新人の参画や異動など、育成のタイミングが複数重なったので、メンバーそれぞれに今必要なノウハウを伝えられるように、体系立てる必要がありました。
これまでは必要そうなコンテンツを事前に準備しておき、OJTをベースにしてメンバーのスキルに合わせて、つど必要なトレーニングを組み合わせて進めてきましたが、複数人同時に、別のスタート地点から、別の役割を目指す育成には不向きです。
成果を軸にトレーニングを整理するセールス・イネーブルメントのアプローチをソフトウェア開発に適用して、メンバーそれぞれに今必要なノウハウを伝えられる状況を整えてみました。
■セールス・イネーブルメントとは
※Sales Enablementの体系的理解と構築の進め方 から引用
※https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000011466.html から引用
※https://www.biz-knowledge.com/entry/sales-enablement から引用
■全体像
●適用したチームの役割
業務システムを開発する部署の中で、各システムのメンバーがDevOpsな思想に進んでいくことを支援、伴走するチームです。チームの顧客は業務システムを開発、運用するメンバー。複数の組織を支援し、それぞれに複数のプロダクトを提供しています。プロダクトの開発 / 運用以外に、PR、カスタマーサクセス、カスタマーサポート、開発プロセス全般の支援も担います。メンバーは社員と協力会社の混成で、私は協力会社としての立ち位置で参画しています。
●適用したチームのプロセス
チームをプロダクトに見立てたインセプションデッキで活動方針を整理しています。星取表でプロダクトに関わるスキルを棚卸しています。支援の施策は仮説として扱い、仮説 / MVPキャンバスを描いて、BMLループで検証を回しています。プロセスフレームワークは、DAD アドバンスド / リーンライフサイクルで、イテレーション期間は1週間です。
●全体像
■成果起点の育成PDCAサイクル
●成果・行動・知識/スキル を一気通貫でつなげる
・インセプションデッキ / われわれはなぜここにいるのか
・デリバリーパフォーマンス
・DevOpsに関わるケイパビリティのアセスメント:DevOpsCriteria
・担っている役割
・星取表
●支援先の意思決定プロセスに支援プロセスを整合させる
●支援先の意思決定プロセスを前進させる育成プログラムを組む
■イネーブルメントの構成要素
●知ることを支えるトレーニングコンテンツ
・習熟度の可視化(開発・運用領域)
●やってみることを支えるWhyの共有
●効率的に動くためにすぐに使えるツール/ナレッジ
・すぐに使えたノウハウをナレッジとして残す
●データドリブンな活動を支えるシステム
■まとめ
イネーブルメントのアプローチは、組織が求める成果が定義できれば、あらゆる職種に適用できます。成果を軸に一貫性を持たせられるので、網羅率や習熟度などのデータマネジメントにつなげることができます。ソフトウェアエンジニアの活動は、なんらかのシステムを利用するので、計測しやすい分、物理的な活動が主体の他の職種より導入が容易です。
職種をまたいだイネーブルメントのアプローチをこちらに整理しました。