DevOps Criteriaで現況を知る
DevOpsという「ヒト、プロセス、テクノロジーを通して全体最適化を目指す思想」に賛同している方々の活動を支援するために DevOps Criteria をつくってみました。
■概要
事業全体のパフォーマンス、ソフトウェアデリバリのパフォーマンスを向上するために、相関関係のあるケイパビリティ群の強み/弱みを把握するアセスメントです。
統計学で関係が証明されている LeanとDevOpsの科学[Accelerate] の内容をベースにしています。書籍で証明されている内容は、こちらにまとめてみました。
■調査項目の構造
100個のチェックを、3テーマ、5カテゴリと24ケイパビリティ に分類しています。
●3つのテーマ
各テーマの対象が、どれだけ事業全体のパフォーマンスを向上できる状態にあるかをチェックします。
・People
人・組織・文化
・Process
価値提供全体の業務プロセス
・Technology
利用しているツールや技術
●5カテゴリ と 24ケイパビリティ
LeanとDevOpsの科学[Accelerate] で紹介されているケイパビリティが、どれだけ事業全体のパフォーマンスを向上できる状態にあるかをチェックします。
・継続的デリバリ
01: 本番環境のすべての成果物をバージョン管理システムで管理
02: デプロイメントプロセスの自動化
03: 継続的インテグレーションの実装
04: トランクベースの開発手法の実践
05: テストの自動化
06: テストデータの管理
07: 情報セキュリティのシフトレフト
08: 継続的デリバリの実践
・アーキテクチャ
09: 疎結合のアーキテクチャ
10: チームへのツール選択権限の付与
・製品・プロセス
11: 顧客フィードバックの収集と活用
12: 全業務プロセスの作業フローの可視化
13: 作業の細分化
14: チームによる実験の推奨・実現
・リーン思考に基づく管理と監視
15: 負担の軽い変更承認プロセス
16: 事業上の意思決定におけるアプリとインフラの監視結果の活用
17: システムの健全性のプロアクティブなチェック
18: WIP制限によるプロセス改善と作業管理
19: 作業の可視化による、品質の監視とチーム内コミュニケーションの促進
・組織文化
20: (Westrum推奨の)創造的な組織文化の育成
21: 学びの推奨と支援
22: チーム間の協働の支援と促進
23: 有意義な仕事を可能にするツールなどの資源の提供
24: 改善を促進するリーダーシップの実現や支援
■利用方法
・アセスメント GoogleSheets をコピー
・assessment シートに回答を入力
・chart シートで結果を確認
■目的
先日、DX Criteriaでアセスメントを実施してみて、改めて「現況を知り、目標を設定、成長を把握できるようにする」ことの効果を実感しました。
DevOpsな領域では、自身のケイパビリティを高めつつ、自チームや自組織の現況や目標にしっくりくる道を模索する活動を続ける必要があります。
ですが、「ビジネスの成果を生む活動」を支援するメタな活動になるため、効果が見えにくく、自己満足に陥ってしまったり、重要性を認識してもらえないことも多いです。
ながい道のりなので、自分たちがどの程度達成できていて、次にどちらへ向かうのがより効果的なのかを見失ってしまうこともしばしばあります。
そんな組織の境界に佇む同志の皆さんの活動を、少しでも後押しできれば。
いつも応援していただいている皆さん支えられています。