く技法で、16代目当主 もち一筋70年の
  おじいちゃんが丹精込めて
  病気で苦しむ子どもたちの力になりたいと思って
  良いもちを作ったから、買ってほしい
  →おもちの価値が変化してくる
   ※くどくなってくるかも

・ストーリーで差別化を生み出す
  自分とそれ以外に分ける
    普通 と 普通じゃない
    ポジショニング戦略のこと
  でも意識する必要はなくい
    ストーリーを聞いた人が勝手に線を引いてくれる

●ブランド価値
・すぐに「機能」の差別化をしようとするが、それは間違い
  iPhone と 国産スマホ どっちが性能高い?
  おサイフケータイがついていない不便な時代のiPhoneも売れていた

・ブランド価値の3段階
  基本的価値
    商品特性や機能から得られる価値・便益
    かばん
  情報価値
    デザイン・イメージなど購入動機の要素
    頑丈なかばん、かわいいかばん
  プロセス価値
    接客スピード、購入後のフォローなど、商品とは別の価値
    おしゃれ、ていねいなどを感じるとブランドと認識

・良い製品であることは前提条件
  機能以外の要素でブランドが決まる

・ウォーリーをさがせ
  ウォーリーに枠をつける
  ウォーリー以外をグレーにする
  →多くの人が他と違うと認識してくれる

・例:丸亀製麺
  コアバリューを見つけた例
    売上が伸び悩んだ
    丸亀食感 の施策に変えたら一気に上昇
  すべての店内で粉から麺を手作り
  できたての美味しさにこだわり抜いていた
  これを、ほとんどの消費者が知らなかった
  伝えるようにしただけ

・コアバリューに、もう一軸差別化軸を追加すると唯一無二になる
  工場で生産 vs 店舗で手打ち × 個人商店 vs チェーン店
  個人商店 × 工場で生産
    論外
  個人商店 × 店舗で手打ち
    個人商店でよくある
  チェーン店 × 工場で生産
    大半はこれ
  チェーン店 × 店舗で手打ち
    唯一無二のポジション
・ストーリーと差別化のコンセプトが噛み合うと、違いを生み出せる

・例:AKB48
  気軽に会えない vs いつでも会える × アマチュア vs メジャー
  会えない × アマチュア
    論外
  会える × アマチュア
    地下アイドルでよくある
  会えない × メジャー
    メジャーは普通これ
  会える × メジャー
    唯一無二のポジション

●ブランドが示す方針に合わせて施策を決める
・4Pはブランド戦略によって作られる
  価格、商品、プロモーション、流通
  4Pの実行を通してブランドが強固になる

・同じ広告や施策をやっても効果がぜんぜん違う
  サイトを作る
  の元になるのが、ブランド決定(コアバリュー)
    戦略に基づいている
  の元になるのが、環境分析
    分析に基づいている
  → 初期の戦略がすべて

・マーケティングのプロセスどおりに実行する
  環境分析
    外部環境、内部環境
    市場機会の特定
  戦略立案
    セグメンテーション
    ターゲット市場
    ポジションの明確化
    ブランドの決定
  施策立案
    4P

・5つの初期設計
  ブランドの設計
    世界観の整理
      なぜ?
    ターゲットの設定
      誰のために?
    コアバリューの設定
      何を?
  ブランドに基づく施策の実行
    体験の企画
      どのように?
    体験の伝達
      どうやって?


■感想

ユーザーの悩みに合わせてLPを用意する認識はありましたが、ユーザー心理プロセスを行動につなげる流れを具体的にイメージすることができました。感覚と論理、行動を後押しするLPの構成は納得感がありますね!

以前にブランディング戦略を調べた印象は、やる価値は大きいけど、始めるまでのコストが大きいので踏み出すのは難しい印象でした。2軸で唯一無二のポジションを作るアプローチなら、踏み出しやすいですね!

ユーザーの悩みに寄り添って、正しく価値を伝えることを考え続けていれば、自ずと導かれるアプローチなのだと思いますが、その思考プロセスを型化することで再現性が高まるのを改めて感じました。

講師の皆さん、運営の皆さん、ありがとうございました!


この記事が参加している募集

いつも応援していただいている皆さん支えられています。